第40話 ピザ交換
「うーん……」
「じゅ、純ちゃん?」
ピザを食べている純ちゃんをまじまじと見ていた私だったが、純ちゃんも純ちゃんで、私が持っているピザをじーっと見つめていた。
「美羽さん……美羽さんのピザ……美味しそうですね」
「じゅ、純ちゃんのピザも……美味しそう」
どうやらお互い、相手のピザを食べてみたいと思っていたようだ。
「……美羽さん、それ……食べてもいいですか?」
「い、いいけど……じゃあ、純ちゃんのも、食べてもいい?」
「……いいですよ」
私たちはお互いのピザを交換し合い、それを口の中に頬張った。
純ちゃんの食べていたFUJISANピザは……クリーミーなチーズが特徴的だった。
口に入れた瞬間に、複数のチーズの味が口の中に広がり、同時に中に入っているケチャップやソースが、それの邪魔をすることなくマッチしていて、もう一口入れたくなってしまった。
……もう一度、日本一の山を口の中に入れようとした、その時。
『きゃああああああああ!! 美羽さん羨ましい!!』
『間接キッス!! さいこおおおおおおおおお!!』
『フォーーーーーーーーーー!! ¥2222』
『お前ら興奮しすぎや……もう一回やってくれえええええええ!!』
コメント欄が歓喜で埋まっていて、私は冷静になった。
た、確かに、これ……よく考えたら……。
「うん……美羽さんのピザ……ジューシーで美味しいですね……」
私は純ちゃんを見て、顔に熱が上がってしまった。
純ちゃんの食べ口から糸を引いていて……私は思わず、純ちゃんの唇に注目してしまった。
純ちゃんと私が、キス……。
「美羽さん、そっちのピザ、美味しかったですか?」
「う、うん! とっても美味しかったよ! あ、ありがとうね!!」
私はすかさず自分のピザを取り返し、冷静になるために一気にピザを食べ切った。
「み、美羽さん……凄い食べっぷりですね」
「ま、まぁね!」
私はごまかすために、セットのドリンクを一気飲みした。
『美羽ちゃん意識してるの見え見えやん』
『ごちそうさまでした ¥1000』
『ピザと一緒にイノジュンの感触も味わったのか……』




