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旬が過ぎたVtuber、企業案件でダンジョンに潜ったら、イケメン男装麗人とコラボすることになった件  作者: 立風館幻夢
第2章 2回目のコラボ、テーマパークでデート

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第26話 ただ投げただけだけど?

「グオオオオオオオオオ!!」


 仲間が攻撃されたことに気付いたのか、奥の方から、複数の目が光ってみた。

 まずい……ここから見ても20くらいはいない!?


「や、やばい……」


 私は事の重大さを知り、焦り始めた。


『ほーら、調子に乗るから』

『早く武器を構えて!』

『刀! 刀持ってたよね!?』

『純様! 助けてあげて!』


 コメント欄は指示で溢れかえっていた。

 ゲーム配信だと鬱陶しくてしょうがないが、こういう状況だと大変助かる。

 私はコメント欄を見て冷静になり、刀を装備した。


「美羽さん! 僕も戦いますよ!」

「純ちゃん……」


 純ちゃんも助太刀として、私の横に並び、戦闘態勢を整えた。


「大切なパートナーを守るためですから、全力で言っちゃいますよ! みなさん! 見ててね!」

「ぱ、パートナーって……」


 そういうこと言われると別の意味に聞こえる……。


『キマシ』

『純美羽きたああああああ!!』

『大事な嫁さん助けてやれよイノジュン』

「ほら! 美羽さん! コメント欄が声援で埋まってますよ! 行きましょう!」

「う、うん」


 純ちゃん……もしかして、コメ欄が何言ってるか理解してない?

 まぁ……知らなくていい事もあるか。


「じゃあまずは僕から! おりゃあああああ!!」


 純ちゃんは全速力でコボルトに突撃し、そのまま飛び上がって、奴に両足蹴りをお見舞いした。

 蹴りがコボルトに命中し、奴は魔石と化した。


『純様やっぱりかっこいい! ¥1000』

『イノジュンのファイトスタイル参考にします ¥5000』

『この人人間? ¥500』


 純ちゃんの戦いぶりを讃えるように、コメント欄は虹を描いていた。

わ、私も行かなきゃ!

 私はクナイを構え、コボルトに目掛けて放った。

 クナイは追尾弾のように進んでいき、コボルトどもに命中した。

 奴らは呻き声を上げ……魔石へと生まれ変わっていった。


『ええ!? なんかクナイが意思持ってるみたいじゃなかった!?』

『やべぇ……軽く引いちゃった』

『美羽ちゃんもかっこいいよ! ¥10000』

『That Ninja Girl so……Cool……$100』

『結婚してください HK$550』

『Vtuberってすごいですね。 NT$500』


 またも投げ銭でコメント欄が虹のようになった。

 まぁ、凄かったのは私じゃなくてこの腕輪……バーチャルチェンジャーの力だろうけど。


「美羽さん! 今のどうやったんですか!?」


 純ちゃんは興奮気味に私の手を掴んで質問してきた。

 そ、そんなに凄かった?


「ど、どうって言われても……ただクナイを投げただけだけど?」

「ええ!? 本当に言ってます!?」

「う、うん……」


 投げたら勝手に飛んでいった……それ以外言いようがない。


『なんて?』

『ちょっと何言ってるか分からないですね』

『ごめん、もう一回言って』

『やばいわこの人』


 コメント欄も困惑に染まっていた。


「まぁ……なんでもいっか! どんどん行きましょう! 美羽さん!」

「う、うん!」


 私たちは残りのコボルトどもを退治するべく、前へと進んだ。

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