その8 敵襲
「ぐはぁ!?」
「大丈夫!?」
部隊のメンバーの一人がモンスターの奇襲を受け、足にけがを受けてしまったのだ。
怪我をしたら連帯責任……僕たちは脚を止め、安全な場所で負傷した隊員の治療にあたった。
しかし、ここで全員が立ち止まっても意味がないと判断したのか、上官の一人が僕を含めた数人がけがの治療にあたるよう指示を出し、残り数名が前へと進んでいった。
「よし、止血完了! 教官! こいつを出口まで運びます!」
「よし、やれ……おい! 誰か他にもついて行け!」
「はい! さぁほら、立って」
怪我をした隊員を抱え、外へと向かおうとした……その時。
「敵襲! 敵襲! 隠れろ!」
上官が声を上げ、僕たちは咄嗟に物陰に隠れた。
どうしよう……なんでこんな時に……。
怪我をしてる隊員もいる……どうすれば……。
怪物は呻き声を上げながら、獲物を探しているようだった。
ここでやらなきゃ殺される……。
怪我をしている隊員を見ながら、僕はそんなことを考えた。
その時……。
「うわああああああ!!」
上官の元に、モンスターが襲い掛かろうとしたのだ。
焦る一行だったが、僕は咄嗟の判断で、銃を振り回し、奴を殴った。
しかし……。
「あ……」
奴は多少の怪我を負っただけで、まだピンピンしていたのだ。
焦った僕は、銃を落としてしまい、その場で尻餅をついてしまった。
このままじゃ……死んじゃう……。
走馬灯のように過去を思い出しながら、僕は目を閉じた……。
……しかし、痛みは感じなかった。
何かを殴ったような音もせず……銃声だけがダンジョンに鳴り響いていた。
「……はぁ……はぁ」
咄嗟に上官が銃を引き抜き……モンスターを倒したのだ。
奴は煙となって消えていき……宝石のようなものを落とした。
……その後、無事に帰還できた僕たちだったが……僕はその日、上官に厳しく叱られた。




