その5 質問
「さ、さて……」
次の日、学校を終えるとすぐさま動画サイトを開いた。
配信開始まではまだ数時間もあるのに、僕は放送画面を開いて待機していた。
「おーい! 飯出来たぞ!」
しばらくすると、父が夕飯の支度ができたことを告げてきた。
「あ、後で食べるから!」
「こらこら何馬鹿なこと言ってるんだ、なにずーっとスマホ観てるんだ?」
「い、いいから!」
僕は父を追い出し、ひたすら放送を待ち続けた。
サムネイルの静止画から、待機のアニメーションに切り替わり、既に放送開始は秒読みだ。
そして……。
『はい、みなさんこんみうー! 今日も定例会やっていくよー!』
「き、きた……」
放送が……始まった。
僕は興奮のあまり、ベッドの上で転げまわった。
『さーて、それでね、この間実況したゲームなんだけど……』
最初は他愛もないトーク……先週やったゲーム配信の振り返りだった。
生憎その配信は観ていないのだが、僕はBGMを聞くような感覚で耳に入れた。
しばらくして、雑談が終わり……。
『さぁて! 次はお便りコーナーだね!』
ついに来た、ぼ、僕のお便り……読まれるかな?
さ、採用されると良いなぁ……。
『はいじゃあ最初ね、「この間のゲーム配信最高だった! 俺も買ったけど途中で詰んじゃった、コツ教えてー」……うーん、そうだね、このゲームね……』
最初の質問はゲームについての解説……ま、まぁ最初だし、こういうのだよね……。
『じゃあ次ね、「この間夏季アニメスタートしたけど、美羽ちゃん好みのやつやってたよ」……あー、それ私も生で観たよ! あれよかったよねー!』
つ、次はアニメの質問……ま、まだか……。
だ、大丈夫、次は……。
『はーい次、「最近美羽ちゃんの影響で忍者修行してます! この間滝行したら通報された」……いや、ネタでも辞めてね!? 死んじゃうからね!? つ、次行くよ? 「美羽ちゃん、熱中症ってゆっくり言って」……言いません、ハイ次……』
次も……その次の質問も、僕の物ではなかった。
こ、これは……不採用ってやつかな?
「はぁー……やっぱダメか」
僕は天井を見上げ、ぐったりとしてしまった。
ま、まぁしょうがないよね、内容が内容だし……。
『じゃあ次最後ね……「最近悩んでいることがあります、それは自分の性別についてです」……おっと? 重いのが来ちゃったねー』
……え? この質問は……。




