第99話 亀裂
『うおおおおおおお!! すげえええええええ!! ¥5000』
『イノジュンも美羽ちゃんもすげえええええええ!! ¥10000』
『Soooooooo GREAAAAAAAAT!! $50』
『すごい! さすが!! ₩22222』
『強いですね!! NT$30』
コメント欄を尻目に、私たちは社長に向かいだした。
「く、クソ……まだ……クリアじゃ……」
社長が腕輪に手を伸ばすのを見て……純ちゃんはそれを思いきり蹴り飛ばした。
「このゲーム……僕たちの勝利だ」
「もう……ゲームは終わりだよ」
これで……全てが終わった。
これで……ダンジョンは……。
「ふふ……ふふふ……」
……奴は、何が可笑しいのかわからなかったが、肩をくすめて笑い出した。
な、なに? 今に始まった事じゃないけど、凄い不気味……。
「あはははははははははは!!! あははははははははははは!!」
『……え?』
『ついにおかしくなった?』
『いや、おかしいのは元からだろ』
コメント欄も、社長の異様な姿に困惑の声が止まらなかった。
「これでゲームが終わりだと? 本当にそうだと思っているのか?」
「……どういうこと?」
「このゲームに……終わりなどない!! 一度発生したダンジョンは……もう消えない……このゲームに、サービス終了なんて言葉は存在しない!! お前らは……そうやって永遠とダンジョンを楽しむがいいのさ……私の最高傑作を楽しむ……哀れな……」
……奴は御託を永遠と並べていたが……ある異変に気が付いた。
「み、美羽さん……」
純ちゃんに服を引っ張られ、その異変が確信へと変わった。
部屋の天井が……段々と亀裂が入っているのが。
「ま、まずい!」
「早く逃げましょう!」
そう言うと純ちゃんは……社長を抱えて立ち上がった。
「えぇ!? この人も連れて行くの!?」
「一応は人間です! どんな悪人だろうが、見捨てるわけにはいきませんから!」
「そ、そうだね!」
私も純ちゃんに同調し、社長を抱えた。
「き、汚い手で触れるな!」
「うるさい、早く行くよ!」
私たちは社長を抱えつつ、部屋を飛び出した。
『だ、大丈夫なの?』
『早く逃げてえええええええ!!』
『やばい……心臓バックバク……』




