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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第81話 邂逅?


「あれは?」


 華ちゃんと揺らぎの先の洞窟を進んでいたら、100メートルほど先に4本足の動物のようなシルエットが見えた。数は3。かなり大きい。


 今まで子牛を直接見たことはないが、それくらいはゆうにありそうだ。


 俺は如意棒を構えて、


「おそらく、オオカミ型のモンスターだ」


「岩永さん、あの3匹、わたしが全部斃してもいいですか?」


「それはもちろんいいけど、どうした?」


「新しい魔術を使ってみようかなって」


「どんな魔法?」


「それは見てのお楽しみ」


 子牛ほどもあるモンスターを前にして余裕だな。それじゃあ俺はバックアップだ。もしも華ちゃんが討ち漏らしたら、俺が片を付ける。


 モンスターは急にこっちに向かって走り出した。近寄ってきたモンスターはやはりオオカミ型だった。


 30メートルほどにオオカミが近づいてきたところで、後ろから、


「ライトニング!」


 華ちゃんの声と同時に、真っ白い光が先頭のオオカミに命中し、そのオオカミから白い光が分かれて、後ろを走る2匹のオオカミに命中した。


 三匹は走ってきた勢いのまま前のめりに倒れ込んでそのまま動かなくなった。


「すごいな」


 今の魔法は、華ちゃんの命名ではライトニングだったが、俺のラノベとゲームの知識(けいけん)から言えば『チェーンライトニング』だな。いずれにせよ大したものだ。


「うまくいきました」



 華ちゃんが一撃で斃してしまったオオカミに近寄ってみると3匹とも目を見開いたまま死んでいた。


「さっきのスライムは鑑定し忘れましたが、いちおう鑑定してみます。

 鑑定。

 ケイブ・ウルフ。だそうです」


「洞窟オオカミか。オオカミの実物を今まで見たことないけれど、大きいな」


「これだと100キロ近くありそうですね」


「もっとありそうだぞ。相撲取りのぶちかましみたく、こんなのに飛びかかられたら重さだけでもタダじゃすまないぞ。

 こいつらの死骸もいちおう収納しておこう。牛なら食べられるがオオカミじゃ食べられないよな」


「モンスターの肉って食べられるんでしょうか?」


「俺のラノベとゲーム知識(けいけん)から言うと、食べられるらしい。

 場合によっては、普通の肉にはない特殊な効能が有ったりする。

 俺は神殿から逃げ出したあと、串焼きなんかをよく食べてたんだが、何の肉か分からなかったことが何回かあったから、実際よく食べられてるのかもな。とはいえ、オオカミじゃ食べられたとしても硬い上にマズいんじゃないか?

 そこら辺のところは、リサなら知っていそうだから、帰ったら聞いてみよう」


「そうですね」


「そう言えば、俺の如意棒も華ちゃんのメイスもますます黒くなってきたな。これも俺のラノベとゲーム知識(けいけん)から言うと、モンスターを斃すと武器が強化されてこんな具合に変色していくんだが、俺はここのところ如意棒で戦っていないし、華ちゃんもメイスを使ってないだろ。何でもいいからモンスターを斃すと、そのパーティー全員のメインの武器が強化されるのかもな。

 俺の如意棒は神殿で拾ったタダの棒だったんだが、今となっては無茶苦茶強そうだし、実際かなり重くなってるしな」


「わたしのメイスも重くなってます。その割に扱い易さは変わっていません」


「そこら辺もダンジョンの不思議の一つなんだろうな」



 それから俺たちは歩き続けた。かなりの数の枝道があったが、本道をまっすぐ進んでる。その間、オオカミに遭遇することはなかったが、ピョンちゃんの警告で華ちゃんがファイヤーアローを放ち何度かスライムを撃退している。俺の出番は死骸の回収だけだ。



 さらに洞窟を進んでいったら、前方から何かが近づいてきた。


「あっ、こっちに向かって何か飛んでくる。

 飛行型のモンスターだがコウモリのような翼はない。新手のモンスターだ」


 50メートルほど先で宙に浮かぶモンスターを見つけた。大きさはそれほど大きくはない。見た感じは、大き目のおもちゃのドローンなんだが、ダンジョンならではの変わったモンスターなのだろう。


 俺は如意棒を構え直し、華ちゃんはそのモンスターをじっと見ている。モンスターがある程度近づいてきたら、華ちゃんが簡単に撃ち落とすだろう。


 モンスターが俺たちを値踏みするように近づいてきた。


 あっ! やっぱりこいつはドローンだ!


「華ちゃん、撃ち落とさず、様子を見よう」


「はい」




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 こちらは、善次郎のアパートに近い公園の中に出現したピラミッド内のダンジョン。


 そのダンジョンの入り口の空洞に設置された陸自の中隊・・本部。


 その本部で、ノートパソコンの画面を見ながら偵察用ドローンを操縦する隊員が中隊長に向かって、


「中隊長、第1小隊第2分隊の前方250メートルで人型ひとがたモンスターを2体発見しました。

 近くに光源があるようです」


「人型か。人型のモンスターは初めての発見だ。慎重にな」


「はい」


 中隊長は続いて第1小隊第2分隊に指示を出した。


「こちら中隊長。第1小隊第2分隊、分隊の前方250メートルでドローンが2体の人型モンスターを発見した。分隊は詳細を確認するためそのまま前進せよ。なお、その人型モンスターは敵性モンスターではない可能性があるため、本部の指示があるまで交戦は控えるように」


『第1小隊第2分隊了解』


 ドローンはゆっくりと人型モンスターに接近していき、2体の人型モンスターの全容が明らかになった。


 中隊長はドローン操縦員の後ろからノートパソコンのモニターを覗き込んでいる。


「人だ! 革の鎧を着てヘルメットをかぶっている。一人の頭上に輝いているギラギラしている火の玉は何だ? 逆光になって詳細が分からないな。

 第1小隊第2分隊、前方にいる2体は明らかに人間だ。

 2名ほど注意して接近し、こちらに交戦意思のないことを示せ。残りの4名は2名の後方20メートルを維持して前進し、変事に備えよ」


『第1小隊第2分隊了解』


「顔の表情が知りたいが、フィルターをかけたら何とかならないか?」


「先ほどからやってますが、これでどうでしょう?」


「頭の上に明かりを灯しているのは女だな、もう一人は男だ。男は両手で長めの棒を持って構えている。女の方は手ぶらにみえるが。

 肩に何かくっつけている?

 鳥だ。女は鳥を肩に乗せている。

 この連中は、いったい何者なんだ?」




本日の某識者のお勧めは、

近未来宇宙SF『宇宙船をもらった男、もらったのは星だった!?』です。

近未来ものを書いていたら、想定していた物語のスタート日付を現実が越えていき、さらに東京オリンピックまで延期されてしまいました。近未来アルアルですね。

物語は、巨大宇宙船の艦長になった「日本人」主人公が、部下となった宇宙船の仲間たちのため、そして日本のために活躍し、地球を含めた宇宙の危機を救ったりします。

https://book1.adouzi.eu.org/n6166fw/ よろしくお願いします。

もちろん、当作品に登場する人物・団体(政党など)・名称・国名等は架空であり、これっぽっちも関係ありません。


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