第57話 ダンジョンアタック5、防具2
誤字報告ありがとうございます。
正確には防具屋では買い物をしていないが、買い物を済ませた俺たちは店を出てそのまま屋敷の居間に転移した。
屋敷では夕食の支度が始まっているらしく台所の方からみんなの声が聞こえてくる。
「華ちゃん、さっそくだが鎧の大きさを合わせてしまおう。
と言うことだから、ワーク○ンで買った服に着替えて、居間に下りてきてくれ。
俺も着替えてくる」
俺も自分の部屋に戻ってワーク○ンスーツに着替えて居間に下りていった。
俺が居間に入って5分程して華ちゃんも居間にやってきた。
お互いの姿を見て、お互い言うことがあったようだが、そこは二人とも大人の対応で済ませた。
「華ちゃん、まずはこのまま着てみてくれ」
そう言って俺はアイテムボックスから取り出した革鎧を華ちゃんに手渡した。
まずは脚のすねにすね当てを巻くようにはめて、裏側をバックルで数カ所留める。その後太もも部分にもも当てを当てて同じように裏側をバックルで数カ所留める、鎧をかぶるようにして身につけてこちらも要所をバックルで留めていく。鎧のバックルは背中ではなく左右の脇腹部分にあるので一人で着ることができる。
最後に太めのベルトを腰に締めて出来上がりだ。ベルトには、剣の鞘やその他の武器を吊り下げるための革ひもと小さめのバックルが何個所かについている。
「どうだ?」
「ちょっと大きいかも知れません」
「分かった。少し小さくしてみるからそれは脱いでくれ」
バックルを外すのを手伝ってやろうかと思ったが、ちょっと微妙な位置にバックルが付いていたので止めておいた。
華ちゃんが脱いだ鎧の上下をアイテムボックスの素材ボックスに入れて先ほどの鎧より一回り小さな鎧を錬金工房で錬成し、華ちゃんに渡した。
俺の方は最初の鎧より二回り大きな鎧を錬成し、それを着てみることにした。
2回目になる華ちゃんの鎧を着るスピードはなかなかのものだが、俺は生まれて初めて鎧を着るので少々手間取ってしまった。それでもなんとか着込むことができた。
「華ちゃん、今度はどうだ?」
「ちょうどいいみたいです」
「俺もこれでいいみたいだ。
いったん脱いで仕舞っておこう」
「はい」
俺は鎧を脱いだ端からアイテムボックスに収納し、華ちゃんは脱いだ鎧を持って自分の部屋に上がっていった。後で考えたら、華ちゃんが着ていた鎧も、着ていたままで収納できたのだが、そういった微妙な能力は隠していた方が良いような気がしたので、ある意味そうしなかったのはラッキーだった。
もうだいぶ陽も傾いてきたので、その日はそれでダンジョン絡みはおしまいにした。
夕食が終わり俺は子どもたちと一緒にCDを聞きながら居間で寛いでいたら、風呂から上がった華ちゃんとリサがやってきた。華ちゃんのドライヤー魔法で乾かしたのか、二人とももう髪の毛は乾いている。
食後のデザートでアイスクリームをすでに配っていたのだが、ケーキをみんなに食べさせるのを忘れていたので、
「リサ、悪いがお茶をみんなの分用意してくれ」
「はい」
「さっきアイスクリームは食べたけど、2回目のデザートだ」
「「わーい」」
「お前たちは、取り皿と小さめのフォークを持ってきてくれ」
子どもたちがリサの後を追うように台所に走っていった。
「岩永さん、2回目のデザートって?」
「ケーキを買ってたんだが、今まで出す機会がなかったので半分忘れてた」
そう言ってケーキ屋で貰ったパンフレットを華ちゃんに見せた。
「うわぁ! おいしそー。わたしはモンブランかな」
「俺は、いちごのショートケーキだな」
すぐに子どもたちも食器を持って帰ってきたので、
「華ちゃんの持ってるパンフレットを見て、食べたいケーキを選んでおけ。
お茶が来たらケーキを出すからな」
4人が華ちゃんの後ろに回ってパンフレットにのぞき込み、あれやこれや言っている。
そうこうしていたら、リサがワゴンに人数分のお茶を運んできた。手分けしてテーブルに並べたところで、ケーキを決めた順に俺が皿の上に出していく。最後にやってきたリサは、みんなの前の皿の上を見て、俺と同じいちごのショートケーキにした。4人の子どもたちは全員プラスチックの容器に入ったプリンアラモードにしたようだ。
「「いただきます」」
一口食べて「「おいしー!」」が聞こえた。やっぱりコレだよな。
翌日。
朝の日課を終えて、俺と華ちゃんは再度ダンジョンアタックだ。今日は半日潜るつもりで、俺と華ちゃんは夕方屋敷に戻るとリサに告げておいた。
華ちゃんのメイスは柄をベルトについた革ひもとバックルで留めて腰からぶら下げている。
俺の方は、使う当てなどないが、格好付けにソードブレーカーを入れた鞘をベルトに括り付けている。
華ちゃんも俺もフル装備だ。黒尽くめの上に赤茶けた革の鎧を着込み、頭にはキラキラと光を反射するミスリルのハーフヘルメットをかぶった俺たちは、最後に出たダンジョンの部屋に転移した。
部屋に転移で現れたところで、華ちゃんがライトの魔法をかけた。
青白い光が華ちゃんの銀色のヘルメットの上で輝きヘルメットもギラギラ輝く。
俺も被っているミスリルのヘルメット。つや消ししたほうがいいかもしれない。
「華ちゃん、次の部屋にいってみよう」
「はい。その前に、ディテクトアノマリー!」
部屋の中はなにも異常はなく、扉にも異常はなかったので、俺は左手で如意棒を持って、右手で扉を開いた。
通路に出た後、華ちゃんがこれから向かう先の通路に向かってデテクトなんちゃらをかけたら、前回同様いたるところが赤く点滅した。
その赤く点滅した箇所に対して華ちゃんが罠用のデテクトなんちゃらを使って罠を確認したり解除していった。
そして、次の部屋。
華ちゃんが罠を解除した扉を俺がゆっくり押し開いてやると、部屋の中に何か居た。
とっさに両手で如意棒を構えたら、光源の華ちゃんが俺の後に立ったので、部屋の中がよく見えるようになった。明かりに照らされた部屋にはまた蜘蛛の糸が張り巡らされていた。
しかし、肝心の蜘蛛が見えない。
「ディテクトアノマリー」。部屋の正面の壁が赤く点滅しているようだが蜘蛛の糸が邪魔ではっきりしない。少なくとも目に付く床の上には赤い点滅は見えなかった。
俺が部屋の中に一歩進んだところで、いきなり目の前に巨大蜘蛛が下りてきた。天井に潜んでいたようだ。
蜘蛛は立ち上がるように足を伸ばして、腹部をこちらに向けて糸を吐き出してきた。
ヤヴァそうな糸なので如意棒で払ってやったら、蜘蛛の糸が絡まった如意棒の先から煙が出てきた。
また糸を吐かれてはまずいので、昨日冒険者ギルドで作った塩酸入りのポーション瓶を蜘蛛の上に落っことしてやったら、蜘蛛が狂ったように走り回り始めた。
蜘蛛が目の前に走り寄ってきたところを如意棒で思い切って払ったら、頭と一体となった胴体と腹部が泣き分かれてしまった。これで仕留めたと思ったのだが、足の付いている胴体はまだ元気に動き回っている。
嫌だよもう。
そこで、華ちゃんが横から顔を出して、「ファイヤアロー!」とひとこと。
華ちゃんのファイヤアローは見事に走り回っていた蜘蛛の胴体に命中して、蜘蛛の胴体はひっくり返って足を縮めた。
俺の如意棒は依然煙を上げているし、華ちゃんには助けられるしいいとこなしだった。それでも、ちゃんと助けてもらった礼はいっておかないとな。
「華ちゃん、ありがとう。危ないところだった」
「岩永さん、全然危なそうには見えなかったけど、危なかったんですか?」
「ほら、俺の如意棒から煙が出てるだろ? 蜘蛛の糸に毒が含まれていた証拠だ。どういった毒かは分からないが、また糸を吐かれてたら危なかったよ」
「ほんとかなー」
「ほんとほんと。
前回は蜘蛛の糸を焼き払ったけど、何かの役に立つかもしれないから、いくらかアイテムボックスに収納しちゃおう。まずは蜘蛛の死骸を収納して、それから蜘蛛の糸」
俺は、2つになった蜘蛛の死骸を収納した後、目につく範囲の蜘蛛の糸を収納してやった。




