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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第484話 巨大ピラミッド1


 ゆらぎの中に消えたゼンジロウ1号は1分ほどで戻ってきた。


「危険な感じではありませんでした。このゆらぎの先には大きな金色のピラミッドのような物が建っていました」


「大きいというとどれくらい?」


「大きすぎて見当もつきませんでした」


「分かった。ゼンジロウ1号ご苦労だった」


 俺はゼンジロウ1号をアイテムボックスにしまっておいた。ピカピカのエナメルの革靴にホコリがついたらもったいないからな。


「大きさの見当もつかないとは」


「行ってみればよいだけじゃ」


「先に一度俺が入って様子を見てくる」


「「気を付けて」」「ゼンちゃんならだいじょうぶじゃろ」




 ゼンジロウ1号が言った通り、ゆらぎを抜けた先の正面に金色のピラミッドらしき物が建っていた。地面は砂地で周囲は文字通り砂漠だった。ピラミッドらしき物の一面を見ているだけだが、確かに大きすぎて大きさの見当はつかないし、実際のところピラミッドなのかも分からない。


 ここで時間をかけているとみんなに心配をかけさせるので、俺はすぐにゆらぎを引き返して、華ちゃんたちのところに戻った。


「向こうは砂漠で、正面に確かに巨大なピラミッドらしき物体があった。大きすぎてピラミッドかどうかははっきりしない。危険な感じはなかった」


「ならばわらわたちもそのピラミッドもどきを見物するのじゃ」


 俺はドローン2号機一式をアイテムボックスにしまってから、アスカ2号も連れてみんなで輪っかのゆらぎをくぐった。



「すごい」「うぉー!」「どこまで大きいのかほんに見当つかないのじゃ」


「これがピラミッドとして、Zダンジョンの大空洞の真ん中に建ってたピラミッドを思い出さないか?」


「あのピラミッドも大きかったですが、これはピラミッドとしてもけた違いのような」


「どこかに入り口があると思うんだけど、常識的に考えて、ゆらぎの正面だよな」


「Zダンジョンの時は角笛を吹いたらピラミッドの中からモンスターが現れて中から扉を開けてくれたわけですけど、扉のようなものが見えませんものね」


「だな。それでも試しに吹いてみるだけ吹いてみるか」


 アイテムボックスの中から角笛を取り出して吹いてみた。


 ブッ、ブーー。


 角笛の音が鳴り響いてしばらく待ってみたが何も変化はなかった。


「外れだったか。角笛はZダンジョンで見つけたアイテムだし仕方ないよな。

 何か手掛かりがないかこいつの周りを一周してみるか?」


「それでしたらドローンで探りましょう」


「それもそうだな。

 その前にそろそろ昼食だからいったん屋敷に戻ろう」




 俺たちは屋敷の玄関ホールに転移した。


「午後から探索を再開するからアスカ2号はロイヤルアルバトロス号の居間で待機していてくれ」


「はい」。アスカ2号は玄関ホールのゆらぎを通って出ていった。


 俺たちは各々部屋に戻って防具を外し居間に集まった。すぐに昼食に呼ばれたので食堂に移動した。



 食事中、島の魔方陣を解いたことと、解いたら輪っかのゆらぎが現れて、ゆらぎの先にはピラミッドらしき巨大物体があったことをみんなに話しておいた。


「あそこの位置は全然分からないけど、コアに近づいているような気がしないか?」


「そうですね。というか、あれだけの大きさの人工物だから、あの中にコアがあるかもしれませんよ。

 午後からはピョンちゃんを連れていって、コアの方向を確かめましょう。うまくすれば入り口が見つかるかもしれないし」


「そうだな。

 ピョンちゃんレーダーでコアの方向を確かめて、ドローンであれの全体を探るとしよう」



 昼食を食べ終えて、デザートのアイスも食べ終えた俺たちは、ピョンちゃんを連れてロイヤルアルバトロス号の居間に移動し、そこで待っていたアスカ2号を連れてピラミッドの前まで跳んだ。



「まずはピョンちゃんからだ」


「ピョンちゃん、いつものようにコアの方向を向いてね」と、華ちゃんがピョンちゃんに頼んだら、ピョンちゃんはピヨンと鳴いて頭を正面のピラミッド(仮)の方向に向けた。


「こいつの全体的な大きさを調べてから、位置を変えてピョンちゃんレーダーを使ってコアの方向を特定しよう。もしもこの建物の中にコアがあるなら特定できるはずだ」


 俺はアイテムボックスからドローン2号機一式を取り出した。アスカ2号がケーブルを繋いで、ドローンを飛ばした。


「頂上の上空から下を映してくれ」


「了解」


 ドローンはピラミッド(仮)の頂上を目指してどんどん上昇していった。今回はアスカ2号がサービスよくドローンの高度を口で教えてくれた。


「高度100、150、……、950、1000、……、1950、2000」


 まだまだ上がある。


「……、3950、4000、4950、5000」


 5000のところで頂上の高さだった。頂上は5メートル四方で平べったく、真ん中に島にあった四阿(あずまや)と同じ形をした四阿が建っていた。ただしその四阿はピラミッド(仮)と同じ金色だった。


 頂上から100メートル上昇したところでドローンはホバリングした。建物全体の形状はやはりピラミッドだった。


 ノートパソコンに移る上から見たピラミッドはもちろん正方形で、なんと俺たちの立っている面の反対側の面の真ん中に地面から頂上の四阿に続く階段がついていた。


「階段があったな。

 底面の一片の長さは10キロほどか。

 アスカ2号、ドローンを階段の上がり口まで下してその辺りの様子がはっきり分かるようにしてくれ」


「はい」


 2分もかからずドローンは向こう側の地面近くまで舞い降りてその辺りの様子をカメラで写し映像を送ってくれた。何も考えなかったが、ピラミッドは電波を通すようで、ノートパソコンのモニターに映った映像ははっきりとしていた。


「アキナちゃんたちはここに残っていてくれ。俺と華ちゃんとピョンちゃんで向こうに跳んでコアの方向を確かめてくる」


「はい」「何もないと思うが、気を付けるのじゃぞ」



 華ちゃんとピョンちゃんを連れてピラミッドの向こう側に転移したところ、ピョンちゃんの頭は、ちゃんとピラミッドの方向を向いてくれた。アタリだ。


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