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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第482話 島2、新ドローン2


 新ドローンはテストが終わったところで本格的に島の偵察を始めた。もちろん新ドローンも無線機もノートパソコンもコピーしている。何か事故や故障で失われたとしてもドローン1号機同様簡単に補充できる。


 ドローンの操縦台に着いたアスカ2号がドローンを操縦し、俺がアスカ2号の肩越しに5つあるモニター画面を眺める。


「まず岸辺の上空から砂浜の様子を見せてくれ」


「はい」


 30秒ほどでドローンは2キロ先の砂浜上空に到達した。新ドローンは短時間でトップスピードまで加速できるようで、風向きにもよるが概算で秒速100メートルで飛べると考えて良さそうだ。


 砂浜の上で停止した新ドローンの高度は200メートルほど。これくらいの高度だと砂浜の上の貝殻もモニター上でちゃんと見分けることができる。


 砂浜には特に変わったものもなく、新ドローンはその先の密林上空に進んでいった。密林は果物島の林と違い、食べられそうな果実の生った木は見つけられなかった。その代り森林内には派手な羽の色をした鳥がいた。おそらく鳥の種類は島オウムか島インコだろう。華ちゃんに鑑定してもらうまでもない。


 新ドローンは密林の上空を7キロほど進んでいったところ丸い空き地が見えてきた。広さは直径で100メートル。そこは島で一番の高所でだいたい海面から50メートルほど。そしてその空き地の真ん中には白い石でできた小さな建物が建っていた。


「こいつはなかなか面白そうだぞ」


 それから新ドローンは高度を上げて島全体を偵察したが、空き地にあった石の建物の他に変わったものは見つからなかった。


「アスカ2号、新ドローンを後ろのテラスに着陸させておいてくれ。

 あとで俺がアイテムボックスの中に収納しておく」


「はい」



 そろそろ一心同体の集合時間なので俺は自室に跳んで防具を着込んだ。それからロイヤルアルバトロス号のテラスに跳んで、着陸していた新ドローンをアイテムボックスの中に収納して玄関ホールに跳んでいった。


「全員揃ってるな。それじゃあまず島の砂浜の上に転移するから」


 みんなが俺の手を取ったところで、砂浜の上に転移した。


「白い砂浜は久しぶりなのじゃー」


「サラサラの砂に足をとられるけど、それはそれで楽しいですね」


「波打ち際で水が吹き上がっているところに貝が隠れているんじゃないかな?」


「砂をアイテムボックスの中に収納すれば、貝は生きものなのでその場に落っこちるから取り放題だけどな。

 それでだ。さっきアスカ2号と新しいドローンを使ってこの島をざっと偵察してみたんだ」


「新しいドローンですか?」


「いままでのドローンは車輪みたいな着陸装置を付けてなくて着陸代わりに俺のアイテムボックスを使ってたんだよ。最初の離陸も結構面倒だったし。それで今度は垂直離着陸できるドローンをアスカ2号が作ってくれたんだ。速度や上昇限度は最初のドローンに劣るけど、近場の偵察には十分だからな。

 これがその新ドローンだ」


 砂浜の上に新ドローンを出してやった。


「ほー、これもカッコいいのじゃ」


「さすがはお父さん」


「いや、全部アスカ2号が作ったものだから」


「でもアスカ2号はお父さんがアスカ1号をコピーしたんでしょ?」


「それはそうなんだけどな。

 話を戻すけど、目の前のジャングルをドローンで偵察したところ何も変わったものは見つからなかった。わざわざジャングルに分け入る必要もないだろう。

 その代り島の真ん中あたりに空き地があってそこに石で組まれた小さな建物が建っているのを見つけた」


「おっ! それはそれは。さっそくその建物を見に行くのじゃ。

 ゼンちゃんは当然その建物まで跳んでいけるんじゃろ?」


「そのつもりだ。

 それじゃあ、みんな俺の手を取ってくれ」


 新ドローンをアイテムボックスにしまって、みんなが俺の手を取ったところで、先ほど見つけた広場に跳んだ。


 建物は四阿あずまや風で壁はなく四隅に柱が立ってピラミッド型の屋根を支えているだけのものだった。ピラミッド型の屋根のてっぺんには直径10センチほどの石の玉が乗っている。


 そこで華ちゃんが魔法で異常の有無を確認したところ、そこからではどこにも異常は見つからなかった。そのかわり建物に近づいていくと建物の石でできた床が赤く光っていた。


 建物の床は縦横3枚、計9枚の1辺50センチほどの正方形の石でできていて、9枚全部赤く点滅していた。その床石の一枚一枚に直径10センチくらいの半球状のくぼみが縦横3個合計9個並んでいた。


 華ちゃんが罠の有無を調べたところ罠ではなかった。ノックで何か起こらないかも試したが何も起こらず、赤い点滅は続いた。


「この9個のくぼみは何だと思う?」


「くぼみの中に玉を入れると何かが起こるとか?」


「じゃあやってみるか」


 錬金工房の中で直径10センチ弱の石の玉を9つ作って、一つを手に持った。


「で、最初にどこに置けばいいと思う?」


「置く順番があるとなると難しいですよね。そもそも石の玉を置くのが正解かどうかも分からないし」


「だよな。

 アキナちゃんはどう思う?」


「試してみるほかないのじゃから、適当でよいと思うが、わらわの勘では左下じゃな」


「キリアは?」


「うーん、真ん中かな。でもアキナちゃんの勘はすごいから左下」


「じゃあ、左下のくぼみに石を乗せてみるな」


 アキナちゃんの勘を信じて左下のくぼみに石の玉を置いてみた。


 何の変化もなかった。


 9枚の床板は変わらず赤く点滅していた。


「うーん。外れだったか。

 隣に石を動かしてみるか?」


 隣に石を動かしてみたが何も変化がなかった。その後、総当たりで石を動かてみたが何も変化はなかった。


「次は石を二つでやってみましょう」


「じゃあ最初の石を左下に戻して、追加でその隣りに」


 カチッ!


 下の段の真ん中に石を置いたところ音がした。音がしただけでそれ以外の変化はなかった。


「うーん。

 今の石を隣に動かしたらどうなる?」


 追加した石を隣に動かしたらカチッっと音がした。それ以外の変化はない。


 その後総当たりで2つ目の石を動かしたところ、全部カチッっと音がした。そしてそれ以外変化がなかったのは同じだった。


「じゃあ、2つ目の石を最初の隣りに移して、その隣に3個目の石を置いてみるか」


 今度は音もせず、3個目をどこに動かしても何の変化もなかった。


 それから石を増やしていった。結局石の数が2、4、6、8の時カチッっと音がしたことが分かったのと、石の位置は関係なく石の数だけが関係することが分かった。


「どういうことなんだろうなー」


「そうですね。

 この3×3って楽園の手前にあった魔方陣を思い出しませんか?」


「そういうのもあったなー。アレは9カ所に数字を入れるところがあったけど、ここは何もないぞ」


「もしかして、これって置いた石の数が数字の代わりになるんじゃないでしょうか? ここと同じような場所が全部で9カ所あるとか」


「わらわも華ちゃんの説が正しいと思うのじゃ」


「そうか。そういえばこの海域には9つ同じくらいの島があるんだけど、それが3×3の形にきれいに並んでるんだ。もしかしたら一つ一つの島の真ん中あたりにここと同じような建物が建っているのかもな」


「その建物が見つかれば、3×3の魔方陣の可能性が高いですよね。この島って3×3の形の並びの中でどういった位置でした?」


「えーと、確か左下だった」


「3×3の魔方陣の4つの角は、2、4、6、8のどれかだって決まっているんです」


「あっ! 2、4、6、8で音がした!」


「正解のようじゃな」


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 島インコの存在を後から知ったら、華ちゃんは怒るかな?(苦笑)
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