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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第480話 次の陸影

いったんハリトから離れ、ここから短いですがバレン南ダンジョン(ニューワールド)ダンジョン・コア編になります。


 ハリトが大変なことになりそうだ。とはいえ俺自身は成り行きを見守るくらいで今のところ何もする気はない。


 いやいや、やっておくことが一つだけあった。


 貰った土地に跳んでいった俺は、警備用メタルゴーレムをもう10体作って土地の警備にあたらせた。これでこの土地だけ(・・)は難攻不落のハズだ。


 安心した俺は、ロイヤルアルバトロス号のブリッジに跳んで双眼鏡で周囲を見回した。海と空しか見えなかった。いや、島影だか陸影だかが彼方に見えた。進路からやや外れるが少しくらいはいいだろう。


「RA号、左前方の陸地に向かって回頭」


「了解。

 前方の陸地を確認しました。回頭します」


 船首が陸影にまっすぐ向いた。


「回頭完了しました」


「陸地の30キロ手前で停船するように」


「了解」


 陸影はレーダーの範囲外なので、距離は分からないが今日の夕方までには到着しているだろう。


 しばらくそうして海を眺めていたら、エヴァがやってきて昼食に呼ばれた。


「探しただろう。ごめんな」


「いえ、最近のお父さんは居間にいなければここですから」


 そうでもないような気がするが、気を使ってくれたのだろう。


「じゃあ、食堂に行こうか」




 二人で食堂に入ると、俺とエヴァ以外揃っていた。遅れたことを詫びてから、


「いただきます」


「「いただきます」」



 食事しながら陸地を見つけたことをみんなに報告した。


「さっき陸地を見つけた。

 夕方までにはロイヤルアルバトロス号は陸地に30キロまで近づいていると思う」


「それなら探索は明日からじゃな。久しぶりで楽しみなのじゃ」


「そっちの方は良いんだが、ハリトはミルワに攻め込んだものの苦戦しているらしい」


「それ見たことか。と、言われそうじゃの。

 ハリトの兵隊たちは大勢死ぬんじゃろうな」


「戦えば両者に必ず犠牲は出るが、負ければ犠牲は多くなるしな。マハリトの兵隊たちも出征していったから都の防備は手薄だ。海戦でハリトがミルワに大敗すれば、ミルワの兵隊が船に乗って海から一気にマハリトに攻め入るかもしれない。そうなればハリトは大敗だ。どこかに都を移すか、何かを差し出して講和するしかなくなる」


「そんなにひどいんですか?」


 エレギルが心配そうに俺にたずねた。


「最悪のケースを話しただけだ。

 今のは素人の俺が思いついたくらいのことだし、ハリトの上層部はさすがに素人じゃないんだろうからそれくらい考えているだろう。

 心配するほどのことはないと思うぞ」


「素人でないはずのハリトの上の連中が無駄な出兵をしたのは事実じゃがな」


「そうではあるな。

 今回は勝手にハリトが攻めていったわけだし、俺たちは見守るほかないだろう」


「そうですね」


 マハリトの話はそれくらいで終わった。



 食事を終えて、俺はロイヤルアルバトロス号のブリッジに跳び、前方に見える陸地を双眼鏡で眺めたところ、どうも陸の広がりではなく島のように見える。


 その島の向こうにも陸地が見えたので久しぶりにドローンを飛ばそうとアスカ2号を探してアスカ2号の倉庫兼作業室に跳んでいったら、アスカ2号はドローンを組み立てていた。


「アスカ2号、ドローンを飛ばしたいからドローンの操縦を頼む」


「はい」


「ところで、これは?」


「ドローン1号機は離着陸が苦手なので、最高速度と最高高度はだいぶ低下しますが、垂直離着陸機を作っています」


 かなり幅のある両翼の中に大き目のローターが各1つずつ。両翼の付け根辺りに小さな車輪が1つずつ付いていた。胴体にプロペラはついていなかった。


 胴体の形はドローン1号機と似ている。違っているところはプロペラが付いていないところと、胴体の前後にも小さな車輪がついているところで地上では4点で支えるようだ。


 垂直離着陸《VTOL》ドローンか。かゆいところに手が届くとはこのことだ。


「アスカ2号、それはいつごろ完成する?」


「このまま作業を続ければ今日中には完成します」


「それなら今日考えていた偵察はやめて、そのドローンの試験がてら偵察すればいいや。

 操縦はどうなってる?」


「ロイヤルアルバトロス号のドローン用操縦席で1号機とは違う周波数帯で操縦します。

 簡易的にはノートパソコンと携帯無線機で操縦できます。携帯無線機は無線機内にゴーレムコアで駆動する小型発電機を組み込んでおり、ノートパソコンの電源も兼ねています」


「なるほど。新しいドローンに期待しているから頑張ってくれ」


「はい」



 偵察は明日陸地に到着してからだ。


 俺はアスカ2号を置いて再度ロイヤルアルバトロス号のブリッジに跳んだ。


 陸地はだいぶ近づいている。他に見えていた陸地も島のようだ。列島というのか諸島というのか島嶼というのか知らないが、島がまとまっている海域ということなのだろう。島一つ一つはそれほど大きくないようだが、それでも一つ一つの島の大きさは2、30キロはありそうだ。


 まだレーダーで島を捉えていないが、航行する船も捉えてはいない。果物島のように無人島だと何だか楽しいぞ。一つ一つの島に別荘を建てたりしてな。


 別荘を建てるのは楽園が先か。楽園内でも発電機を置けば電気は使えるわけだし、ゆらぎで繋げば屋敷からも直行だ。数歩歩いて到着する建物が別荘なのかというとちょっと違うかもしれないが、それを言っては贅沢だ。楽園に建てる別荘をひな型にしてそれをコピーしてしまえば、いくらでも別荘を建てられるしな。



 ブリッジ備え付けの椅子に座って楽しく空想しながら前方を見ていたら、下のキャビンの居間から何かよく分からないが大きな音で曲が流れてきた。


 だいぶ前にアキナちゃんはあのシリーズを見終わっているのでアレではない。俺はブリッジから下の居間に下りていった。


 アキナちゃんとキリアとエレギルの3人がソファーに座って大画面を見ていた。


「何を見てるんだ?」


「これは宇宙SFもののアニメなのじゃ。見るものがなかったので、適当に選んだだけじゃ」


「フーン」


 画面には宇宙を背景にした球型の宇宙船?のようなものが映っていた。その宇宙船に視点が接近していくとどんどん大きくなっていく。宇宙船の中から米粒のような小型の宇宙船が出てくるのだが、その小型宇宙船が視点に近づいて通り過ぎていったのだが、その宇宙船もとてつもなく大きかった。ということは目の前の宇宙船はどれだけ大きいんだ?


 オープニングがそろそろというところで原作者の名まえが映し出された。


『原作者:山口遊子』


 あれ? これって、あのダンジョン評論家でコメンテーターの山口某じゃないのか? 俺はテレビを見ないので全然知らなかったが、結構ブイブイいわせてるようだ。


「面白くないようならもう見ないのじゃが、いちおう円盤になっておるわけじゃからそれなりなんじゃろ」


 円盤の売れ行きでアニメ第2期を製作するかどうかが決まるらしいから、山口某は円盤の売れ行きが気になっているのだろう。5千枚も売れれば第2期の製作が決まるらしいから5千枚買ってしまえばいいだけだ。ここでいう1枚の単価はいくらか分からないが、10万円ということはないだろう。1枚1万円としても5千万円で済む。2万円でも1億だ。アキナちゃんが面白いと思って続編が見たいと思えば5千枚くらい買いそうだよな。というか、アニメ製作会社を買った方が早いカモ?





書くことがなくなったので、宣伝しちゃいました。

宇宙SF『宇宙船をもらった男、もらったのは星だった!?』

主人公が宇宙の脅威と戦い、宇宙を、そして地球を救う物語。

https://book1.adouzi.eu.org/n6166fw/

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― 新着の感想 ―
[一言] 「あれ? アニメになってたっけ? 」とマジ検索してしまいました。
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