表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

474/526

第474話 留学生と寮。


「海は広いな大きいな」の翌日は宮殿への出勤日だった。


 ブラウさんがやってきて国賓として招かれる俺の随員を決めたいうことだった。


 まず、ローゼットさん。随員団のトップ。


 その他に前回視察団として日本に赴いた3名と護衛が4名、俺を含めて合計9名だった。護衛の内一人はアスカ枠だったのでアスカ1号を連れていくことにした。


 アスカ1号にはゼンジロウ1号より随員団の面々を守るよう忘れず指示しなくてはならない。とはいうもののゼンジロウ1号が暗殺でもされたら、俺自身は痛くもかゆくもないのだが、それはそれで一大事なので、やはり全員を守るよう指示しておこう。


 日程は2泊3日。


 出発日の朝、王宮からゼンジロウ1号(おれ)と随員4名、護衛4名を乗せた2台の馬車が出発し、2時間ほどかけて日本町のゆらぎに到着し、そのまま揺らぎを通り100メートルの連絡空洞を進んで日本に到着する。


 そこで日本の外務省差し向けの大型自動車リムジンに乗り換えて出雲空港へ。出雲空港からは特別機で羽田に向かい、そこからまた大型自動車リムジンに乗り換え宿泊先の迎賓館に向かうことになる。


 翌日には総理大臣と会談後、昼食会があり、夕方には宮中での晩さん会が開かれる。


 その翌日、帰路に就くことになる。この辺りの詳しい日程や会談内容はエヴァがブラウさんと相談しながら外務省で詰めたようだ。ゼンジロウ1号が聞けば怒るかもしれないが、俺には細かいことなどどうでもいいので適当に流して聴いておいた。



 宮中での晩さん会に影武者を送るのは日本国民として相当マズいことかもしれないのだが、バレなきゃいいんだし、オストランと日本両国の体面が保たれれば実際のところ誰が晩餐会に出ようがどうでもいい話だ。と開き直って替え玉作戦は決行する。


 

 随員たちの服装などもエヴァがすでに手配しているそうだ。任せておいてよかったよかった。


 俺の日本訪問の話の後は留学生の話があった。


 留学生たちの顔写真などはエヴァがデジカメで撮影しており、受け入れ先への入学等の手続きは終わっているそうだ。王さまの俺がそういった細々したことを考えなくても物事がスムーズに進んでいくのは実にありがたい。


 そういったことなので、留学生たちを宿舎に早めに住まわせ、日本に慣れさせたいとブラウさんに言われてしまった。もっともなことなので、


「エヴァと相談して日本に連れていく日取りを決めてしまいましょう」


「よろしくお願いします」



 その日の書類仕事はほとんどなかったので、俺はそのことを相談するため早めに屋敷に帰った。


 エヴァと相談したところ、こちらの受け入れ準備は整っているので、留学生たちの準備が整えばいつでもいいが、以前視察団員用にエヴァが用意した小冊子を使い、日本の通貨のこと、日本での歩行者の交通ルール、交通機関の利用法、ホテルなどの宿泊施設での注意事項などを留学生たちに教えた方がいいだろうということになった。宿泊先が個別のマンションなので周辺の地理も含めてスーパーやコンビニ、飲食店などの利用方法の説明も必要だろうということで留学生たちに1日講義をすることになった。講師はエヴァである。



 折り返し宮殿に跳んでいってそのことをブラウさんに話したところ、2日後の午前中宮殿内の一室に留学生たちを集め教育することになった。そしてその翌日日本へ送り出すことになった。




 2日後無事エヴァの講義が終わった。


 講義の終了時、各自に日本の外務省で用意してくれたオストラン政府発行(・・・・・・・・・)のパスポートと日本留学用のビザの他、支度金として日本円で20万円、1カ月の生活費15万円、計35万円を配ったそうだ。


 翌日宮殿内の玉座の間ではない広間に20名の留学生が集合した。荷物を抱えた留学生たちは緊張していたが、ここで妙にリラックスされても困るので、ある程度の緊張は必要だろう。


 今回はブラウさんが留学生たちの前であいさつしてくれた。転送先はうちのマンションからも近い第2ピラミッド=ダンジョンのある公園脇のかなり広い自動車道路の脇の歩道の上だ。道路わきにはエヴァと観光バスが待っている。歓迎パーティーのまえに半日都内観光をしようということでエヴァがチャーターしたものだ。


 雨が降っていたらエヴァにも留学生たちにもかわいそうだが、朝方スマホで天気予報を見たところ関東地方は朝から快晴のようだった。


「それではみんなが留学を終え元気な姿でオストランに戻って来ることを楽しみにしている」


 ブラウさんのその言葉の後、俺は留学生たちを一人ずつ日本へ転送していった。


「陛下ありがとうございました」


「日本の方でもオストランと繋がる道路がほぼ完成していますから、わたしが直接人や物を運ぶのはこれで最後でしょう」


「なんだか夢のようですね」


「夢と思っていたことが少しずつ現実になっていくのは楽しいでしょ?」


「陛下のおっしゃるとおりです」




 都内を中心とした観光を終えた留学生たちはエヴァが予約した歓迎パーティー会場の隣街のホテル前でバスから降りてホテル内の宴会場に向かうことになる。もちろんエヴァが予約したものだ。


 パーティーの出席者は留学生20名とエヴァ、そして外務省から世良事務官ほか2名、イワナガ・コーポレーションの人事担当の足立さん。合計25名。


 歓迎会の終了は午後9時ということだったのでそのころ俺はエヴァを迎えに行った。


 歓迎会が終わると、生徒たちはそのままホテルで一泊して翌日朝食をとってから各自の宿泊先のマンションに向かうことになる。この際引率は付かないので真剣勝負になる。全員日本語が使えるので遭難することはないだろう。




 アキナちゃんがいる以上運よくなのかどうなのかは不明だが、交通の便の良さそうな場所にたまたま出物があったようで留学生用の寮を建てるための土地が見つかったそうだ。


 平米100万で1000平米。建蔽率40パーセント容積率400パーセント。10億円の買い物だったそうだ。あとは建築業者に発注するだけだ。建坪400平米≒120坪で延床面積4000平米≒1200坪だと建設坪単価100万円で10階建てのビルが建つそうだ。そうすると約12億。食堂なども必要なので共有部分を多めに1000平米とすると残り3000平米。いちおう学生寮だし4人部屋100室で一室30平米。これくらいならいいんじゃないか? 留学生の数はどんどん増えていくだろうから直に満室になるだろう。


 イワナガ・コーポレーションがオストラン公認企業であることは既に周知であったようで、学生寮の建築を入札した結果、坪単価10万円で引き受けたいという企業が現れたそうだ。競争入札である以上その企業が落札した。オストランでの契約受注を目指してのことは明白なので、今後エヴァがそのあたりを考慮して発注していくのだろう。何事も第一印象は大切だものな。


 学生寮の竣工は7月末とのことだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ