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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第442話 エレギル10、埋葬1


 隣り街のデパートからマンションに向かって3人で歩いていった。俺、エレギル、キリアの順で一列になって歩いている。


「道を走っている自動車に気をつけてな」


 注意だけはしておいた。



 歩きながら、エレギルに両親の遺体の取り扱いについて確認しておくことにした。キリアにはまだエレギルの身の上に起こったことをちゃんと説明していないのだが、今でもある程度は察しているだろうし話を聞けば分かる。


「エレギル。ご両親の葬儀だが、われわれの国では遺体は焼いて骨にして、その骨を壺に詰めて石で作った墓に入れて埋葬している。エレギルの国ではどういった形で遺体を扱っている?」


「わたしの国では、木で作った棺に遺体を納め土の中に埋めています」


「わかった。

 この国では土葬は基本的に許されていないので、土葬のできる場所に埋めてやろう。

 遺体を埋めた上にはエレギルのところでも目印となるはかを作るんだろ?」


「はい。丸石とかを置いています」


「そうか。その石には文字とか彫り込んだりするのか?」


「貴族や豪商などは大きな石を四角く加工して名まえや功績を彫り込んでいます。われわれ庶民でそこまでする者はいません」


「分かった。墓の場所は遠くなるが、それでもいいか?

 遠いというのは、行きたいとき俺に頼まなければいけないという意味だ。頼んでくれればいつでもそこに連れて行ってやるけどな」


「どこでも構いません。最後のお別れをすればもうそこに行かなくてもいいです」


「そう言うな。いつでも連れて行ってやるんだから」


「はい。その時はお願いします」


「よし。それなら今日の午後からでもご両親の遺体を埋葬しに行こう」


「はい」


 棺桶と墓石は俺が錬金工房で作ってもいいがコアに創らせたほうが無難だ。なんにせよ埋葬の目途が立ってよかった。


 埋葬が終われば、エレギルの気持ちももっと落ち着くだろう。



 マンションへの道はいろいろあるのだが、途中スーパーのある道に俺は歩いていった。そのスーパーの隣りが確か花屋だったはずだ。


 俺の記憶に間違いがあるはずもなく、ちゃんとスーパーの隣りに花屋が……。なかった。


 そしたら、ダンジョンのある公園の手前に花屋があったからそこだ。


 しばらく歩いていたら十字路の角に小さな花屋があった。俺の思っていた場所とは違ったのだが結果オーライ。


 その花屋で、適当に花を見繕って花束を作ってもらった。花束くらいあった方がいいからな。


 しばらく歩いていたら今では近くの公園・・とは言えなくなった第2ピラミッド=ダンジョンの前までやってきた。俺たちの今立っているところはいわば裏口なのだが、冒険者らしき人が結構な数出入りしている。



 第2ピラミッドは大きな建物に囲まれているのでここからでは見えなかった。


 そこからしばらく歩いて俺の昔のアパートの前を通り過ぎた。俺のいた部屋に人が入っているのかどうかは分からなかった。


 そこからもう少し歩いてマンションに到着した。


「この建物の一室がうちのマンションと言っている場所だ」


 表玄関からマンションに入り、オートロックをアスカ3号に開けてもらってマンションの中に入り、エレベーターでうちのマンションへ。


 部屋のドアは開いていたので、


「俺だー」と、言って中に入った。


 すぐにアスカ3号がやってきてきた。


「マスター。お疲れさまです」


「疲れてはいないけどな。

 そういえばエレギルにアスカたちを紹介していなかったな。

 エレギル、これがアスカ3号だ」


「アスカ3号?さん? エレギルです。よろしくお願いします」


「エレギルさん。わたしはマスターのしもべ、マスター曰く超高性能美少女ゴーレムのアスカ3号です。よろしくお願いします。他にわたしとほとんど同じに見えるアスカ1号とアスカ2号がいるのでその二人もよろしくお願いします」


 アスカたちは俺のしもべで超高性能美少女ゴーレムには違いないが、ゴーレムという言葉にエレギルが混乱してしまいそうだ。というか、しもべで超高性能美少女とか俺がすごく変な人、いわゆる変人だと思われるんじゃないか?


 エレギルはアスカ3号の今の言葉は流してくれたようだ。



 そういった話をしている間にも、トレーディングルームからのパチパチパッチーンが聞こえてきていた。相変わらず快調のようだ。


「そうだ、アスカ3号。双眼鏡を注文してくれないか?

 今度のはオストランの軍隊で使いたいから、電池を使わない旧式のもので丈夫なものが欲しいんだ」


「はい、マスター。

 品物が届きしだいお持ちします」


「頼んだ」



「エレギル、そこのゆらぎを抜けると金色の小部屋に出る。俺が先に入るからキリアと一緒に来てくれ」


 俺がゆらぎを抜けてすぐにエレギルとキリアが小部屋に入ってきた。


「黒いツルツルの板の上のプレートに名まえが書いてあるけど、正面の黒い板に構わずまっすぐ進むとロイヤルアルバトロス号の居間に出る。

 左手に進むと屋敷の玄関ホール。

 後ろがさっきのマンションの玄関。

 右手に進むと通路があってその先にもいくつか部屋がある」


「はい」


「通路の方の部屋には危ないものも置いてあるから入らない方がいいと思う。入るならアスカたちの誰かと一緒の方がいいだろう。

 そういうことなので屋敷に帰ろう」


 俺が左手の黒い板に入っていき玄関ホールに出たら、すぐにエレギルとキリアが出てきた。


「キリア、今日はありがとう」


「はい」


「荷物を渡しておくから、タンスの中に入れておいてくれ。だいぶ量があるからキリアも運ぶのを手伝ってやってくれ」


 俺は預かっていた荷物をエレギルに渡し、コピーしたものをキリアに渡しておいた。


 買ったものが2倍になったことにエレギルは驚いていた。



 二人が荷物を持って2階に上がっていった。昼食までまだ30分ほどあるので、俺はコアルームに跳んで大人2人が一緒に入れる木製の棺桶と墓石を作ってもらった。墓石は、御影石で縦横60センチ、高さ30センチのものにした。エレギルの両親の名まえを含め何も聞いてないので無銘だ。


 屋敷に戻ってしばらくしたら昼食になった。


 昼食中、食事が終わったらエレギルを連れて果物島に行くことをみんなに告げた。


「岩永さん、わたしも一緒に行きます」「わたしも」「もちろんわらわもいっしょじゃ」


 華ちゃんと、キリア、それにアキナちゃんが一緒に行くと言ってくれた。



「じゃあ、1時に玄関ホールで」




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― 新着の感想 ―
[気になる点] エレギルをアスカに紹介した時に、 これがエレギル、と話してましたが、 ぜんじろうさん これがアスカならわかるけど、、、 あと、 双眼鏡の発注数を言わないのも らしいっちゃ、らしいなぁ…
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