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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第427話 黒い6角柱、再び。


 日本町用発電所のため、フィギュアゴーレムコマを10個作っておいた。忘れないようシステム手帳に書き込んでおきたかったが、さすがに食事中だったのでそれは控えた。



 この日のデザートは島マンゴーだった。もちろん俺の決死の毒見済みのフルーツだ。


 人数分の島マンゴーをリサに渡して、十分熟れたところを冷蔵庫で冷やして出してくれたものだ。


 鼻孔をくすぐる甘酸っぱい香り。オレンジ色というより朱色に近い身をスプーンですくうと簡単にすくえた。なんだ、これ? これじゃあまるでマンゴープリンのまんまじゃないか! うまい、ほんのりとした酸味はあるがとにかく甘い。その甘さがしつこくない。


 気が付くと俺の皿の上には島マンゴーの皮しか残っていなかった。




 島マンゴーを食べ終わった後、後片付けはみんなに任せて俺は居間に移動してシステム手帳を開き、ゴーレムコマ。発電機製作。発電所の建設業者。と、ちゃんとメモしておいた。このメモを来週の会議の席で忘れず開くことができるか? というところと、このメモの内容で全てを思い出せるのかというところは問題だな。


 そうだ! せっかく華ちゃんを連れて会議に出るわけだから、会議の席で俺にメモを見るよう注意喚起してもらおう。


 注意喚起。


 これで良し。


 その場でメモを読み返し、ちゃんと内容を思い出せたので、準備万端、オールグリーンだ!


 オールグリーンが何を意味しているのかは俺にも不明だ。



 オストラン関連の案件はとりあえず頭の中で整理できたので、俺は例の黒い6角柱のことを考えていた。


 50メートルを優に超える6角柱。誰が何のためにダンジョンの地面の中に埋めたんだ?


 アイテムボックスに収納できないし、転送もできない特殊な物体だ。俺は勝手に金属製と思っているが、金属かどうかは実際のところ分からない。


 あと考えられるのは、誰かが埋めたんじゃなくて、何かのはずみで埋まった可能性もある。それこそあの大空洞の天井から落っこちてきた可能性もある。Zダンジョンの大空洞の天井は一番低いところで50キロもあったから、上から落っこちてきたら、かなり深く突き刺さるよな。それもそうだけど、あんなのが超高速で落っこちてきたらそれこそ大災害だろう。廃墟に残った壁から考えたら、あの6角柱が埋まった後に町ができたっぽいから、天井から落っこちてきたものにせよ大災害は起きなかったんだろうが。


 で、最初に戻るが、結局あれはなんだったんだろう?


 何かの役に立つものなのだろうか? 人工物に見えるが、実はアレは何かの結晶で自然発生した物とか?


 島の探検は中止してコアを目指そうと思ったけれど、やっぱり気になる。


 この前は華ちゃんの魔法で50メートルほど地上に出たけど、明日は実際どれほどの長さがあるのか確かめてみるだけ確かめてみて、それからコアを目指そう。




 そして翌日。


 俺たちはいちおう防具を着けて、最初から果物島の例の場所に跳んだ。さすがに午前中には6角棒のカタは付くと思い。今日の昼食は屋敷で食べると言って出てきている。



 6角柱を埋めた地面の土砂を収納して、6角柱の頭を出してやった。


 そのあと念のため6角柱の頭から30メートルほど離れてから華ちゃんが重力魔法を発動させた。


「それじゃあ、ネガティブグラヴィティー!」



 ゆっくりと6角柱が上昇を始め、だんだん加速していった。すぐに50メートルを超えて、それでもどんどん上に上っていく。6角柱はまだ穴の中に続いている。


 10秒過ぎたが加速は続き、穴の中には根っこがまだ隠れている。


 見上げると天空に一本の棒が糸のように伸びていた。


 30秒過ぎたが加速は続き、穴の中に6角柱は続いていた。


 60秒過ぎたところでやっと6角棒は穴から抜け出た。6角棒が抜け出た瞬間なぜか爆発音が穴から聞こえた。そこで華ちゃんがとっさにデスペルマジックをかけた。その時6角棒の下端ははるか上空だった。


 華ちゃんの魔法の加速が切れてもしばらく6角棒は上がっていき、下端がほとんど見えなくなって、そして落下が始まった。


 やばいよこれ、さっきの爆発音で6角棒が入っていた穴は完全に潰れてしまっている。まっすぐ落ちてくるかどうかも不明だ。ということはどこに落ちてくるのか分からない。冷静に逃げれば何とかなったのだろうが、慌てた俺は、とっさに上空の6角棒に向かって収納を発動させた。


 そしたらなんと収納できてしまいエライ勢いで落っこちてきていた6角棒が空から消えてしまった。


 あれ?


「こんどは収納できちゃったよ」


「きっと岩永さんが6角棒の全容を認識できたから収納できたんだと思います。穴に入っている時はいくら長くても数十メートルと思ってたでしょうから」


「そうだと思う」


 確かにどんなものであれ認識できないと収納できないものな。しかし、俺の感覚だと、アイテムボックスの中に収納したこの6角棒は全長で10キロ近くあるぞ。いいのかよ、こんなのアイテムボックスの中に入れてて。



「アイテムボックスの中に入った棒の長さはどれくらいあるか分かりますか?」


「感覚的には10キロ近くあるな。俺のこの関係の感覚は正確だから間違いない」


「棒の長さにも驚きですが、そんなのが入ってしまうアイテムボックスもとんでもないですね」


「自分でも驚いてる」


「さすがお父さん」


「普通ではないところはさすがはゼンちゃんじゃ」


 褒められたと素直に思っておこう。


「それはそうと、さっきの爆発音はいったい何だったんだろうな。凄い音はしたけど、何も吹き飛んでないし」


「想像ですが、穴からすごい速さで黒い棒が抜き出たわけだから、穴の中はほぼ真空で、抜け出たとたんに外から空気がすごい速さで穴の中に入っていったからじゃないでしょうか」


「あー、そうか。きっとそうだな」



 問題は半分片付いたのだが、俺のアイテムボックスの中に入っているこの6角棒は一体全体何なんだ? 何かの役に立つのだろうか? 素材ボックスに入れておいたら、何かの素材になって消えていくのだろうか?


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― 新着の感想 ―
[気になる点] モノリス? 何れにしろ、この物語のターニングポイントになりそうな感じですよね。
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