第426話 留学生と日本町構想
アスカ3号に出会ったらパソコンを用意してくれるよう頼むつもりだったが、北斗〇拳を読んでいたらすっかり忘れてしまった。しかし、こういった大作は読み返すと新たな発見があるものだ。どこぞのweb小説を読み返すと誤字、脱字おまけに衍字が見つかるのと大違いだ。
昼食の準備ができたと、エヴァが呼びに来てくれた時までずーと読んでいた。
食堂に下りていくと、もうみんな揃っていた。どうもエヴァは俺を探していてやっと見つけたようだ。
「遅れてごめん。
それじゃあ『いただきます』」
昼食を食べながら、エヴァが、
「お父さん、きょうアスカ1号を連れて宮殿に行きブラウさんと留学生のことで相談してきました」
「ほう」
「えーと、留学生の住居をそろそろ用意した方がいいと思って、人数の確認です」
「うん」
「今のところ20人を考えているそうでした。内訳は工学系が12名、理学系が2名。軍関係が2名、法学系が4名。男性12名と女性8名ということだったので、イワナガ・コーポレーションで留学生のために寮を用意しようと思うんですが、いいですか?」
「もちろんどんどんやってくれ。
そうすると、どこかに新しく建てるのかい?」
「4月まで1カ月半しかありませんから、出物があれば買おうと思っています。なければかわいそうですが、寮を建てるまでの間、マンションを借り上げて数人ずつ押し込んで自炊か外食の形になります」
「それは確かにかわいそうだな」
「それなら、わらわの持っておるマンションを使ってもよいぞ。まだ7軒空いておるし、どの物件も駅まで10分もかからぬからの」
「それなら何とかなりそう。じゃあ、その方向で話を進めて都内に早めに寮を建てます」
「了解なのじゃ、不動産屋に貸し出しを依頼しておったのじゃが、午後にでもアスカ3号に言って依頼を引っ込めておくのじゃ」
「アキナちゃん、ありがとう」
「うん」
しかし、こうも都合よく近場で留学生用にマンションを調達できたのは、やはり何かの力が働いたのだろうな。確かにアキナさまさまだ。
「それじゃあ、お父さん、都内に寮を建てることにしますが、どれくらいのものにします?」
「今年20人としても、少なくとも留学は2年から4年は必要だろうから、100人は寮に入れないとマズいだろう。いちおう大学生扱いとして、2人で一部屋ないし、4人で1部屋って感じかな。
後は食堂と厨房と風呂は必須だな」
「了解です」
「それと留学生への手当だが、学費と通学費はこちら持ちだから、月15万くらいにしておくか。あまり多いとそれはそれで問題だしな。15万でどうしても足りないようなら増額するしかないけど、それくらいあればなんとかなるだろう」
「分かりました。
あと、留学先ですが、外務省の世良事務官と相談したところ、
技術系の留学生は高等専門学校に1年生として入学させてはどうかと言われました。理学系、法学係の留学生については、大学の聴講生の方が無難だろうということでした。軍関係については防衛大学校にそのまま入学できるのではないか、とのことでした」
「ほう。それは良さそうだな。高等専門学校を卒業したら大学に編入できたはずだから希望があればそのまま留学を続けさせればいいじゃないか。というか、そうしよう」
「はい。明日にでもブラウさんにその辺りを説明してきます。留学生の名まえや年齢が分かれば入学手続きも世良事務官のところでやってくれることになっているので、そちらのリストもでき次第世良事務官に送ることになっています」
「頼んだ」
やはり、エヴァに任せておいて正解だったな。
「寮を建てるとなると、今ある100億の資本金では足りなくなるんじゃないか?」
「銀行から借り入れてもいいですが、やはり自己資金の方が面倒ではないし、資金を遊ばせている必要はないので、自己資本を使って足りないようならお父さんにお願いします」
「了解。
そうそう。これはエヴァに教えておかないと。
正確な日付は未定で4月になるか5月になるか不明だけど、日本とオストランをダンジョン経由で結ぶつもりだ。それでイワナガ・コーポレーションで何か事業をやってみないか?
日本側の出入り口は未定だけど、オストラン側は、オストラン郊外の日本町予定区画の隅にしようと思っている。
まずは、日本町建設だ。
道路の建設、資材の運搬、ビルの建築、電気、通信関係の電設、それに現場での食事の提供とかのニーズがあると思う」
「分かりました」
「おそらく日本は大使館を建てるだろうから、それ以外の建物は、イワナガ・コーポレーションで建てよう。
俺としたら、ホテルとポーション診療所は必須だな。それでオストラン王国の財政はずいぶん潤うだろう。ホテルとポーション診療所の建物はイワナガ・コーポレーションの持ち物だから賃料はちゃんと取るから、建設費用はじきに回収できるだろう。
それと、本格的発電所はゴーレムコマ発電所をダンジョン内に本職の業者に作らせればいいだろう。距離があまりないから100Vと200Vの低電圧なら工事用の電力としてアスカたちに先に作らせることもできるしな」
「はい」
「後は水だな。上下水道用の施設も必要だ。当面は日本から給水車を走らせてもいいけどな」
「お父さん、しなければいけない仕事が沢山あって何だか楽しくなりますね」と、エヴァ。
仕事が好きなことはいいことだ。少々無理しても俺のポーションでドーピングできるし、全力を出すべき時には無理しても全力を出すことも必要だしな。エヴァは企業家に向いてるんだろうな。
来週の防衛省との会議では、発電機を発注してもらうよう頼んでおくか。向こうで125万kWの発電所を作ると言ってたから、こっちもとりあえず125万kW用に発電機をコマ持ち込みで作ってもらおう。あと、発電所建設のための業者の紹介だな。発電所用の空間も、本職が設計して本職が工事した方が俺やコアがちょっかい出すよりいいだろうから、丸投げでいいな。お金はたくさんあるし。
忘れないよう、3メートルのメタルゴーレムコマ用フィギュアゴーレムコマを10個。昼食を食べながら作っておいた。




