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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第404話 RA号4、出発


 翌日。朝食を食べた俺は急いで造船所に跳んで改修済みのロイヤルアルバトロス号を収納しておいた。


 それから、新大空洞の海岸に跳んで、ロイヤルアルバトロス号を海に浮かべ、清水とバラスト用の水をタンクに満たしておいた。


「RA号、出発準備」


 船内の照明が灯り、空調が動き始めたようだ。モニター下のパイロットランプも全て緑色だ。


 これで、出発準備は完了だ。


 次はメタルゴーレムオルカとメタルゴーレムドラゴンだ。


 俺はブリッジの後ろの扉を開けてテラスに出た。


 フィギュアゴーレムシャチは海に投げ込めばメタルオルカに戻るだろうが、メタルゴーレムドラゴンは空に投げればいいのか? 空に投げて元に戻るんなら手元近くで戻って大惨事になる可能性もある。となると?


 ブリッジの後ろのテラスに出てそこで戻すか。あまり大きなドラゴンじゃなくてよかった。


 先にフィギュアゴーレムシャチを錬金工房で増やし全部で3個にして、まず1個海に投げ入れた。


 フィギュアゴーレムシャチは海に落っこちて一瞬青く輝いてメタルゴーレムオルカに戻った。水面で頭を出した銀色のメタルオルカに、


「メタルゴーレムオルカ1号、お前はこのRA号の先方警戒だ。モンスターがこの船に接近してきたら排除せよ」


 メタルゴーレムオルカ1号がピヨヨーンと鳴いて船の舳先へさきの方に泳いでいった。ちゃんと声が出せるようだ。


 2匹目を海に投げ込み、


「メタルゴーレムオルカ2号、お前はこのRA号の右側を警戒だ。モンスターがこの船に接近してきたら排除せよ」


 ピヨヨーン。


 3頭目には左側を警戒させた。



 次はドラゴンだ。テラスの床がドラゴンの重みで抜けると大変だが多分大丈夫だろう。


 順当にいけばメタルゴーレムドラゴンの名まえはメタルゴーレムドラゴンだが、せっかくだから〇プロス1号にするか、シャチの方はメタルゴーレムオルカと名づけたが〇セイドンにしとけばよかった。スライムをフィギュア化した這いよる美少女は地を駆けるわけではないが、炉デムとか。


 あんまりやり過ぎるとどこからからクレームが来るかもしれないから、やっぱり順当に、


「出でよ、メタルゴーレムドラゴン1号!」


 フィギュアをテラスの床に投げたら青く光って銀色のメタルゴーレムドラゴンが両足で立っていた。


「メタルゴーレムドラゴン1号、このRA号の上空を警戒して、この船に向かってくるモンスターがいれば排除せよ!」


 ギャオン。


 ドラゴンらしいのかどうか分からないが、一声鳴いてメタルゴーレムドラゴン1号が飛び上がった。あまり高く飛ぶと俺の声が届かなくなるので、


「俺の声が届くくらいの高さで飛んでいろ」と注意しておいた。


 ギャオン。と返事してくれた。


 そして、もう一匹。


 メタルゴーレムドラゴン2号も同じように空の上に上がっていった。



 これで、上空、水中の警戒は十分だろう。





 ロイヤルアルバトロス号は屋敷につながっている以上、いつ出発してもいい。


 俺はブリッジに戻って、ロイヤルアルバトロス号を出発させることにした。


「RA号、このまま前進。速力30ノットだ」


 RA号は増速し始め、速度表示はすぐに30ノット=時速55キロになった。速度はある程度余裕を持っていた方が護衛モンスターのためにも無難だから、このくらいを巡航速度にしておこう。


 そうこうしていたら華ちゃんがピョンちゃんを肩に乗せてブリッジに入ってきた。


「ピョンちゃん、そこの輪っかに止まって、コアの方向に向いていてね」


 ピヨン。


 ピョンちゃんは華ちゃんの肩から舵輪に移って正面を向いた。この方向でよかったようだ。


「このまま、まっすぐでいいようだな。

 RA号、このまま直進」



「ブリッジに椅子がないのが不便だな。

 華ちゃん、スチールの椅子、ソファーの椅子、机の椅子があるけどどれがいい?」


「ここは船の中だから、そういった物は作り付けじゃないと危なくないですか?」


「一心同体の俺たちが少々のことでケガをすることはないと思うけど、エヴァたちはケガをする可能性があるな。今日はちょっと我慢して立っているか。忘れないうちにアスカ2号に指示しておこう。アスカ2号はどこかな? 船内放送があればよかった」


「岩永さん、モニターの横にそれらしいマイクがあります」


「ほんとだ。マイクを使ったくらいでとんでもないことが起こるとは思えないから、試しに使ってみるか。

 このボタンを押していればマイクが使えるんだろう」


 俺はマイクの横のボタンを押しながら、


「アスカ2号、ブリッジに来てくれ」


 と言ったら、ちゃんと船内に俺の声が流れた。相変わらず俺の声って変だよな。


 いつまでたってもアスカ2号がやってこない。どうも乗船していなかったようだ。


 ワイファイが繋がったらスマホを持たせておいた方がいいな。仕方ない、システム手帳にメモだ。


『椅子を作りつける』これでオーケーだ。



「この海だけど、島とかあるのかな?」


「ダンジョンの中ですから何とも言えませんが、やっぱりあるんじゃないですか」


「だよな。

 RA号、島を見つけたら近寄って停船してくれ。

 うーん、返事してくれないから命令を聞いてくれたのかどうか分からないな。

 この船のAIも口がきけるようにレベルアップが必要だった」


「岩永さん、正面のモニターに『了解』って出てます」


「ほんとだ。でも声に出してもらった方がいいよな」


「そうですね」


「陸地を見つけたらそこで収納して造船所に戻してレベルアップだな」


「岩永さん、レーダーに何か映ってます」


「レーダに映っている2つの明るい点はメタルゴーレムドラゴン1号と2号だ。海の中にはメタルゴーレムオルカ1号から3号がいてロイヤルアルバトロス号を守っている」


「それなら安心ですね」




 そうこうしていたらアスカ2号がブリッジにやってきた。先ほどの船内放送を聞いた誰かに教えられたのかもしれない。


「マスター、ご用事でしょうか?」


「ブリッジに椅子を何個か作り付けてくれ」


「はい」


「あとは、船外に向けてのスピーカーが欲しい。いま海の中をメタルゴーレムオルカが、空中をメタルゴーレムドラゴンが警戒しているんだが、指示するのに声が届かないとマズいからな。スピーカーの場所はここの屋根の上だな」


「了解しました」


「それとRA号の返事だけど、モニターに文字だけじゃ分かりづらいから音声で返事できるよう、今度造船所にRA号を戻した時、コアに言ってレベルアップさせてくれ」


「了解しました」


「アスカ2号は今日何か用事が入っているか?」


「アスカ3号が注文した物品をRA号に運び込むだけです」


「分かった」


 あと必要なのは船内の清掃要員だな。ゴーレムを2体ほど用意しておくか。造船所の作業員でも自宅警備員として作って失敗したメタルゴーレム2型でも少し大きいからもうちょっと小型の方がいいな。ゴーレムメーカーで作ったゴーレムではフィギュア化してメタルゴーレムに戻っても動きが遅いので、掃除には向かないような気がする。これも忘れないうちにコアに創らせよう。


 ということで、またまたコアのもとに跳んでお掃除ゴーレムを作ってもらった。


 お掃除ゴーレムは身長160センチ。見た目はゴーレムゴーレムだが、動きは素早い。俺はお掃除ゴーレムをコピーして2体にしておいた。掃除道具は錬金工房にレシピがあるので、錬金工房で作ってトイレの脇にあった物入れを掃除道具置き場にしてそこに置いておいた。掃除の方法などは、お掃除ゴーレムにプリインストールしておくようコアに言っているので大丈夫のハズ。


 さすがの華ちゃんも、船内を掃除しているゴーレムを見たことがないからといっていきなり破壊することはないだろうからわざわざ紹介はしなかった。


 その日、アキナちゃんが注文したコミックが大量に届けられたのだが、まだキャビネットが届いていなかったので空き船室に段ボールの箱のまま積まれたままになっている。




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― 新着の感想 ―
[一言] メタルゴーレムドラゴン、その名前なら木っ端微塵になっても復活するんですかね。 (バ○ル2世の原作で核ミサイル食らって破壊されましたが、続編の101で普通に復活してました)
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