第403話 RA号3、護衛モンスター
屋敷に帰ってすぐに風呂に入った俺は、風呂から上がって子どもたちに風呂に入るように言って居間で寛いでいた。そこにRA号の改修が終了したとアスカ2号が報告にやってきた。
「ご苦労」
子どもたちが風呂から上がって居間に帰って華ちゃんに頭を乾かされたあと、夕食の準備に駆けていった。
夕食の席で、
「ロイヤルアルバトロス号の改修が終わったぞ」と、みんなに教えておいた。
「明日はロイヤルアルバトロス号で探索再開だ」
「丸一日進んでも、陸地が見えなかったらどうします?」と、華ちゃん。
「陸地がなければ、そこで投錨するしかないだろうな。元の位置に戻るわけにはいかないんだし」
「そうですね」
「わらわはコミックを大量発注しておいたのじゃ。ついでにアスカ3号にロイヤルアルバトロス号の中でもワイファイが使えるように頼んでおいたのじゃ」
「気が利くな」
「わらわに抜かりはないのじゃ」
「そう言えば、ロイヤルアルバトロス号をいったん造船所に運ぶためアイテムボックスに入れたんだけど、その時連絡室の黒い板は灰色のただの板になってたんだ。
ワイファイを使うためケーブルを引くはずだから簡単に取り外しできるようにコネクタで繋げるようにした方がいいな。そうしないと収納したとたんにケーブルが切れてしまうと思う」
「あとでわらわがアスカ3号に伝えておくのじゃ」
「頼んだ」
……。
「あの船って、買えば相当高いですよね」
「華ちゃん、某自動車会社の元社長が購入した大型ヨットが16億円ってネットで出てたわよ。ロイヤルアルバトロス号はあのヨットより横幅がある分大きいからもっと値段が高いんじゃない?」と、はるかさん。
「うちのロイヤルアルバトロス号には直径75センチのメタルゴーレムコマエンジンが4基搭載されているんだけど、燃料をくわない優れモノだ。直径60センチのメタルゴーレムコマは2億1600万円だったから、75センチだとおそらくその1.5倍で3億はすると思うから、エンジン4基で12億はする。そう考えると、ロイヤルアルバトロス号は20億くらいじゃないかな」
「感覚がマヒしてるようで、16億円とか20億円と聞いても大したことないような気がしてしまう自分が怖い」と、華ちゃん。
「だろうな。
今となってはアキナちゃんでも余裕で買えると思うけどな」
「余裕じゃな」
「だよな」
「明日の探索は、コアを目指す探索の再開だからピョンちゃんを連れていかないとな。
今まではピョンちゃんの飛んでいく方向を追って走っていたけど、ピョンちゃんがRA号の最高速度時速70キロで飛べるかどうかわからないし、飛べたとしても何時間も飛べないだろうから、ブリッジでコアのある方向を見ていてもらえばいいだろう。
ピョンちゃんの止まり木はマイクと化している舵輪だ。舵輪の下には楽園イチゴと楽園リンゴを入れたカゴを置いておけばいいな」
「そうですね」
「とはいえ、船で移動するだけだし、モンスターの気配はないから俺だけブリッジにいてもいいけどな」
「本当にモンスターはいないんでしょうか?」
「確証がない以上、モンスターがいるものと考えて行動した方がいいよな。何せ船は大きいし海の中から攻撃されたら反撃できないし、雑魚モンスターでも強敵になるからどうしようか?」
「ロイヤルアルバトロス号に追随できるくらい高速で泳げる魚型の防衛用ゴーレムを創ればどうでしょう」
「それはいいな。メタル大コウモリは飛べなかったけど、メタルオルカなら泳げるだろう」
「メタルオルカって?」
「シャチ型ゴーレムをコアに創らせて、それをメタル化するんだ。水中じゃ最強なんじゃないか?
忘れないうちにシャチ型ゴーレムを創ってこよう。もしできるようなら空飛ぶゴーレムだな。メタルオルカは2、3頭もいれば十分かもしれないけど、空は小型でいいから沢山欲しいな。例えば101匹」
「フィギュア化する時は言ってください。フィギュアルームに付いていきますから」
「その時は頼む。できれば今日中に作ってしまいたいから、風呂に入るのはちょっと待っていてくれ」
「はい」
それから俺は急いで食事を終えて、コアルームに跳んだ。
「コア、シャチ型をして、水の中をシャチのように泳ぐゴーレムを創れるか?」
「もちろん可能です」
「1頭創ってくれ。戦闘用だからある程度は強くしてくれよ」
「大きさはどれくらいにしますか?」
「うーん、大きさは後からいくらでも変えられるし、フィギュアルームの広さのこともあるから、3メートルくらいにしておくか」
「了解。
……」
しばらく待たされ、俺の後ろにシャチが現れた。3メートルしかないので魚にすれば巨大だがそれほど大きなものではない。白黒の模様がカッコいいがメタル化すれば銀色になってしまうのであまり意味はない。
「コア、サンキュウ」
そう言ってゴーレムシャチを収納しておいた。ゴーレムシャチの速度は分からないがメタル化したら70キロを下回ることはないだろう。
「あともう一つ。
空を飛べるゴーレムって創れるか?」
「創れます。どういった種類のものを創りますか?」
「そうだなー。これも戦闘用だからある程度強くないといけない。
空を飛ぶ速さも最低時速70キロは必要だ。そんな感じでよさげなものがないかな?」
「ゴーレムドラゴンはどうでしょう?」
「それいいじゃないか」
「大きさはどうしましょうか?」
「頭の先からしっぽまでで6メートルくらいかな」
「了解。
……」
しばらくしてさっきゴーレムシャチがいた床の上にゴーレムドラゴンが現れた。
ゴーレムドラゴンは首としっぽが長いせいでそんなに大きくはないのだがそれでもドラゴンだ。俺を殺してくれた金色のドラゴンは憎らしいだけだが、目の前のドラゴンが俺のドラゴンだと思うと愛着がわく。つぶらな瞳が実にキュートなのだ。
華ちゃんが待っているし、見てばかりもいられないので、俺はコアに礼を言って、ゴーレムドラゴンを収納して屋敷に戻った。
華ちゃんは居間にいたのですぐに二人でヘルメットだけ被ってフィギュアルームに跳び、異常なしを確かめて、ゴーレムシャチとゴーレムドラゴンをフィギュア化した。
ゴーレムシャチには驚かなかった華ちゃんもゴーレムドラゴンには驚いたようだ。
でき上ったフィギュアを手にして華ちゃんを連れて屋敷に帰った。華ちゃんは、はるかさんとリサに風呂に入ると声をかけると言って2階に上がっていった。
俺は居間のコタツに入って、コタツの上に置いた二つのフィギュアを眺めていたら、アキナちゃんが居間に入ってきて目ざとくフィギュアを見つけてしまった。
「ほうー。これはこれは。わらわもそのフィギュアが欲しくなったのじゃ。ゼンちゃんならいくらでも増やせるのじゃから、その2つのフィギュアを譲ってほしいのじゃ」
頼まれれば嫌とは言えない性分なので、
「何匹ずつ?」
と聞いたら、
「どちらも101匹欲しいは山々じゃが、魚は1匹でよいのじゃ。ドラゴンは2匹じゃな」
いったんフィギュアをアイテムボックスにしまって、それぞれコピーしてアキナちゃんにシャチを1頭、ドラゴンを2匹渡しておいた。元が元なのでフィギュアといってもかなり大きい。
「アキナちゃん、魚の方はメタルゴーレムに戻すと3メートル、ドラゴンは6メートルになるからな」
「ドラゴンが6メートルでは小さくないか?」
「小さくもないからそれくらいでいいんじゃないか? 大きくはできるけどな」
「部屋に飾っておくだけじゃからこれでもいいのじゃ」
なんだよ。大きなのが欲しいのかと思ったじゃないか。
「ところでアキナちゃん、ちゃんと持てるのか? そこまで重いわけじゃないけど、それでも結構重いぞ」
「あっ! うーむ。運べぬわけでもなさそうじゃが、ちょっと厳しそうなのじゃ。すまぬがわらわのトレーディングルームまで運んでほしいのじゃ」
「了解」
ということでアキナちゃんのトレーディングルームに運んで、床の上においてやった。




