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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第380話 年末温泉旅行10


 熱海の海岸道路を駅方向に向かって歩いていたら、懐かしの仲良し3人組、ブー、フー、ウーに出会ってしまった。


 ブー、フー、ウーも女の子を大量に後ろに従えている俺を見て、俺のことを思い出したようだ。3人は一斉に回れ右して走り出した。頑張れ! その調子で走り続ければ下腹も少しは引っ込むはずだ。


 火の粉が降りかかることを手ぐすね引いて待っていたのだが、逃げていったものは仕方がない。また逢う日まで、逢える時まで。


 俺の後ろを歩くみんなも、3人組のことを思い出したようだ。


「あれは、露出男たち!」「社会の落ちこぼれ!」「バ〇丸出しの反社!」「恥ずかしい!」


 最後に「この世からいなくなればいいのに」と、辛辣なお言葉。


 アキナちゃんと親父は、ブー、フー、ウーを見るのは初めてのはずなので辛辣な言葉はなかったようだが、


「走る姿はまるで豚じゃの」と、アキナちゃんから本質を突いた言葉が飛び出たあと、


「みんな、さっきのだらづら(ばかづら)した連中のことを知っちょーのか?」と、親父は驚いたような声を出した。結局二人も同じく辛辣だった。


 最後に「おなじみの連中なんです」と、はるかさんが親父の質問に答えてくれた。



 駅へ続く道は一本道なのでブー、フー、ウーの後を追うような形で歩いていたら、上り坂になった。自分ではゆっくり歩いているつもりでも、一心同体の4人と残りの6人では明らかに身体能力が違うので、歩く速さを調整してゆっくり坂道を上っていった。


「こうやって年の瀬の日本を歩いていると、ああいった懐かしい連中に出くわすし風情があるよな」


 などと、風情などこれっぽっちも感じていなかったが口に出してみたところ、誰もこたえはしなかった。もちろん白い花は散らなかった。わかんないだろうな。



「風情がある。で思い出したけど、正月の準備も始めないといけないよな」


 今度はちゃんとリサが答えてくれた。


「お正月用の食材などは少しずつ購入しています。旅行から帰って2日ありますから、お正月の準備は余裕で間に合います」


「リサ、済まないな」


「いえいえ。料理とか作るのが楽しいんです」


「俺も手伝えればいいんだけど、料理ってある種芸術だから、俺が手出しすると、何か別の物ができ上がるような気がするんだよな。とはいえ、俺も自炊していた関係で、ご飯は炊飯器で炊けるし、玉子焼きはできないけどゆで玉子は作れたんだ。あと納豆とか、冷や奴とか」


「わたしも他人ひとのことは言えませんが、岩永さんらしいですね」と華ちゃん。その言葉にはるかさんが頷いていた。


 やはり褒められてはいないようだ。男の一人住まいでカップラーメンだけとか、コンビニ弁当じゃないだけでもかなりのものだと思っているんだな。その辺りの機微を理解して何がどうなるわけではないが、華ちゃんもはるかさんも分かっていないようだ。


 まっ、今となっては、俺にはコピーという強い味方がある。オリジナルな料理は作れないが、全く同じ料理を作ることができる。最高の料理人の一人と言っても過言ではない。ハズ。



 歩くという意味合いだけで駅前までやってきたのだが、目的を達成してしまった。


 昼食にはまだ早いが何もすることがない。


「仕方ないから、旅館に帰って風呂にでも入るか」


 ということで、旅館に帰ったのだが、あいにく風呂は掃除中だった。世の中そんなものだ。


 結局少々早かったが旅館内のレストランで昼食を取ることにした。


 レストランでは洋食を頼んでおいた。



 昼食後、部屋に戻った俺たちは、それからジェ〇ガで時間を潰したのだが、親父がことのほか上手かった。妙な才能ではあるがそれも才能には違いない。こう考えると、才能のカケラもないのは俺だけのようだ。アキナちゃんの加護はあるが、俺からスキルを取ると俺の中には何も残らない。だけど、家族もいれば家族同然の人もいる。それで十分。家が竜巻で吹っ飛んだわけではないが、おうちが一番。



 その日の夕食も食後のヒールポーション必須の豪華な夕食だった。



 翌日。


 朝食を食べて、腹が落ち着くまで休憩したあと、最後の一風呂を浴びて俺たちは旅館の女将はじめ従業員たちに見送られて旅館の玄関を出た。少し歩いてから門を出てしばらくいったところで屋敷に帰った。



 屋敷の応接室に飾っていたイオナの美術コンクール受賞作2つをアイテムボックスに収納して、親父を実家に送り帰した。


 親父に預かっていた荷物と一緒にイオナの絵を渡しておいた。


「親父。以前渡した絵とこの絵は、はっきり言って玄人でも区別できないから、間違えないようにな」


「ようは分からんが、分かった」


「じゃあ」


「善次郎、だんだんな」


「うん」



 屋敷に戻った俺は、アスカへと親父から預かっていた小箱をアスカたちに渡しておいた。


「親父がアスカのために買ってきてくれたものだが、アスカが一人だと思っていたので、一つしかなかったんだ。無粋かもしれないが、俺がコピーして全部で3つにしたから」


「「ありがとうございます」」


 アスカたちはその場で小箱から中のものを取り出した。


 コピーしたのでもちろん俺は中身を知っていたのだが、細目のプラチナの鎖に小さなダイヤがくっついたプチネックレスだった。アスカたちがそれを首にかけたのだが、よく似合っていた。


 駅弁を手にしても似合わないかもしれないが、元が元だけに何を着けても似合っていたとは思う。


 プラチナは金と一緒で作るのは面倒だと思ったのだが、素材ボックスに突っ込んだ中古車なんかに使われていたのかもしれないし、量が量だけにほとんど負荷を感じなかった。


「「大事にします」」


 まるで人間の受け答えだな。確かにアスカたちは超高性能だ。



 そういえば、人造ダイヤの価値は全然大したことがなかったが、本物の宝石をコピーしたらすごいことになるんじゃないか? たいていの宝石の成分はケイ素とかアルミだろうからそこら辺の石ころや砂、それに土の中に含まれている。材料的にはコピーし放題だ。


 オストラン王国の財政が傾いたら、日本というか、地球の宝石相場が暴落するかもしれないが宝石を売り払って肩入れしてやるか。1兆、2兆くらいなら売れるんじゃないか?




 屋敷に帰ったらさっそくイオナが、ダンジョンガールズ風3人ユニットの絵を描いてくれていた。でき上がるのを待っていたら1時間ほどで完成したので、それをコアルームに持っていき、高さ30センチくらいのゴーレム3体作ってもらった。


 アキナちゃんは沢山欲しいと言っていたのだが、99個もあると邪魔なので3セット、合計9体にしておいた。


 コピーしたので、アキナちゃんがもっと欲しいと言えばいくらでも増やすことはできるだろうが、9体もいれば十分だろう。




『また逢う日まで』https://www.youtube.com/watch?v=CCUN3658HKU

『夜空』https://www.youtube.com/watch?v=Q-U7RsasYkc


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 金以外にも、レアメタルを錬金術やコピーでインゴットにして渡したら感謝されそうだなぁ、価格が下落しない様な調整はひつようだろうけど、プラチナ、パラジウム、タンタルとか、そういや、次世代半…
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