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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第321話 都へ3、準備


 エヴァに言われて、試しにアスカを錬金工房でコピーしたところ、簡単にコピーできてしまった。


「エヴァ、簡単にコピーできてしまった」


「ほんとですか?」


「ほれ」


 アスカ1号とアスカ2号をエヴァの前に出してやった。


「うわっ! 人間そっくりのアスカが二人!」


 言い出しっぺのエヴァだけでなく華ちゃんもアングリ口を開けて驚いたようだ。アキナちゃんだけは驚いた様子もなく、頷いていた。


「みんなでデパートに行って衣料品を揃えようと思ったが、時間が中途半端だから、俺と華ちゃんとアスカだけで跳んでいこう」


「わらわもついていきたいのじゃ!」


 予想はしていた。


「じゃあ、アキナちゃんもな。

 服装は今のままでいいかな?」


「はい」「これでいいのじゃ」


 アスカ2号はアイテムボックスの中にしまって、華ちゃんたちとアスカ1号が俺の手を取ったところで、いつもの隣り街のデパートの脇の道に転移した。


 揃って表に回って、正面の出入り口のすぐ先にあるエレベーターに乗り込んで婦人服売り場のある階に出た。


 俺は財布代わりについて回るだけだったが、1時間ほどで、アスカの衣料品は上から下まで揃った。女物の買いものにも慣れてきたので周囲をあまり気にすることなくお財布役を務めることができた。派手で美少女のアスカと清楚系美少女の華ちゃん、そして、これぞ美少女のアキナちゃんの3人に注目が集まるだけで誰も俺のことが目に入らなかったともいえる。


 精算して袋に入った荷物を受け取った俺は、歩きながらアイテムボックスに収納して、すぐにコピーしておいた。サイズの同じ華ちゃんなら直さず着られるからな。


「アスカをゴーレムだと気付いた人はいなかったんじゃないか?」


 よく考えなくても、そこらを歩いている少女がゴーレムかもしれないと思う人間はおそらく皆無なので、あまり意味のない言葉だった。


「店の人の質問にもアスカはちゃんと答えていましたから、まったく問題はないようですね」


 問題の本質を見失っていたが、アスカが一般人と会話してちゃんと受け答えできるか知るために街に繰り出したんだった。


「どうせなら、10人くらい並べてぞろぞろ歩かせたかったのじゃ」


 アキナちゃんの意見は参考程度に留めよう。2人、よくて3人までなら許されるかもしれないが、10人もやってしまうとかの国のミスコンになってしまうからな。


「それをするとかなり注目されるだろうな。

 そろそろ昼食だろうから、屋敷に帰ろう」


 

 屋敷に帰ってからアスカ1号も収納し、洗面所で手を洗ってフラフラしていたら、昼食の用意ができたとエヴァが知らせにきたので、食堂に向かった。


 せっかくみんなが集まっているので、アスカが話せるようになったことと2人になったことをみんなに伝えておいた。


「アスカちゃんってゴーレムですよね?」


 はるかさんはかなりビックリしたようだ。


「美少女フィギュアと違って見た目は全くの人間じゃから、もう人間なのかゴーレムなのか区別はつかんのじゃ。しかもそれが2人じゃからな」と、ドヤ顔でアキナちゃんが説明してくれた。


 はるかさんの顔を見て思いついたのだが、


「はるかさん、来年、新入生が入ってきたら、先生が足りなくなるけど、どうします?」


「善次郎さんにお願いしようと思っていたんですが、商業ギルドから算数の先生を雇えないかなって」


「当てがあるなら、お金のことは気にせずどんどん雇ってください。

 ソロバンの先生ははるかさんしかできないでしょうが、国語の先生は雇わなくていいですか?」


「そっちの心当たりがないんですよね」


「はるかちゃん、それなら神殿から適当な者を寄こしてもいいぞ」


「ほんと?」


「もちろんじゃ。うちの神官ならば、誰であれ読み書きくらい教えられるじゃろ。

 こんど神殿にいったらじいに話しておくゆえ、安心しておれ」


「アキナちゃん、ありがとう」


 これなら学校の方は何とかなりそうだな。あとは新入生募集を商業ギルドに頼んでおけばいいだけだが、そこらははるかさんに抜け目はないだろう。



 昼食を食べ終わり、デザートも食べ終えた俺は、2階に上がってアスカズの部屋を用意することにした。というのは、アスカズは着替えなければならないが、そこらで勝手に着替えるわけにはいかないからだ。ベッドは要らないがタンスはあった方がいいだろう。タンスはコピーで作れる。


 2階で空いた部屋は1つだけだったので、その部屋にタンスを置いたところで閃いたのだが、


 アスカ1号を一心同体のメンバーとして、アスカ2号を街で連れ歩くように決めてしまえば着替える必要はなくなるんじゃないか?


 アイテムボックスの中に入っている分には二人とも汚れないが、外に出てしまえば衣服も汚れるし体も汚れてくるわけだから、風呂にも入らなければならないし、衣服の洗濯も防具の手入れも必要となる。コピーは簡単なんだから、作り直してしまえば着ている服も含めてきれいなままなのだが、アスカが言葉を話すことができるようになった以上、さすがにそれはできないものな。何だかこうやって家族がどんどん増えていくような気がしないでもない。


 まあ、そういうことなので、アスカズの部屋は必要だ。


 アスカ1号とアスカ2号を部屋の中に出して、


「この部屋をお前たち二人で着替えなんかに使うように」


「「はい、マスター」」


 全く同じ声の返事だった。これぞまさにステレオタイプ美少女だな。


 夕食時にでも、残っていた空き部屋をアスカ用に使ったとみんなに言っておかないとな。




 翌日。


 結局、都見物用にお出かけ服をみんなで買いに行くことになった。


 ファッションリーダーになるには必要なことなのだと、アキナちゃんが昨日の夕食時に力説した結果だ。


 ということで、跳んだ先は銀座だ。はるかさんの学校が終わるのを待って、昼食を食べてからなので午後からの買い物だ。


 デパートに入ってからの俺は、昨日同様後ろをついて歩くだけだ。衣料品は全額支給ということでみんな好きなものを買うように言っている。はるかさんは今回も自分で払うと言っていたが、校長先生とは言え、うちの従業員のようなものなので、言いくるめて俺が払うことにした。現金はちょくちょく下ろしている関係で、アイテムボックスの中には2千万ほど入っている。世の中キャッシュレスらしいが、俺はいつもニコニコ現金払いのキャッシュアリだ。


 結局みんな遠慮したみたいで8人のお買い物だったが、使ったお金は100万円を超えなかった。


 なんであれ、美人美少女軍団とその後を追いかける金満おじさんがそのうちSNSで拡散されるのではと思うくらい人目を引いてしまったが、どうすることもできない。


 買い物は4時前に終わったので、その日の夕食代わりにデパートの中の寿司屋に入ることにした。9人が一度に入れるか心配だったが、運よく9人揃って席に着くことができた。


 考えたら、みんな揃って食事に入った店で席に着けなかったことがこれまで一度もなかったような気がしないでもない。



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