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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第310話 一心同体と勇猛果敢2


 高校生らしい3人に身バレしてしまったので、俺たちは買い物を中断してその3人を誘って、いったんワーク〇ンを出て、駐車場に回った。


 そこで俺は「俺の手を取ってくれ」と、3人に言った。ロリコンZの手は取りたくなかったのかもしれないが、華ちゃんたちが俺の手を取ったところで、3人も恐る恐る俺の手を取った。


「転移!」


 俺は、駅前のドト○ルコーヒーの横に跳んだ。


 キョロキョロする3人を促し、ドト○ルの中に入って、まず華ちゃんに奥の方の席をとってもらい、3人に向かって、


「好きなものを注文してくれ。飲み物も食べ物も好きなものを注文してくれていいからな」


 3人は遠慮して飲み物だけを注文し、俺たちも飲み物だけ注文して、華ちゃんのところに移動した。華ちゃんと俺用に、俺はコーヒーを2人分トレイに乗せて運んでいる。


 7人で華ちゃんが確保した席に着いて、


「いちおう、これから話すことは他言無用ということで頼むな」


 3人は黙ってうなずいた。


「名まえは明かせないんだが、俺のことはZとでも呼んでくれ。それで、おそらく俺たちがきみたちのいう『最強チーム』だ。その証拠と言ってはアレだが、さっきのは転移だ。俺が知っているところならどこへでも跳んでいける。何か質問とかあるかな?」


「僕の名まえは足立良和(よしかず)といいます。

 魔法って本当にあるんですか? っていうか、さっきのも魔法?」


「魔法はある。攻撃魔法とか、身体能力を上げる魔法とか、治癒魔法とかあるな。

 さっきの俺の転移は、転移魔法というのがあるかもしれないが、魔法じゃなくてスキルだ」


「ラノベなんかでよく出てくるあのスキルですよね」


「その通りだ」


「下村健一です。

 グリーンリーフとかはダンジョンに潜っていることが話題になっていますが、みなさんも普段ダンジョンに潜っているんですか?」


「毎日ってことはないけど、週に数回は潜っているな」


「そうなんだ。あっ。わたしは火野あずさっていいます。

 いままで戦ったモンスターの中で一番強かったモンスターはどんなモンスターでしたか?」


「一番となると、やっぱりリッチかな」


「リッチって?」


「見た目はミイラで呪いや魔法を使うバケモノだ」


「うわっ! ダンジョンを潜っていくとそんなのがたくさんいるんですか?」


「いや、あれは特別だから、おそらくもう出てこない」


「よかった。特別じゃないモンスターでは?」


「これも特別かもしれないけど、金色のドラゴンだな。

 なんとか斃せたけど、こちらも最後に痛い目に遭った」


 俺の額に空いた天下御免の向こう傷は消えてなくなっていたが、ドラゴンの話をしたら、なんだかうずいたようなうずかなかったような。


「ドラゴンいるんだ」


「ドラゴンは斃しちゃったからもういないと思うけど、いずれにせよ、ドラゴンのいるようなところまではまずいけないし、そんな危険なことをする必要なんかないんじゃないかな。だからあまり心配する必要はないよ」


「それは、そうですよね。

 それで、みなさんのチーム名ってあるんですか?」


 華ちゃんは横の方を向いてコーヒーを飲んでいたが、アキナちゃんが身を乗り出して俺の代わりに答えてくれた。


「わらわたちのパーティー名は『一心同体』。どうじゃ、カッコいいじゃろ?」


「「すっごくカッコいいです」」


「おぬしたちにもパーティー名があるのなら教えてくれんかの?」


「僕たちのチーム名は『勇猛果敢』です」


「ユウモウカカン?」


「何事にも恐れずに立ち向かっていくという意味だ」と、俺が解説してやった。


「なるほど。おぬしたちのパーティー名もなかなか良い名なのじゃ」


「「ありがとうございます」」


「きみたちは高校生なのかな?」


「はい。3人ともこの近くの高校に通っている同級生です」


「それはいいね。

 それで、きみたちはどういった武器を使ってるんだい?」


 俺も一般冒険者、それも高校生冒険者がどういった武器で戦っているのか少し興味があって聞いてみた。


「僕と、こっちの下村がメイスで」


「わたしがピストルクロスボウです」


「近距離と長距離の組み合わせだな。なかなか、いい組み合わせだな」


 俺はコアに頼めば、適当なスキルが手に入るので、今のところ不要なスキルに未練はない。なので、3人に向かって、


「スキルブックって知ってるかい?」


「「いえ、知りません」」


 スキルブックについてはまだ公表されていなかったのか。


「スキルブックというのはダンジョンで見つかる特殊なアイテムで、壊すとそのスキルブックのスキルが壊した本人のものになるんだ」


「そんなのがあるんですね」


「そういうこと。

 どうだい、俺たちは弓系統の武器を使っていないから弓術のスキルブックが余っているんだ。よかったらやろうか?」


「いいんですか?」


「そのかわり、秘密にな」


 そう言って俺は弓術のスキルブックをアイテムボックスから火野と名乗る女子に渡した。いきなり俺の手の中に出したのだが、3人とも気付かなかったようだ。


「真っ黒なスマホに見えるけど、それを両手で持って割ってみてくれ」


 彼女は俺が手渡したスキルブックを見て、ためらっている。


「気にせず壊してくれ」


 彼女が両手で力を込めて弓術のスキルブックを割って壊した。


 壊れたスキルブックは彼女の手の中で砂のように崩れてそして消えていった。


 彼女は驚いて自分の手元を見て、2人の男子も彼女の手元を眺めている。俺は、


人物鑑定かくにんするから。

 うん、ちゃんと弓術Lv(レベル)1になっている。弓とクロスボウは違うけど、ある程度強くなったんじゃないか」


「ありがとうございます。今週末試してみます」


「こんなところかな。

 それじゃあ、俺たちそろそろいくから」


「「ありがとうございます。それと、一心同体応援します!」」


 最後にアキナちゃんがニマニマ笑いながら、3人に向かってひとこと。


「3人とも頑張るのじゃぞ」





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 一心同体の4人がド〇ールから出ていった。足立たち3人は4人を見送り、また席に戻って話し始めた。


「あれが、最強チーム。防衛省以外で、俺たちだけしか知らないんじゃないか?」


「おそらくそうだ。

 ここのド〇ールを知っていたし、ワーク〇ンも知ってたっていうことは、一心同体はこの街に住んでいたってことか?」


「Zさんはどこにでもいそうなおじさんだったけど、あとの美少女3人がこの街にいたら絶対話題になってるぞ」


「それもそうか」


「Zさん、どこにでもいるようなおじさんってことないよ。渋くてカッコよかったじゃない」


「渋くはあったな。というか、あの4人が戦っているところを見てみたいよな」


「戦っているときは、雰囲気変って、渋くてカッコよくなりそうだな」


「それは言える」


「そうそう、火野のスキルブック。目の前で消えていくってマジもんだよな。

 あんなのくれたけど良かったのかな?」


「いいも悪いも、もう壊しちゃったし。

 週末楽しみ」


「確かに」


「俺たち、そろそろ買い物に戻らないか?」


「すっかり忘れてた」


 ドトー〇を出た3人はワーク〇ンに戻っていった。


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