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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第294話 ダンジョン・コア1

ここからは、ダンジョンマスター編となります。


 マンションにエアコンも取り付けが終わり、冷蔵庫も運び込まれた。もちろんカーテンも取り付けた。家具類はまだ置いていないが、ベッドや寝具を含めたいていの家具は向こうの屋敷のものをコピー済みなので錬金工房でいくらでも作れるし、調理具や食器類も同じように作ることはできる。家具類を購入すると配送になるので受け取りが面倒だが、中古とは言えせっかくの新居なので新品を買ってきてもいい。



 親父のところに登記関係の書類も届いていたので、貰っておいた。そのとき親父に新しい住所も教えておいた。だからといって、通常無人なのであまり意味はない。たまに1階の郵便受けをのぞいて中身を片付けておかないと近所迷惑になるので、1週間に1度は顔を出した方が無難だ。





 10月も中旬に入り、イワナガ運送の宿舎の第2棟と第10階層の簡易宿舎が完成した。宿舎の完成と同時に簡易宿舎要員5名をエヴァが雇った。簡易宿舎の開業は1週間後として、その1週間で簡易宿舎内の準備を進めたようだ。宿舎要員5名は4日働き1日休みのローテーションで、簡易宿舎に4名泊まり込む予定だ。地上の宿舎は4人部屋だが、その5人で使用することになっている。



 簡易宿舎の営業を始めて1週間。冒険者からの要望で携帯食料の販売も始めた。サービスの一環ということでダンジョン外での購入価格と変わらない価格設定だそうだ。内容は乾パン、干し肉、乾燥果物だ。宿泊客は宿用の井戸水の使用はもちろん自由だったが、宿泊客以外の冒険者のために、簡易宿舎の脇にも井戸を作り、そこにも手押しポンプを取り付けて使用自由にしている。第10階層での潜在顧客を増やそうというエヴァのアイディアだ。


 あと、アルコールの要望もあったようだがそれは断っている。


 冒険者しゅくはくきゃくは1週間ほど部屋を借りて、そこを拠点に第10階層周辺を探索しているようだ。その間の成果は部屋の中に貯め込み、部屋を引き払うとき、ゴーレム列車に荷物を詰め込んで荷物と一緒に第1階層まで帰っていくと聞いた。



 俺たち一心同体は、依然南のダンジョンの第1階層の探索を続けている。南のダンジョンは下に広がっているかどうかはわからないが、横にどこまでも広がっているのではないかと思い始めた。


 日本の第1から第3ダンジョンでは第1階層の洞窟総延長はどれも400キロを超えていて、まだ測量を続けているということだった。入場者数とモンスターの数は比例関係があることは分かっていたのだが、どうもダンジョンの広がりも入場者数に比例しているような気がする。



 俺たちの(みなみ)ダンジョンは例外なのだろうが、モンスターの強さというかダンジョンの難易度は深さに比例していると考えて間違いない。難易度=高収益と考えていいので、経験を積んだ冒険者は少しずつ下の階層に活動範囲を移しているという説明を防衛省との会議で聞いた。


 現在日本では16個のダンジョンがオープンしており、来年の4月には全てのダンジョンがオープンするという。親父の屋敷の裏山のダンジョンもその時オープンする。



「……、こういった予定になっています」


 週初の会議で最後に川村局長がダンジョンのオープンスケジュールの説明をしてくれた。


「わたしの方は特に変わったことはありませんでした。

 ポーションとフィギュア大蜘蛛とフィギュアゴーレムを下で降ろしてきます」


 各地のダンジョンのオープンに合わせて防衛省からフィギュア大蜘蛛とフィギュアゴーレムのご注文を受けており、最近はポーションの他、フィギュア大蜘蛛1000個にフィギュアゴーレム1000個卸している。ヒールポーションとスタミナポーションで21億、フィギュアで30億。合計で51億。フィギュアについては現在新規ダンジョン特需中なのでそのうち売れなくなるが、とんでもない収入になってしまった。


 下の駐車場脇の特設テントでポーションとフィギュアを下ろした俺は、会議室に戻ったところで、制服を着た男性自衛官が川村局長にメモを渡して、一礼して会議室から出ていった。


「岩永さん、お帰りは少々お待ちください」


 川村局長が俺に断ってポケットからスマホを取り出しどこかと話し始めた。


「……。了解した。

 岩永さん、三千院さん、お待たせしてすみません。

 今連絡が入ったんですが、第1ダンジョンの第1階層を測量していた測量チームが第2ダンジョンの第1階層を測量していた測量チームとダンジョン内で出会ったそうです」


「ということは、第1ダンジョンと第2ダンジョンが繋がっていたということですか?」


「そういうことなのでしょう。これまで別々に測量した個所もいくらか重複した個所があったようです。

 第1ピラミッドと第2ピラミッドの地上での直線距離は21キロですが、ダンジョンに入っての入り口間の直線距離は測量では約30キロだったそうです。

 ダンジョンはピラミッドによって地表と繋がっていますが、ダンジョンそのものは別の世界、異空間に存在している証左の一つなんでしょうな。

 ダンジョンのマップはダンジョンの出入り口を基準に東西南北を便宜的に決めているのですが、第1、第2ダンジョンとも東西南北については一致していたようですので、おかげでダンジョン内の図面もそのまま繋げることができたようです。

 この調子ですと、第1ダンジョンと千葉の第3ダンジョンも繋がっている可能性があります。こうなってくると測量チームの増員が必要のようです。

 まっ、このことで、直ちに何が変わるわけではありませんが、不思議なものです」


「そのほかのダンジョンも繋がっているかもしれませんね」


「あり得ます。第1階層だけではなく、第2階層以降でも繋がっているかもしれません」



 日本に現れたダンジョン同士で繋がっているという話には驚いたが、よく考えたら俺たちのダンジョンと第2ダンジョンは一方通行だったが繋がっていた。あれが双方向だったら簡単に人や物が移動できるようになる。


 ニューワールドにとってそれがいいことだとは限らないので、あれはあれでよかったのかもしれない。


 ダンジョン生物も含めて、地球の人や動植物とニューワールドのそれとほぼ同じなのは、ダンジョンを通じてそういったものの交流があったからなのかもしれないと思った。ニューワールドの存在は今のところ公表されていないが、いずれそういったことが研究されるのだろう。


 

 川村局長の話を聞いた俺たちは、他に用事はなかったので、会議室から屋敷に戻った。




 午後の早い時間から俺は湯舟に浸かって、今日防衛省で聞いたダンジョンが第2階層以降でも繋がっているかもしれないという話を思い出していた。


 俺たちのダンジョンでは、楽園こそが意味合い的に最下層と思っていたが、いわゆるダンジョン・コアとかなかった。しかし、一般的という言葉が適当なのかは分からないが、一般的なダンジョンだとその最下層にコアと呼ばれるダンジョンの素が鎮座しているのではないか? しかもそのダンジョンの素は、ただ一つで、つながった全てのダンジョン共通なのではないか? 逆に言えば、日本に現れたダンジョンは32個ではなく、ダンジョンはたった1つで、出入り口だけ32個地上に現れたものなのかもしれない。


 日本のダンジョンに潜って、最下層にあるハズのコアを手にしてしまえば日本の全てのダンジョンのダンジョンマスターになれるのでは?


 となると、第16階層まで行ったことのある日本の第1ダンジョンにいくのが少しだけでも有利か。


 よーし、俺たちのダンジョンの探索はいったんお預けにして、明日から第1ダンジョンに潜ってやろう。




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