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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第248話 養子1

2023年1月1日。明けましておめでとうございます。

みなさま、旧年中は誠にありがとうございました。

本年もよろしくお願いいたします。


 這いよる美少女フィギュアはどこにもニーズはないだろうが、メタル大蜘蛛とメタルゴーレムはおそらく防衛省に売れるだろう。どちらもフィギュア化した状態だとかなり小さいので、フィギュア大蜘蛛を2000体、フィギュアゴーレムは1000体、寝る前に金のサイコロを錬成する代わりに作っておいた。


 ダンジョンで2000体のメタル大蜘蛛が大行進したらさぞかし見ものだろう。もう20匹作れば2020匹、101匹を20セットにして、101匹蜘蛛ちゃん大行進、メガ盛り! 想像するだけでワクワクしてきた。などと妙なことを考えているうちに、ぐっすり眠ってしまった。



 翌日。


 今日はみんなでイオナの壁画を見に神殿にいくことにした。アキナちゃんはうちの子になってしまってほとんど神殿に帰っていないので里帰りだ。


 神殿の大ホールの一画で壁画を描いているということだったのでみんな揃って大ホールに跳んだ。いきなり現れたら驚かれるかもしれないが、アキナちゃんを連れている以上問題ないだろう。そのアキナちゃんは大神官に用があると言って奥の方に一人で歩いていった。


 イオナの壁画の前には足場が組まれていた。周囲には、ペンキのような絵具類や何種類もの筆や刷毛が並べてあった。壁画の色付けは6割方完成しているということだ。俺の目から見るともう完成しているように思えるのだが、これから色を重ねたりそれなりの技巧・・を凝らして完成させるという話だ。


 真っ赤なピョンちゃんを中心に一心同体4人がポーズをとるこの壁画がこれから先何百年もこの神殿の中で多くの人に眺められ称賛を浴びるとなると身の引き締まる思いがする。


 ポージングした俺たちの背景は、もちろん楽園なのだが、ポージングした時の本当の背景とは異なり、草木に生った実が強調されていたり、斜め後ろに滝の落ちる泉が描かれている。泉をよく見ると魚が一匹飛び上がっている。


 俺たちは壁に向かって筆を振るうイオナの後ろ姿を眺めていた。


「壁画を出品することはできませんが、イオナちゃんの作品をどこかの絵画コンクールに出したくなりますね」と、華ちゃん。


「それなら、オリヴィアのピアノもピアノコンクールに出せばいい線いくんじゃないか?」


「オリヴィアのピアノもいけると思います。

 コンクールとなると応募規定がありますから、絵や音楽の前にそこをクリアしなくてはなりません」


「うん?」


「日本の国籍を取ってしまえばどうとでもなると思います」


「それはそうだろうな。

 よし分かった。この際だから全員の国籍を取ろう。防衛省に頭を下げて全員日本人にしてもらおう。全員俺の養女にしてしまえば基本的に国籍は取得できるんじゃないか?」


「少々問題があっても、防衛省ならなんとかしてくれると思います。国籍があればパスポートも取れますから、みんなで海外旅行もできます」


「それもいいな。

 全員岩永姓か。岩永エヴァ、岩永キリア、岩永オリヴィア、岩永イオナ、岩永リサ。

 岩永オリヴィアだけ語呂が悪いがそこは仕方ないな。

 次の会議の時川村局長に頭を下げて頼んでみるとしよう」


「アキナちゃんは?」


「おっと、忘れてた。アキナちゃんは岩永アキナだな。一番日本人離れした容姿だが一番日本人的な名前だ。

 みんな、そういうことで、俺の養女になって日本人にならないか?」


 4人が顔を見合わせている。本人たちは年期の明けていない奴隷なので驚いているのかもしれないが、俺にとってはもう奴隷という感じじゃなくて家族だから実質的な差はないんだがな。


「ご主人さま、いいんですか?」と、エヴァが代表で俺に聞いてきた。


「俺はもちろんいいが、お前たち次第ということだ。

 俺の養女になりたくないなら仕方がないし、養女になれば日本人に成ることは容易だと思うが俺の養女にならなくても何とかなるとは思う」


「ご主人さま、おねがいします」


「「わたしも」」


「わたしもいいんですか?」。最後にリサが聞いてきた。


「もちろんだ。俺とそんなに年が離れてはいないが、養女ということでいいだろ?」


「はい」


 イオナは一心に絵を描いているし、アキナちゃんはまだ帰ってきていないのでこの後だ。


「岩永さん、いつものことですが、決めるの早いですね」


「善次郎さんらしいです」


 俺たちが話していたら、エヴァが作業中のイオナのところにいって今の話をした。


 そしたらイオナが筆を置いてわざわざ俺のところにやってきて、


「わたしもおねがいします」と言って頭を下げた。


「もちろんだ」


 イオナは安心したようで作業に戻っていった。



 それからしばらくしてアキナちゃんが大神官を連れて戻ってきた。神さまを俺の養女にすると言ったら大神官は魂消たまげるだろうと思ったのだが、


「そうですか。アキナさまにとって良いことでしょうからよろしくお願いします」と、頭を下げられてしまった。大神官も人間が丸くなったのかもしれない。


 そういうことで俺たちは、壁画を描いているイオナを残して屋敷の居間に転移した。




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― 新着の感想 ―
1人くらい(ご主人様のお嫁さんになれなくなるから)嫌だと言う娘がいるかと思ったのだが意外である。すでに華ちゃんによって洗脳済みか!?
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