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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第247話 美少女フィギュア3


 美少女フィギュアからゴーレムを作り、それを再フィギュア化してメタル美少女を作ろうとしたのだが、俺の目論見はことごとく失敗に終わり計画はとん挫してしまった。


 今回の試みの最終形態である溶けながら這いよる銀色のア〇カ・ラングレーは夢に出てきそうだ。最近やっていなかったが寝る前の金のサイコロ作りを再開してぐっすり眠らないと。


 失敗を胸に刻んだ俺は、一心同体のメンバーを引き連れて屋敷に戻り、約束通りアキナちゃんに美少女フィギュア2体を渡しておいた。おまけで銀色のア〇カ・ラングレーも付けようかと言ったら断られた。


 服を着替えた俺は、子どもたちと一緒にコタツに入って、オリヴィアの弾くピアノを聞きながらフィギュア美少女のことを考えていた。華ちゃんはピョンちゃんの相手を止めて今はオリヴィアの隣りに立って楽譜をめくっている。


 イオナは壁画のため神殿へ出かけているので帰ってくるのは夕食まえ。風呂は華ちゃんたちと一緒で食事の後になる。俺の隣りでは、服を着替えたアキナちゃんが美少女フィギュアで遊んでいる。美少女フィギュアは女の子のお人形といった感じではないのだが、関節がちゃんと動くのが面白いみたいでいろいろなポーズをさせていた。


 そうこうしていたら、エヴァとキリアがアキナちゃんを囲んだのでアキナちゃんと俺の間にキリアが座れるよう、俺は座っている位置をずらして空けてやった。


「しかしこの人形よくできておる」


「カッコいいよね」


「こっちのが着ている白い服を脱がしたいのじゃが、脱がせそうもない。これは服ではないのか?」


「なんか、くっ付いてるよね。人形の飾りなんじゃない。

 こっちの黒い上着に水着の人形なら簡単に脱がせそうだよ」


「じゃあ、脱がせてくれるかの」


「うん。

 あれ? 案外難しい。力を込めると破れそう」


「人形をバラバラにすればなんとかならんか?」


 何だか不穏な会話が聞こえてきた。オリヴィアの弾くピアノ曲も何だか不穏な曲(注1)になっている。


「やってみる。

 ……。

 脱げた!

 バラバラにしたら簡単に服が脱げたけど、これどうやって元に戻そうか?」


「どれ、わらわが元に戻してやろう。

 これが手じゃから、ここに突っ込んで」


「アキナちゃん、それ反対じゃないかな? 親指の向き逆だよ」


「そうじゃな。付け替えればいいだけじゃから簡単なのじゃ。

 うん? 腕がうまく抜けん。

 うーん。

 あっ!? 何か折れた。

 難しいもんじゃの。

 そろそろ、リサちゃんの手伝いの時間じゃからわらわは台所にいくのじゃ」


「アキナちゃん、これどうするの?」


「そこに置いておけば、そのうち直っているような気がするのじゃ」


「そんなことあるのかなー。

 わたしも台所にいく」


「わたしも」



 3人がコタツを出て台所に駆けていった。コタツの上に残されたのは、プラグスーツの美少女フィギュアと、マッパでバラバラになったままの美少女フィギュア、それにミカンの入ったカゴだった。オリヴィアもピアノを止めて部屋を出ていったので華ちゃんが代わってグランドピアノを弾き始めた。華ちゃんの弾く曲(注2)はどこかで聞いたことがあるのは確かだが曲名は例のごとく全く分からなかった。


 華ちゃんのピアノ演奏の中、マッパのバラバラフィギュアがあまりにもかわいそうだったので、回収して新品を1体出しておいた。結局アキナちゃんの願望が実現してしまった。まっ、いいか。


 そろそろ風呂に入る時間だな。


 ……。


 俺は、風呂から上がって子どもたちに手がいたら風呂に入るように言って居間に戻ってコタツに入り、またあの這いよるフィギュアのことを考えてしまった。


 構想だけは良かったんだよな。来週防衛省にいったらフィギュアの顛末を話さないわけにはいかないものな。いっそのこと、こんなのできましたと、フィギュアからもどした這いよるフィギュア美少女をあのテーブルの上においてやろうか。アレが誰かの性癖にぐっと突き刺さるかもしれないしな。アレが突き刺さる性癖の人物には引くけど。


 そうこうしていたら、アキナちゃんを先頭に子どもたちが風呂から上がってきた。華ちゃんはピアノを止めて4人の髪の毛を乾かし始めた。


 髪の毛を華ちゃんのドライヤー魔法で乾かしてもらいながら、アキナちゃんがコタツの上の修理済みのフィギュアを見つけて、


「ほーら、わらわの思った通り人形が元通りに直っておったのじゃ」


「あー、ホントだ」


「アキナちゃん、スゴーイ」


「さすがは、アキナちゃん」



 アキナちゃんのニマニマ笑いを見て、俺は何も言わなかった。というか、言えなかった。


 髪の毛の乾いた子どもたちは夕食の手伝いに居間から出ていった。


 その後、神殿から馬車で送られてイオナが帰ってきて、はるかさんも居間に帰ってきた。


 それからすぐに、夕食の準備ができた。と、エヴァが知らせにきてくれたので、みんなで食堂に向かった。



注1:

オリヴィアの弾いていた不穏な曲

サティ:グノシエンヌ第1番

https://www.youtube.com/watch?v=CiuIap2BJJ8


注2:

華ちゃんの弾いていた曲

リスト:ラ・カンパネラ

https://www.youtube.com/watch?v=xB_t1arBmmc



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― 新着の感想 ―
[一言] 今年もよろしくお願いいたします。
[一言] よいお年をお迎えください。
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