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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第196話 正解3


 休憩を終えた俺たちは、6車線道路を進んでいった。


 15分ほど何ごともなく進んでいったところ、また前方正面に壁が見えた。これまで壊した2つの壁はタダの壁に見えたが、正面の壁の前には巨大な人型の像が立っていた。像の高さは天井までの間隔から言って20メートルほど。


 流れから言って、ゴーレムだろう。中身は分からないが少なくとも見た目は真っ黒な石でできた立像だ。


 俺のラノベとゲーム知識(けいけん)からいうと、こいつを斃せば最終ボスが現れるはずだ。


 俺は如意棒を構え直して、キリアはフレイムタンと丸盾を構え直した。


 華ちゃんの右肩の上に止まっているピョンちゃんはおとなしくしている。ということは華ちゃんの魔法で感知できないような危険は差し迫っていないと考えていいだろう。


 真後ろを振り向くと、アキナちゃんがニコニコして歩いていた。こっちも心配ないな。


 さらに進んでいくと正面の立像がはっきり見えてきた。ゴツイ全身鎧を着ているというか彫り込まれている。フルフェイスのヘルメットのバイザーの奥は真っ暗で何も見えない。ヘルメットの頭頂部には飾りの房が付いていた。


 立像は切っ先を床に付けた大剣の柄を両手で持って支えている。大剣の剣身の長さは10メートルは超えている。



 俺たちは立像の手前50メートルほどで立ち止まって、


「こいつが動き出す前に片付けた方がいいな。

 華ちゃん、さっきのグラビテーノバでやっちゃってください。

 おそらくこいつは中ボスだ。一撃で倒せない可能性があるから、その次のことも考えておいてくれ」


「はい。

 いきます」


「華ちゃん、ちょっと待て。念のためじゃ、わらわが華ちゃんを祝福してやる。

 一時的じゃが、さらに威力が5割増しになるはずじゃ。

 祝福!」


 うっすらとだが金色の何かが華ちゃんを取り囲んだ。山吹色やまぶきいろのオーバード……、いやオーラというやつかもしれない。すぐにオーラは消えてしまったが、ちょっとカッコよかった。


「いきます。グラヴィティーノヴァ!」


 俺の懸念をよそに、華ちゃんの言葉が終わった瞬間、目の前の巨像は跡形もなく消えてなくなり、床に残骸となって落っこちて薄くホコリが舞い上がった。


「あれ? 中ボスじゃなかった?」


 巨像は粉々になったが、その先の壁は少しえぐられた程度で健在だ。壁の向こうにまた同じように通路が続くかもしれないが、これが延々と続くようだとちょっと嫌だぞ。


 そう思いながらも、壁に向かって歩いていたら、立像の残骸の小山がフィルムを逆再生するように上に向かって落ちていくように浮き上がっていった。


「何だ、何だ?」


 見ている間に、残骸が集まっていき、人型を作り始めた。


「こいつ再生してる。

 完全再生する前に、華ちゃん、さっきのを!」


「はい。グラヴィティーノヴァ!」


 人型は完全再生される前に、粉々になってまた床の上の小山になった。


「さすがは中ボス。一撃ではだめだったか。

 こいつが再生しないよう、アイテムボックスに収納してやろう。素材ボックスに突っ込んでおけばそのうち無くなるからな。収納」


 目の前の小山を収納してやったら、すっきりした。


「岩永さん、像の立っていた床に穴が開いています」


 小山を収納する時、瓦礫が床下の穴の中にまでに崩れていたことは感じていたので、ちゃんとお掃除しておいたのだ。穴は階段状に凸凹しているようだったので、実際、階段なのだろう。


「階段だ。

 用心して下りよう」


 みんなが階段の降り口に立ったところで、華ちゃんが念のためデテクトアノマリーとデテクトライフ階段に向かってかけたが、これまで通り何も異常はなかった。


「このままの隊形でいいな」


 俺、華ちゃんとキリア、そしてアキナちゃんの順で階段を下っていく。底は全く見えない。嫌な予感がする。


 それでも、進まないわけにはいかないので、ときおり華ちゃんがデテクトアノマリーとデテクトライフをかけるだけで、俺たちは無言で階段を下っていった。


「もう200段は下りたな。

 キリアとアキナちゃんは大丈夫か」


「大丈夫です」「わらわも大丈夫じゃ」


「念のため、華ちゃんみんなにスタミナをかけてくれるか」


「はい、スタミナ」


 華ちゃんが順にみんなにスタミナをかけてくれた。俺もそこまで疲れていたとは思っていなかったが、スタミナをかけられて一気にリフレッシュしたところを見るとそれなりに疲れていたようだ。


「そう言えば、アキナちゃん、今の華ちゃんのスタミナは効いたか?」


 アキナちゃんには魔法が効かないので確認したところ、


「もちろん、効かなかったが、心配は無用じゃ」


 ヒールポーション(極)あらためエリクシールが効いたから、ポーションなら効果がありそうだ。


「アキナちゃん、スタミナポーションだ。これならアキナちゃんにも効くかもしれない」。アキナちゃんにスタミナポーションを渡しておいた。


「すまんのう」


 俺の渡したスタミナポーションを一息で飲んだアキナちゃんは、


「おっ! 体が急に軽くなった。効いたようじゃ」


「やはりポーションは効くんだな。

 空き瓶は俺がもらっておこう」


 そういえば、今の俺の錬金術はアキナちゃん効果で5割増しの効果があったはずだから、さっきのスタミナポーションはかなり高級なスタミナポーションだった可能性がある。


 アキナちゃんに祝福してもらってエリクシールを作ったらかなり楽に作れそうだ。少なくとも1本は持っていたいから早いうちに作っておこう。


 アキナちゃんの空き瓶を仕舞って、俺たちは階段下りを再開した。



 華ちゃんの計数情報によると結局階段は300段だった。階段を下りた先は偽第2階層と同じ深さだ。とはいえ、ここはダンジョンの中なので、実際あの階層と関連があるかどうかは全く分からない。いちおう俺はマップを起動しておいたが、もちろん全くのサラ状態(・・・・)だった。


 そしていま、俺たちは華ちゃんのデテクトアノマリーとデテクトライフできれいなことが確認された石室の中にいる。



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