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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第191話 依頼。


 俺が石から蘇生させた神殿の御子はのじゃロリだった!


 そののじゃロリが蘇生の礼を言った後、自分に石化の呪いをかけた大元おおもと、魔神の眷属の討滅を俺に頼んできた。


 名まえからして、どう見てもとんでもない強敵だろう。それでも俺は、すぐに断ることはせず、まずは疑問に思ったことを聞いてみることにした。


「魔神の眷属はどうして呪いとかまどろっこしいことをしたんだろう?」


「わらわは、直接的には害せんのじゃ。そのため、わらわを石にしてわらわの力を弱め、力がなくなってしまうのを待っていたのじゃ」


「なるほど。それで、魔神の眷属の居場所の当ては?」


「これはわらわの想像かんじゃが、南のダンジョンの中に潜んでおるとみておる。

 なんとなれば、そ奴が南のダンジョンの場所を神殿われらに教え、その最下層に棲む鳳凰フェニックスの羽根が石化の呪いを解くことのできる唯一の薬、エリクシールの素材だと神殿われらに教えたのじゃ」


「しかし、その話を聞くと、魔神の眷属は鳳凰フェニックスの羽根が欲しくてそんなことを言ったような気もするが。しかも命の期限を区切ったことで、神殿も焦らないといけなくなるだろ?」


「うん? ……。

 確かに。わらわが石にされた理由の可能性はあるの。じゃがわらわの想像かんはよく当たるから魔神の眷属の居場所はまず間違いなく南のダンジョンなのじゃ」


 そこで、応接室の外からエヴァの声がした。


『お茶をお持ちしました』


「どうぞ」


 お茶をワゴンに乗せたエヴァが一礼して応接室に入ってきて、御子、大神官、俺の順にお茶を出していき、最後に一礼して部屋を出ていった。よく最初に御子にお茶を出したものだ。


「このお茶はおいしいな。香りも良い」


 エヴァの出したお茶を口にしたのじゃロリが、お茶を評した。お茶の香りなど気にしたことのない俺よりはお茶が分かるようだ。


 そう言えば以前コーヒーをセットで買ったが出すのを忘れてた。次回がもしあるようならコーヒーを出してやれば面白いかもしれない。


「南のダンジョンは今となっては俺のダンジョンだから、妙な奴が隠れ住んでいたらそいつを斃すことはやぶさかじゃないけど、かなり時間はかかると思うぞ」


「わらわも手伝うからそ奴を見つける時間はかなり短くなると思うぞ。ということじゃから、よろしくな」


「えっ? 手伝う?」


「わらわが、ゼンちゃんの『一心同体』とかいうパーティーに入ってダンジョンを踏破するのじゃ。さすればわらわを石にした輩も斃すことになるじゃろ?」


 のじゃロリの言っていることはその通りなのだが、キリアよりも小柄な子どもを連れ歩くのは危ないし、そもそも目の前の子どもが何かの役に立つとはとても思えないのだが。


 のじゃロリの隣りに座る大神官じいさんは目をむいているが、それでも口を挟まず黙っている。


「うちのパーティーに入ると言っても、のじゃ…、いや御子のあんたに何かできるとは思えないんだが」


「わらわの名はアキナじゃ。これからわらわのことをアキナちゃん(・・・)と呼ぶことを許してやろう。

 ゼンちゃんの心配はもっともじゃが、わらわは神なのじゃ。神とはな、奇跡を起こせる者のことなんじゃよ。そう簡単に奇跡は起こせんのじゃがな」


 このアキナちゃん、子どもなのでもちろん悪人ではないのだろうが、やけに口が達者なのだ。



 まっ、一人くらいパーティーメンバーが増えてもいいか。華ちゃんがほとんど敵を倒すし、キリアも一人で大丈夫だ。俺がこの子の面倒を見ればなんとかなるっしょ。


「わかった。明日からでも一緒に南のダンジョンにいこう」


「ゼンちゃん、ありがとう。わらわを仲間に加えたことを後悔させることは決してないからの」


「期待してるよ。明日の朝、9時ごろ迎えに行くよ。アキナちゃんが石にされて寝てた部屋に迎えに行くから、そこでそれらしい格好をして待っててくれ」


「了解じゃ」


「大神官さん、アキナちゃんのことは、そういうことでいいんだな?」


「よろしくお願いします」


「あと、勇者たち3人のことだけど、明後日の朝8時に迎えにいくから」


「了解しました。

 アキナさま、お話はこれでよろしいですか?」


「そうじゃな。

 ゼンちゃん、明日を楽しみにしておるぞ。

 それじゃあ、失礼する」


 アキナちゃんと大神官が部屋を出ていったあと、馬車に乗り込むのを見送り、門を閉めて居間に戻ったら、華ちゃんが、


「大神官さんがいたようですが、どういった話だったんですか?」


「神殿で石にされていた御子が大神官を連れてその時の礼にやって来たんだ。

 それで俺たち一心同体に、自分を石にした魔神の眷属とやらを斃してくれと頼みこんできた。魔神の眷属の居場所のあては、南のダンジョンのどこかだろうという御子の勘だけだ。ついでに、御子は自分も俺たちの一心同体に入って手助けしたいと言ってきた。見た目全くの子どもだから足手まといになるとは思うが、2、3日一緒に行動して役に立つようならそのままでいいし、ダメなら本人も自覚するだろう」


「分かりました」


「連れていくのは明日からな」


「いつも変わらず急ですね。岩永さんですからいいんじゃないですか」


 俺だからいいというのはよくわからないが、華ちゃんの許可もでたので、あとはキリアの許可だけだ。



 その日の昼食時、キリアにも新しいメンバーのことを告げておいた。キリアは頷いて、


「いっしょにがんばります」と、言ってくれた。




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― 新着の感想 ―
[一言] すぐにグルメすぐにバトル、良い話なれないよ………
[良い点] キリア良い性根ですね、きっとダンジョン内でののじゃっ娘のいい話し相手になりそう、こうなると、華ちゃんの仲良し話相手が、必要か?要らないか?なんか特殊な事情持ちくさいからなぁ
[良い点] 依頼受ける理由だけど 暇つぶし? 生き残ることに関してはトップクラスの能力者だから危険と思ってないし どうせ潜るのならイベントある方が張りがあるとかそういう感覚? 金なら腐るほど持ってる…
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