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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第186話 プール開き。


 翌日。


 今日は、プール開き兼バーベキュー大会だ。


 朝の一連の作業が終わり、子どもたちも配達から戻ってきた。


 プールには更衣室を設けていないので、10分くらい俺だけ屋敷に戻って着替えて帰ってこようと考えていたのだが、最初からみんな水着で楽園のプールに跳んでいこうということになった。


 今現在、居間の中に全員集合しているが、全員水着だ。俺以外全員バスタオルを体に巻いていた。解せぬ。華ちゃんと子どもたちは頭にキャップを被っている。華ちゃんのは白いキャップで、子どもたちのは黒だ。


 水着を選ぶ際、あわやブーメランを選ぶところだったが、ブーメランを選んでいたら俺までバスタオルだった。ブーメランじゃなくてホント正解だったぜ。


 各人の荷物は俺が預かっているので、全員手ぶらだ。生きた貝の入ったトロ箱は先に最初に転送して、その後全員を連れて転移だ。


 あまり早く跳んでいってしまうと、昼食のバーベキューまで時間が空きすぎるので、居間で時間を潰している。時刻は10時少し前だ。


「よーし、それじゃあ出発するぞー」


 みんなの手が俺の手を持ったことを確認して俺は楽園の真ん中に跳んだ。


 そこで、ピョンちゃんと合流して再度プールの脇に跳んだ。



「うわー」「すごい」「さすがはご主人さま」



 子どもたちがプールに見とれているあいだ、俺は先に転送していたトロ箱をバーベキュー予定地近くに移動させ、ビーチチェアを8つ並べていった。預かっていた荷物は、どれが誰の物か覚えていなかったので、まとめて手前おれのビーチチェアの上に置いた。


 ビーチチェアは手前から、俺、イオナ、キリア、オリヴィア、エヴァ、華ちゃん、はるかさん、リサの順になり、各自が自分の椅子に荷物を置いた。



 プールを見るといい塩梅にまわりが崩れて、底に向かって斜面ができていた。斜面は崩れただけなので緩いから足が嵌ってしまう可能性もあるのでそこは注意する必要がある。そう思って俺が試しに水の中に入っていったら、思ったほど緩くはなかった。これなら大丈夫だろう。


 それでも、注意して悪いことでもないので、


「こっちのプールは浅いから湯舟が深くなったくらいだ。周りの土とか砂は緩いから足元には気を付けろよ」


 ついでに、


「泉の方は深いからまだいかない方がいいぞ。

 水に入る前には準備運動だ」


『準備運動』と言ってはみたものの、真面目な準備運動など知らないので、適当に体を動かしていたら、みんなもバスタオルを体に巻いたまま適当に体を動かし始めた。子どもたちのバスタオルは早々に外れて地面に落ちてしまったが、華ちゃん以上の3人はきっちりバスタオルを体に巻いていたようで、外れることはなかった。


 子どもたち4人はみんな同じ形のいたって普通の黒いスク水で太ももまで隠れている。


 適当に準備運動も終わったようで、華ちゃんたちもバスタオルを取った。


 華ちゃんの水着は、子どもたちと同じく太ももまで隠れた水着だった。競泳用の水着らしく何となく生地が薄い? 色は白。まさに眩しいシロである。ピョンちゃんはその華ちゃんの肩の上ではなく今は白い帽子の上に乗っている。


 リサは、おとなしめの花柄のワンピースの水着だった。子どもたちは別としてこっちの世界の女性がいきなり現代風水着を着て人前に出るのはかなり抵抗があったことが十分うかがえる。


 はるかさんは、ただ一人セパレートタイプのいわゆるふつーの水着で腰にパレオとかいう布を巻いていた。色は明るい赤なので、目立つという意味では目立つ。何がとは言わないが一番大きなものを装備されていらっしゃった。


 女性の水着を見て何か気の利いたことが言えればいいが、妙なことを口走るよりなにも口にしない方が何倍もいいので、俺は黙ってビーチボールやビーチマットに、足踏みポンプで空気を入れていった。


 これが結構大変で、なかなか空気が中に入っていかない。試しに空気を転送できないかやってみたが、どうも空気というか気体は認識が上手くできないようで、うまくいかなかった。


 仕方なく俺は脚を動かし続けることにした。1つ空気を入れてしまえばそれをコピーするだけだから、後は簡単だ。


 子どもたちは俺の方を見ていたが、遊びより水泳の授業が先なので、華ちゃん先生に引率されて、ゆっくり水の中に入っていった。



 楽園の中は明るいのだが、太陽が照っているわけではないので日焼けなど望めない。それでもはるかさんはさっそく自分のビーチチェアに寝そべって目を瞑っていた。雰囲気的には眠っているようにも見える。


 毎日街歩きしているから、疲れているのかもしれない。はるかさんが街歩きする時は、出がけにはスタミナポーションを持たせた方がいいかもな。



 華ちゃんに連れられてプールの中に入った子どもたちは、まずは水に顔を浸けていた。泳ぎの第一歩は水に慣れることだものな。


 しばらく顔を水に浸けていたのだが、今度は水に顔を浸けたまま、背中と膝を丸めたようだ。4人の背中がぷかぷか浮いている。両手は膝を抱いているようだ。その横で華ちゃんが、


「1、2、……、10。はい!」


 10まで数えたところでみんなが立ちあがって、


「「フー」」と、息をしていた。


 それを4、5回繰り返したあと、今度は丸めていた背中と膝を伸ばして、ついでに両手も前に伸ばした。


 オリヴィアとキリアはだんだん脚が沈んでいって体が斜めになってしまったが、エヴァとイオナはまっすぐ体を浮かせることができたようだ。


 これも、1から10まで数えてを4、5回繰り返した。結局オリヴィアとキリアはうまく体を伸ばせなかったようだ。おそらく俺もできないと思う。


 華ちゃんは、これで見極めをつけたようで、エヴァとイオナには、今度は仰向けになって体を伸ばすよう指導したようだ。


 オリヴィアとキリアはうつぶせのまま体を伸ばすことに再挑戦させている。


 うつ伏せでも仰向けでもちゃんと水に浮いて体を伸ばすことができれば、後は手足を動かして息継ぎをすれば立派な水泳だ。よく考えれば、ほんの10分水に入っただけなのにすごい上達だ。華ちゃんのコーチング能力はピアノと国語だけではなかったようだ。



 大物のビーチマットに空気を注ぎ終わった俺は、子どもたちの進歩を見とれているわけにもいかないので、バーベキューセットのセッティングに取り掛かった。とは言っても包装から取り出して簡単に組み立てて炭を入れておくだけだ。網には油を塗ってくださいと書いてあったので、食油を浸した布を網の上に乗っけてそれを動かして油を塗ってやった。


 椅子付きの簡易テーブルは4人用なので、それを2つ組み立てて並べて出来上がり。バーベキューを焼くとき近くにテーブルがないと不便なので、テーブル用に鉄板をコの字型にしたものを作ってやった。下からあぶれば、これはこれでお好み焼の鉄板になりそうだ。


 リサが下ごしらえした食材は大皿の上に並べていたのだが、大皿ごと収納しておいたのでそれを鉄板テーブルの上に並べ、地面に置いていた生きた貝類の入った発泡スチロールのトロ箱もその上に置いておいた。


 大皿にはナスビ、アスパラベーコン、ピーマン、シイタケのようなキノコ、コーンといった野菜が山盛りにされている。


 肉類もそろそろ漬け込んだ方がいいと思い、種類ごとにボウルの中に入れて、上からタレをとぼとぼかけてやった。といっても、タレをかけたのは結局カルビだけで、タンにはかけなかった。




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― 新着の感想 ―
[一言] 子供産めない主人公
[気になる点] 浮き輪みたいなのか、もしくは、ビート板?みたいなのが有れば子供達の泳法習得率が上がりそう
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