第171話 風呂場のハプニング
誤字報告ありがとうございます。
ポロリといえばポロリかも?
結局、人〇ゲーム第1戦の結果は、エヴァ、リサ、キリア、オリヴィア、はるかさん、イオナの順となった。俺は終始イオナについていたのだが、華ちゃんはエヴァ、リサ、キリア、オリヴィアがマスを移動するたびに、マスに書いてある指示を説明していた。
第2戦は、はるかさんが抜け、俺が新規参入した。
結果は、なぜかイオナの時とほとんど変わらない展開で、結局俺が最下位。エヴァ、リサ、キリア、オリヴィア、イオナ、俺の順で基本的な順位変動はなかった。
第2戦が終わったところで、かなりいい時間になっていたので、
「そろそろ風呂に入って、夕食を待とう」
「「はーい」」
各人風呂の準備をして、大浴場に向かった。今日は浴場の男女が逆になっていた。
入り口で女子たちと分かれ、男湯に入ると、数人脱衣室にいて、頭を乾かしたり、服を着たりしていた。
俺はさっそく裸になってタオルを持って風呂場に入っていった。こっちの風呂場も基本的な作りは昨日の男湯と同じだったが、正面ガラス壁の向こうには露天の岩風呂があった。ガラス壁の脇の扉から出入りできるようで、露天風呂の周りは当たり前だが板塀のようなもので囲われていた。
掛湯をして、ガラス窓の内側の一番大きな岩風呂に肩まで入りある程度温まったところで、露天の岩風呂に移動した。温まった体に外の気温はちょうどよかった。
おっさんが岩風呂の先に進んで、何やらボタンのようなものを押したら、少し上の方からお湯がジャーと小さな滝のように流れ落ちてきた。その滝を肩に当てたり、脳天に当てたりして実に気持ちよさそうにしている。おっさんが終わったら俺も試そう。
おっさんの肩に落ちていた滝が止まったので代わってもらおうと思って立ち上がったら、今度はおっさんの近くで湯に浸かっていた、小学生くらいの子どもがおっさんの代わりに滝に打たれ始めた。こういうこともあるさ。
子どもの肩に落ちる滝の勢いが落ちてきたところで、そろそろかなと思ったら、その子がまたボタンを押した。子どものやることだから、それは仕方がない。だいたいボタンを1回押すと滝は30秒ほど続くようだったからしばしの辛抱だ。
また、滝の勢いが弱まったのでそろそろかと思ったら、露天への出入り口が開いて、子どもが外に出てきて、「おにーちゃーん」といって、風呂の中を滝に打たれている子どものところにどぼどぼ歩いていった。
「これ面白いから、翔太もやってみろよ」と言って、お兄ちゃんが弟に場所を代わってやり、ボタンを押した。
流れ落ちてくる滝に打たれ弟くんは嬉しそうにしている。仕方ないな。こういうこともある。
俺は、立ち上がって露天から館内に戻って、洗い場に向かった。
体をきれいに洗い、再度肩まで湯に浸かった俺は、今日もサウナだ。
気が付けば、先ほどまで露天にいた子どもたちも風呂から上がったようで、俺以外風呂場の内外に人はいなくなってしまった。
大浴場を独り占めしたと思ったのだが、サウナに入ると2人先客がいた。二人とも体中から汗を噴き出して、顎からは汗がポタポタ落ちている。5分程度ではここまでにはならないだろう。
室温は95度で昨日と同じだ。ここで俺はちゃんと時間を確認した。おっさんたち程度汗をかくよう、せめて5分は頑張るぞ。
おっさんたちが上の段に座っていたので、俺は手前の一段下に腰かけた。
12分時計の秒針がゆっくり回っていく。
1分は問題なく過ぎて、2分経過した。俺の体からも汗が噴き出てきた。奥に座るおっさんたちほどではないが顎からもポタリと腰に懸けたタオルの上に落ちた。
3分経過したところで、頭や額から流れた汗が顎に流れて、顎からポタリポタリと汗が流れ落ち始めた。太ももからも汗がだいぶ噴き出てきた。
あと、2分、いやあと3分だ。
最後の30秒は確かに滝のように汗が流れ出てきた。今日のビールはうまそうだ。
何とか6分耐えきった俺はとっととサウナ室から出て一度掛湯をして岩風呂に浸かった。
おっさんたちは何分入っているのか知らないが、頑張っているようだ。
俺は湯の中に肩まで浸かって100までゆっくり数えて湯から上がり、軽く体をタオルで拭いて浴場から出ようと思ったのだが、サウナの二人のことが気になった。二人はまだ出てきていないが、1から100まで数えるのに3分はかかっているから、俺がサウナから出て4分近く時間は経っている。
少し心配になってサウナの窓から中をのぞいたら、一人は前かがみ、もう一人はそっくり返って壁に寄り掛かっていた。
マズい!
俺はすぐにサウナの中に入って、まずはそっくり返ったおっさんに声をかけたが反応はない。もちろんもう一人も反応がなかった。
二人とも気絶している。肌もかなり赤くなっているので火傷している可能性もある。肩に手を当ててみたところビックリするほど熱かった。
マズい! 二人ともかなり体格がいいので簡単には運び出せそうもない。
そうだ! 意識を無くして瀕死なら俺のアイテムボックスに収納できるはずだ。
「収納!」
おっさんたちを収納しようとしたが、ダメだった。心臓まで止まっていないと駄目なようだ。
とにかく早く二人をサウナから連れださないといけないので、俺は、手前のおっさんの両脇に両腕を入れて引きずることにしたのだが、おっさんの体は相当熱くなっているし、汗もだいぶ渇いてきている。汗が少なくなったおかげで滑ることなく最初のおっさんをサウナの外に出すことができたが、扉を俺の尻で押し開けたので、尻が火傷したかもしれない。
その後二人目を同じように引きずり出して、最初のおっさんの隣りに並べて寝かせてやった。
まず、二人目のおっさんの口にヒールポーションを突っ込んでやった。マウスツウマウスが本当は良かったのだろうがちょっと遠慮した。それでもおっさんはヒールポーションを何とか半分くらい飲み込んだようだ。これで一安心。
赤くなっていた肌の色もだいぶおさまって、呼吸も安定してきた。
もう一人のおっさんにも同じようにしたら、こちらも何とかなった。俺は、自分の尻がひりひりしていたのでヒールポーションを飲んでおいた。
フー。こうしてみると、華ちゃんのヒールは優れてるよな。ポーションだと何とかして体の中に入れる必要があるが魔法ならそんな必要ないものな。
おっさんたちは目覚めなかったが、呼吸も落ち着いているようだし、これで大丈夫だ。旅館のフロントに連絡しておけば後は適当に対応してくれるだろう。
ということで、俺は裸のおっさん二人を残して風呂場を出てすぐに備え付けの電話でフロントを呼び出して事の次第を告げておいた。




