第170話 ゲーム3
出た目の数だけ自動車を進めたら、『ここでストップ。1-4がでたら会社員コース、5-8がでたら専門職コース、9がでたら無職コース、10がでたらニートコース。
その後もう一度ルーレットを回す』
と、あった。
「イオナ、ここはしっかりルーレットを回すんだぞ」
どうも俺がルーレットに手を出すと変なところに止まるので、ここはイオナに任せることにした。
悪い予想というものは不思議とよく当たる。
イオナが回したルーレットは10で止まり、ニートコースだ。ニートと無職の違いは、無職の場合、職業訓練マスが数個あり、そこで無料の職業訓練を受けることで専門職コースに編入可能なことと、アルバイトマスに止まればある程度収入がある。ニートの場合、職業訓練マスもなければアルバイトマスもない。ニートコース内でどこかで止まれば最低でも500ドルふんだくられる。人〇だよな。あまりひどいようだとトラウマになるかもしれないぞ。
それでも、手持ち資金がなくなれば、無尽蔵に赤い約束手形1枚と引き換えに2万5千ドルが手に入るので、優しい世界ではある。ちなみに、会社員コースは緑色。専門職コースは青色、無職コースは黄色、ニートコースは灰色で色分けされている。
次のルーレットで3以上出せば、ニートコースから一般コースに復帰できる。この時イオナは赤い約束手形1枚と、1万5千ドルが手元にあった。
そして、イオナがルーレットを回した。
出た目はピッタリ3。脱出成功。
『ニートコースから来た人は、ここでストップ。社会復帰おめでとう。お祝いにみんなから1000ドル貰う。もう一回ルーレットを回す。1-4がでたら会社員コース、5-8がでたら専門職コース、9-10がでたら無職コース。それぞれのスタート地点で再出発』
まだ完全に社会復帰できていなかったようだ。
これで、イオナはみんなから1000ドル、合計5000ドル手に入れ、約束手形1枚と2万ドルとなった。
そして、完全な社会復帰をかけた、運命のルーレット。
イオナの顔が真剣だ。トップを走るエヴァは20マスほど先を進み、既に結婚して子どもが二人もできている。手にする資金は6万ドルを超えていた。イオナにとっては、誰かの結婚祝いの3000ドル、子どもの出産1人につきお祝い500ドルが痛い。
出た目は6。これで、専門職コースのスタート地点に。
『専門職コース。
ルーレットを回して出た目により、それぞれのカードを持つ。
1-2で医者、3-4で弁護士、5-6で建築家、7-8でエンジニア、9-10で小説家』
再度、イオナがルーレットを回し9が出たところで、小説家のカードをイオナが手に入れた。ここも何だか嫌な予感がする。
みんなが順にルーレットを回していく。
その間にお祝い金関係で1万5千ドルが消えていた。イオナの手元には約束手形1枚と5千ドルが握られている。
そして、イオナの番になった。
ルーレットの目は6。自動車を進めて、マスを見ると、
『インターンになり月給500ドル。専門職コースで止まるたびに500ドル貰える』
小説家のインターンということは有名な作家に弟子入りしたということか? 小説でメシを食うのは並大抵のことじゃないが、どこかで副業コースでもあるのだろうか?
それでもなんとか定職に付けたようだ。月給と言っているが月500ドルなら小遣いだな。それでも定職があるのはありがたい。きっとインターンを卒業したら、バリバリ稼げる小説家になるはずだ。
先頭を走るエヴァは相変わらず好調で、既に10万ドルの資産家だ。その後を、リサ、キリア、オリヴィア、はるかさんの順で、1位のエヴァと5位のはるかさんの差が12マスほど。はるかさんとイオナとの差は15マスほどある。
人生は一度きりかもしれないが、ゲームはやり直しがいくからな。
おっと。ここで弱気は禁物だ。
前を走る5人がそれぞれ進んで、なにがしかのイベントでお金を増やしている。
イオナの自動車から5マスほど先に、『小説家のカードを持っていると、新人賞受賞。賞金5万ドル。プロ作家としてデビュー。6マス進む。
小説家以外の職業カードを持っていたら、学会費3000ドル支払い6マス進む』とあった。
イオナ、絶対に6を出すんだ。6じゃなくても1-5ならチャンスは残る。
これを口に出してしまえばイオナが緊張するかもしれないので、俺は黙って、ルーレットのつまみを持つイオナの指先に注目した。
ジャー。
ルーレットの止まった数字は6。ヤッター!
「イオナ、やったぞ!」
「はい!」
5万ドル手に入り、赤紙を返してイオナの資金は3万ドル。
6マス進んだところで会社員コース、専門職コース、無職コースが合流していた。マスに書いてあったのは『結婚。みんなからお祝い3000ドル貰う』
人数が多いともらう金額が多い。これで合わせて1万5千ドル。合計4万5千ドル。ここからが勝負だ!
……。
内容は日本仕様だがお金の単位がドルなのでシビアさが薄れているのかもしれない。
そこから先は、みんな浮き沈みのある人生を送ったが、全員なんとか開拓地いきは免れたようだ。1位はやはりエヴァだった。これといった理由はないのだが、この系統はエヴァが断然強い気がする。




