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岩永善次郎、異世界と現代日本を行き来する  作者: 山口遊子


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第122話 木内はるか3


 ポーションを載せたコンテナ台車が会議室を出ていったあと、


「そうそう、先週木内さんがニューワールドの岩永さんの屋敷にうかがった際、屋敷内を案内していただいたそうで、そこから屋敷をこういった形で近代化してはどうかというレポートをいただきました。

 これが、そのレポートです」


「すみません、岩永さんの許可を取ってからの方がよかったんですが、早い方がいいかなと思いまして」と、ひとこと木内さん。


 いちおう頷いて、コピー用紙数枚に印刷されたレポートを川村室長から手渡されたので華ちゃんと一緒に中身を読んだ。


 レポートの中には、


 ジーゼル発電機と大型電池、軽油タンクの設置。配電盤などを設け屋敷内に本格的配線。


 井戸に電動ポンプを据え付け屋敷内に配管。


 トイレの水洗化、大型浄化槽設置。


 台所、風呂のガス化。


 などについて細かく書かれていた。


「すごい」と、ひとこと華ちゃん。


「それでよろしければ、それほど大変な作業ではないようですので、施設部隊の隊員と作業機械、資材の運搬を岩永さんの都合の良い日にでも行なっていただければ、すぐにでも作業に取り掛かれます。

 初日午前中は測量等の下準備。午後から資材の手当。翌日から工事開始できます。もし小型でも建機が導入できれば工事自体は2日、全部で3日もあれば完了します」


「ここまでやっていただけるのでしたら十分です。

 敷地の広さの関係であまり大きな機械は使えないと思いますが、小型建機なら大丈夫です。

 わたしの方はいつでもいいので、自衛隊の方で準備が整ったら連絡してください」


「いくらでもポーションがでてくるので、もしやと思っていましたが、やはりそうでしたか。

準備は1日で可能ですから、明後日、そうですね、ここの正門手前。階段を上った先の駐車場に午前9時ではいかがでしょう?」


「階段の先の駐車場に明後日9時。了解しました。

 それでは、木内さん、いきましょうか。

 荷物はそのままでもいいですよ。ここからでも収納出来ますから」


 はるかさんのスーツケースをアイテムボックスに収納し、華ちゃんと木内さんが俺の手を取ったところで、


「それでは失礼します」「「失礼します」」


 ひとことあいさつして俺たちは屋敷の居間に転移した。



「ただいまー」「ただいま」「おじゃましまーす」


 これで屋敷に客を連れ帰ったことは伝わっただろう。


 華ちゃんの今日の格好は昨日デパートで買ったお出かけ用の上下だったので普段着に着替えるといって居間を出て2階に上っていった。


「それじゃあ、はるかさん、部屋に案内します」


「よろしくお願いします」


 はるかさん用の部屋は先週用意しているのでスーツケースを運び入れるだけでいい。いちおうはるかさんの部屋にもコードを引っ張って、タップとスタンドだけは置いている。エアコンはないがそこは我慢してもらうよりない。自衛隊がやってきて屋敷を近代化改装してくれたらエアコンも各部屋に取り付けられるだろう。


 ということなので、はるかさんを2階に用意した部屋に案内して、スーツケースを部屋の床に置いた。


「この部屋です。何もありませんが自由に使ってください」


「電気コードがある!」


「エアコンはありませんがね」


「いちおうノートパソコンを持ってきたので助かります」


 資料の整理やレポート作りには必要だよな。


「荷物の片付けが終わったら居間に下りてきてください」


「10分ぐらいしたら、下りていきます」


 俺は、はるかさんを置いて先に居間に下りていった。



 子どもたちはリサの手伝いで、屋敷の内外の掃除をしてるようで俺にでくわすと「ご主人さまおかえりなさい」と元気よくあいさつしてくれる。


 リサは昼食の準備中のハズだが3人分のお茶をお盆に乗せて運んできてくれた。


「ご主人さま、お帰りなさいませ」「ただいま。お茶ありがとう」


「あれ? お茶は淹れ直しましょうか?」


 と聞いてきたので、


「俺がアイテムボックスに収納しておけばちゃんと温かいままだから、気にしなくていいよ。はるかさんと華ちゃんが下りてきたら俺から出してやるから」


 リサは俺に礼を言って3人分のお茶をテーブルの上に置いて居間から出ていった。


 俺は2人分のお茶をアイテムボックスに収納して二人が下りてくるのを待っていたら、先に華ちゃんが居間に下りてきて、もう少ししてはるかさんが下りてきた。俺はアイテムボックスの中に入れていたお茶を二人に出して、


「昼食を食べたら、はるかさんを街に案内しよう」


「ありがとうございます。

 そう言えば、この世界にはラノベやアニメに出てくる冒険者ギルドとかあるんですか?」


「ありますよ」


「やっぱりあるんですね」


「実は俺も華ちゃんも冒険者なんですよ。フフフ」


「そうなんですね。

 あれって、ラノベみたいにランクとかあるんですか?」


「それがあるんですよ、FからA。その上にはAAとAAAがあるそうなんですが今は誰もいないそうです」


「初心者はFから始めてA、AからFだと6階級も。

 ちなみに善次郎・・・さんは?」


 はるかさんが俺のことを名まえ呼びしたとき華ちゃんが少しびっくりしたような顔をした。かな? と、思ったがさすがにそれは思い過ごしだろう。


 少し良い気持ちになった俺は、はるかさんに、


「実は、Aランクなんです」とドヤ顔してしまった。


「それもこれも、華ちゃんのおかげなんですけどね。華ちゃんなんか登録したその日にFランクから一気にAランクですから」


「そんなことも。というか三千院さんはそんなに凄いんですか?」


「凄いも何も魔法の天才ですから。

 なっ、華ちゃん」


「い、いえ、そんなことは」


謙遜けんそんしなくても。

 それで、不肖わたくし岩永善次郎と三千院華さんはパーティーを組んでいるんですが、パーティーにもランクがあって、パーティーメンバーの中で一番ランクの高い冒険者のランクがそのパーティーのランクになるんです。

 それで、メンバー全員、俺たちの場合たったの二人ですけどね。とにかくパーティーメンバー全員がAランクのパーティーのことを真正のAランクパーティーって呼ぶんだそうです」


「なるほど。それで、お二人のパーティーには名まえは付いているんですか?」


「よくぞ聞いてくれました! われわれの自慢のパーティー名は『一心同体』どうです、カッコいいでしょう?」


「そ、そうですね」


「紅茶をこぼしたので着替えてきます」。華ちゃんが急に立ち上がって居間から出ていった。


 居間の中はエアコンを付けてはいないが窓は開け放しているのでそれほど暑くないのだが、華ちゃんには部屋の中が暑かったのか、席を立った時の華ちゃんの顔は心持ち赤くなっていた。エアコンを付けた方がいいか?





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― 新着の感想 ―
せめて一蓮托生だったなら…w
[一言] 同郷でしかも、ゼンジロウさんと年が近い大人の女性が名前呼びすれば、やはり華ちゃんも意識しますよねぇ。
[気になる点] あー、先に知ってしまったら新たなメンバーになってくれるのか微妙ですねー、一心同体は敷居が高いと言うか、華ちゃんのメンタルが心配だなぁ、自衛隊員なら能力UPやスキル習得の可能性が高いなら…
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