第119話 初めてのお買い物2
2022年10月28日12:00
69話、迫撃砲でモンスター捕獲用のネットを撃ちだすと書きましたが、ご指摘を受け、無反動砲から撃ちだすことに変更しました。
https://www.youtube.com/watch?v=kUF24rg2ceo
大型スーパーの衣料品売り場で買い物を終えた5人が、華ちゃんに引率されて俺の待つスーパーの出入り口に戻ってきた。俺は買い物を終えて30分ほどしか待っていないので、かなり手際よく買い物したのだろう。この30分の間に俺は現金が心細くなったので銀行に転移して、カードで300万ほど下ろしている。生体認証カードにしててよかった。これだけあれば温泉旅行代も含めて何とかなるだろう。あたりまえか。
「荷物は俺が持とう。コピーすればいくらでも増やせるからな」
「そう思って買ったのは一人1種類につき1つだけにしておきました」と、華ちゃん。
俺はさっそくコピーしておいた。
「これがお釣りです」
「また買い物するから、お釣りはそのまま持っててくれ」
「分かりました」
「いったん屋敷に帰って、今買った服に着替えてもう一度こっちに買い物にこよう」
俺の言葉を聞いて子どもたちもリサも嬉しそうな顔をした。スーパーの服売り場での買い物だけじゃかわいそうだものな。とは言っても、俺の知っているいい店は隣街のデパートくらいなんだがな。
みんなを引き連れて、やって来た時と同じ小路に入り、みんなに手を取らせたところで屋敷の居間に転移した。
オリジナルとコピーした商品を袋のままソファーの上に置いて、
「自分のものを探して、着替えてこい」
みんなで手分けして、袋の中から取り出したものをこれは誰のものとか言って分けていき、5分ほどかかって、全部の品物がいき渡り、荷物を持って2階に上がっていった。
「華ちゃん、ご苦労さん。大変だったろう」
「アラビア数字をみんな覚えていてくれていたのでかなり楽でした。あれで数字が読めなかったら大変だったかもしれない」
「教育の賜物だな。温泉には電車でいこうと思うから、駅名が読めれば楽しいだろう」
「そうですね。そういったのも教育になりますしね」
「だな」
スーパーで揃えた衣服に着替えたみんなが、5分ほどで居間に戻ってきた。
「みんなよく似合ってるじゃないか」
垢抜けたというと、いままでが野暮ったかったのか? ということかもしれないが、スーパーの服でも子どもたちはお嬢さまに、リサはお姉さまに変身してしまった。
こうなってくると、せっかくだから着飾ってやりたい気持ちになってきた。
「今度は、お出かけ用の服を揃えよう。いくのはデパートだ」
「ご主人さま、デパートってなんですか?」と、イオナの質問。
「さっきの店より少し高級なものを置いている店だ。いろんな商品を売っているという意味で百貨店って名まえが付いていたんだが、今ではさっきのスーパーみたいにいろんな店でいろんな商品を売るようになったから、高級品を売ってるくらいしか差がないかも知れない。
それじゃあみんな、俺の手を取ってくれ」
みんなの手が俺の手を取ったことを確認して、今度は、隣街にあるデパートから少し離れた歩道に転移した。
そこは、裏道というわけではなかったが線路沿いの道で、歩行者はほとんどいなかったし、自動車もそんなには通らない道だ。とはいえ、それなりには車は通る。
「ちっさいタートル号!」
「たくさんやってくる」
「後ろからもきた!」
「うわー! 大きなタートル号だー!」
自動車がたまに通るたびに子どもたちが騒ぐ。トラックが通ると大騒ぎになる。少なくともタートル号を見せていたことは正解だったようだ。
「ギャー、すごいのキター」4人が一斉に俺の手を握ってきた。
道路に沿った線路に列車がやってきて、減速しながら通り過ぎて駅に停車した。
「あれも乗り物だ。こんどアレよりすごいのに乗せてやるから期待してろ」
今度は乗り物図鑑を買ってきてやろう。
デパートの入り口のある正面に回り込むと、たくさんの人が出入りしていた。中に入ってすぐ、エレベーターの脇の壁に各階の案内の看板が張ってあった。それを見ると婦人服や子供服は4階だった。
「エレベーターでいきましょう」と華ちゃん。
いずれエスカレーターに慣れなくちゃいけないけど、多人数でまとまってエスカレーターに乗るのは心配だし、階段はもっと先の方にあるので、
「そうしよう」
エレベーターのボタンを押したわけではないがすぐにエレベーターが地下から上がってきて、お客を数名吐き出したところで俺たちは他の数名の客と一緒にエレべーターの中に入った。華ちゃんがエレベーターの4階を押したが、2階、3階にもランプが付いていたので、エレベーターはすぐに2階で止まり、そこで客を乗せて、3階へ。3階で数名出入りがあって、4階に到着した。
「それじゃあ、華ちゃん、適当に店を選んでくれ。俺はお財布役でついていって、テナントの外で待ってるから支払いの時声をかけてくれ。華ちゃんもちゃんと自分のお出かけ用の服を買うんだぞ」
「はい。お金はスーパーでのお釣りがあるから大丈夫と思います。
それじゃあみんな、まずはスカートとブラウスね」
まっ、華ちゃんに任せておけば大丈夫だろ。スーパーと違って店員も多いし。
一番後ろから、俺はみんなの後をついていった。
5人は見るからに外国人なので、店員は英語で話しかけるのだが、もちろん5人には通じない。店員の言葉を華ちゃんが訳すのだが、俺には日本語として聞こえてくる言葉は店員には全く理解できないのだろう。すぐに英語で話しかけるのを止めて、華ちゃんに日本語で話しかけ始めた。いい判断だ。
どの店に入ってもそういった感じだったが、買い物はちゃんとできているようで、みんなの手に持つ荷物は少しずつ増えていった。俺がどこかでアイテムボックスに仕舞ってやっても良かったが、荷物を持っているみんなの顔から、そのまま持たせてやった方がいいと思いそのままにしておいた。
……。
デパートでは思いのほか時間を取ってしまったが、みんな満足した顔をして、各自購入した衣類を紙袋に入れてもらって両手に下げていた。
最後の支払いが終わって、華ちゃんがお釣りを寄こしたので、結局受け取ってしまっておいた。
たしか、お高いことで有名な焼き肉屋が、ちょっと前俺が買い物をしたスーパーの入っているビルの4階だか5階のレストラン街のどこかに入っていたはずだ。俺は今まで怖くて入ったことはないのだが、個室もありそうなので丁度いい。
「よーし、きょうはこのまま焼肉屋にでも行くか?」
「それは、いいですね」
「「???」」
残りの5人は肉を焼くお店というのは理解できているのだろうが、肉を焼くだけの店というのが想像できなかったようだ。店に入って食べてみればわかるだろう。
「じゃあ、駅の向う側のビルに入っている焼き肉屋にいこう」
「あそこは小学校の時以来だから、かなり久しぶりです」と華ちゃん。俺と違って利用経験があったようだ。さすがだ。




