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魔王、帰還す〜追放された傭兵は圧倒的な機動力と火力をもつ機体を駆り戦場を支配する  作者: 夜切 怜
強化計画

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乱れ彼岸花

 ベルゼブブの示した座標によってアルフロズルは赤色矮星ノドにワープした。

 直接惑星カインにはいかず、赤色矮星ノドの周回軌道に乗り、様子を窺っている。

 

「親父。やっているか」

「らっしゃい!」


 アルフロズル艦内に常設されているおでん屋台にベルゼブブと隻翼が入った。

 おでん屋台は隻翼の知る限り、2020年頃にはほぼ壊滅した、復活させたい屋台の一つだ。

 今日の店主はセンノスケであり、貸し切りだ。


「なんにしやす?」

「まずは日本酒。おすすめは?」

「ベルゼブブの旦那には……この乱れ彼岸花で」


 日本酒を取り出した。彼岸花という名とは裏腹に、透明な清酒だ。瓶だけが紅い。


「もらおう。おでんは煮卵と厚揚げと大根。牛すじ五本だ」

「俺も同じでいい」


 隻翼はベルゼブブと同じものを食べる。

 乱れ彼岸花をコップに注ぎ、おでんをつつきながら二人は会話をする。


「親父。少し失礼するよ。動画を撮影していいか?」

「もちろんでさ。連中に見せつけるんですね?」

「そうそう。死ねとか地獄に落ちろとか罵詈雑言が飛んできてな。向こうの顔が見えるようで楽しいんだ」


 ベルゼブブがにやりと笑う。

 EL勢力への嫌がらせは生きがいらしい。


「アルフロズルにクレームが来るようになったそうだが」

「お前と敵対するほうが悪い」

「ベルゼブブの旦那の仰る通りで」


 うんうんと頷くセンノスケ。

 食通のベルゼブブとはすっかり打ち解けている。


「悪魔だからな。タコを貰おう」

「へい!」


 関西風のおでんは関東風のおでんと具材が違う。

 関西風のおでんは関東風の定番のちくわぶは無く、関西では厚揚げやタコや牛すじが好まれる。

 関西風はつくねやはんぺん、つみれなど練り物が多い。


「本題に入るか。惑星カインについてだ」

「教えてくれ」

「あいつらは一種の開拓者だな。追放されたから新たな惑星を開拓するしかなかった」

「開拓者か……」

「赤色矮星は自転や公転周期が短いものがほとんどだ。人類が育った一日24時間、365日とはなるまい」

「そう簡単に見つかるわけないよな」

「まずありえんな。そんな惑星がもしあるとするなら、一から宇宙を創成したほうが早いだろう。そんな能力がある超越知能は存在しないがね」

「そうだよな」


 宇宙を一から創世できるコンピューターがいるなら、それはもはや神と同義だろう。

 第一世代ELとしてシステムだ。意志をもっていたことは確かだが、人類に求められるまま神を演じる羽目になってしまったただの機械に過ぎない。


「惑星カインの人間は四肢程度なら機械化する。サイボーグが多いな」

「人体改造技術が発達しているのか。EL勢力下では生存以外の機械化は禁止されていたはずだが」


 EL勢力下の人間は人体を改造することに拒否感が強い。

 義手や義足などよりも再生医療が施される。腕や脚なら作って神経を繋げ直したほうが早い。


「そうだぞ。だから連中はエイトリという物質は是が非でも欲しがった。限りなく生体、人間以上の肉体を得ることができるんだからな」

「ふざけた連中だ」

「悪魔は機械化に忌避感などない。だから全員俺のようなアンドロイド体で人生を謳歌しているわけだ」

「人生、か……」

「なまじ五感まで再現できるとな。飯は食いたくなるし、疲れたら眠くもなる。アンドロイド体が良い点は性欲がないことだな。その点ではエイルやロズルも安心できるってわけだ」

「どうしてそうなるんだよ」

「にぶいなぁ。お前は。センノスケ。こいつは昔からか?」

「へい。にぶさは若の取り柄でして。難聴になりますぜ」

「俺のことはいい。なぜあの二人が安心するんだ」

「悪魔がいくら増えようが女性パイロットが増えるよりはましなんだ。もっとも俺達は戦力にはならんがね。俺が戦ったら悪魔(デーモン)級とエージルの異神連合になってしまうからな」

「別にそれはそれで構わないような気がすますぜ。ベルゼブブの旦那」


 センノスケはどうせEL勢力と敵対しているのだから


「太陽系戦争だとカミ系と本来対立しているディーヴァ系とアスラ系が大連合で抵抗したからな…… なんでお前らの超越知能、そんなに相性がいいんだよ」

「知らん。おそらく神仏習合のせいだ」

「まあいい。惑星カインはそういう意味ではEL勢力とは言えまい。むしろEL勢力の組織だ。――センノスケ。ウインナーと厚揚げ」

「へい」


 箸の手は止めない暴食の悪魔。


「で、だ。惑星カインの防衛網は凄まじい。先に連絡を入れておいたほうがいい。正直に目的を話せ。そうすれば惑星防衛機構も働くことはないだろう」

「そこまで凄まじいのか」

「隣の惑星アベルと戦争中だからな。アベルはアベルでドローンや無人機を使いカインを攻撃し続けている」

「アベルはカインを許さない、か」

「カインがアベルを破壊したからな。超越知能から高性能な人工知能に墜とされたアベルの恨みは凄まじい」

「惑星カインは大丈夫なのか」

「惑星アベルがちょうど地球と火星の中間のようなサイズでな。惑星カインは地球より一回り大きい。国力は惑星カインのほうが上だ」

「その分防衛も困難か」

「大部分の住人は地下都市に住んでいる。無事連絡が取れたら案内されるはずだ」

「ベルゼブブはカインと面識はあるのか?」

「あるぞ。ただ互いに無関心だったからな。とくにトラブルになりそうな懸念はないはずだ」

「兵装が修理されれば、次は惑星カナンだ。気合いを入れないとな」

「早くカチコミにいきたいですねえ」

「お前ら、ずいぶんと武闘派だな」

「カミスフィアのなかでも気性の荒いスサノオスフィア出身だからな」


 隻翼がふっと笑う。

 もうすぐアルフロズルの兵装が手に入るかもしれない。手がかりがなかった時よりもはるかにましだろう。


いつもお読みいただきありがとうございます! 誤字報告助かります!


エイル『肉体があればこう、隣に座ってお酌とか……』

ロズル『日本酒飲めるんです? 私はいけますが』

エイル『え…… ずるい…… なんで飲んだことがあるのですか』

ロズル『太陽神仲間にアマテラスさんがいまして。黄金に輝くホークでもってきてくれたことがありました』

エイル『黄金の機体とか色々まずいからやめよう!』


地元近くは酒造が多いので。名物はごんぎつねと彼岸花ぐらいかなあ、ということで乱れ彼岸花と命名です。実際の商品と被らないように!

万が一被っていたら変更します!

おでん! もうすぐおでんの季節ですね。コンビニおでんも好きですが屋台おでんは絶滅寸前でお店のなかに屋台がある場所もあるとか。

衛生的にも厳しいですが、コロナ禍が決定的だったようで。

もう橋の下のおでん屋台という概念自体失われそうですよね。ドラマでも見なくなりました。ブル○カのとあるキャラのムービーぐらいですね。


というわけで惑星カインとアベルは戦争状態。そのなかに隻翼たちは突入するということになります。


応援よろしく御願いします!


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アマテラスが乗ってくる黄金の機体というとK◯Gか
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