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始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
10章:修学旅行

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71話 自然国国民代表

こんにちは!作者です!いつの間にか9月になっていました!



──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。


 シュッドサウスの歴史を学べる博物館。名前は『自然国歴史博物館』。広大な敷地に建てられたこの博物館内もチュラルナの町と同じく自然の部分をそのままに建造されているため、人工物と自然が見事に調和された外見となっている。

 そんな博物館に到着した龍空高校一同の前に複数人のガイドが現れると、指定されたグループに別れて見学が始まった。

「で、露骨に俺達が残されているのは何でだ?」

最後に残されたのは、シャイン、レビィ、エアル、スノウ、サナ、ヒューズ、アレンのいつもの面々であった。

「それは、皆様がエアル女王との関係性が最も深いからです。」

シャインの問いに答えながら現れたのは、年齢35歳、身長172cm、凛とした黄金(こがね)色の瞳に黒色のストレートヘアをもち、桜をイメージにした豪華な装飾で桃色の漢服を身に纏う女性であった。

「えっと…どちら様でしょうか?」

名指しされたエアルであったが、目の前に現れた女性に全く見覚えなく、申し訳なさそうに苦笑いする。

「バカ、あの人はあんたと同じ地位の人よ。」

サナが肘でエアルの脇腹をゴスッと突いて注意する。

「えっ!?ってことは…シュッドサウスの女王様…!?」

エアルが跳び上がるように驚く。

「女王なんて滅相もないです。シュッドサウスにはザーパトウェストのような身分制度がありません。あくまで私の肩書きは『国民代表』でございます。」

漢服の女性が凛とした佇まいで答える。

「そ、そうなんですね。すいません、政治関連は全然分からなくって。」

エアルはアハハと笑ってその場を誤魔化す。

「いえいえ。では、自己紹介をしましょうか。私は『ルナル・ノインコーダ』と申します。今後お会いすることが多いと思いますので、これからよろしくお願いします。エアル・フィン・ダイヤモンド女王様。」

ルナルはニコッと微笑みながら手を差し出す。

「は、はい!よろしくお願いします!」

エアルも慌てて手を差し出し、2人は握手を交わした。

「では、このまま私が当館をご案内しますので付いてきて下さい。」

ルナルはエアル達を連れて博物館の案内を始めた。


 博物館内には、シュッドサウス開国までの史料や歴史的な遺物、国土全域のジオラマ、そして自然そのままの草花や川などが展示されている。広大な敷地をフル活用して展示されているため、全てを網羅するには1日では足りないようだ。

 そんな博物館を駆け足だが丁寧に案内するルナル。その分かりやすさに、レビィ、サナ、ヒューズ、アレンの4人は関心して知識を深めていく。一方シャイン、スノウ、エアルの3人は、流れてくる知識を綺麗に右から左に受け流すのであった。


 博物館見学も無事に終わり、シャイン達は社長室のような豪華な部屋へと案内された。ルナルはエグゼクティブチェアに深く座り、シャイン達はその前に並んで立っている状態である。

「さて、表向きの接待はさせてもらった。ここではラフに話させてもらうよ。」

ルナルは机の引き出しから高級な煙管(キセル)を取り出すと、手慣れたように準備して煙を吸い始めた。

「未成年の前で堂々と…」

サナがぼやくが、ルナルは気にせず煙を吐く。

「さて、西の女王様よ。貴女に物申したいのだが、よろしいか?」

「は、はい!」

エアルはピシッと姿勢を正す。

「一国の女王である貴女が何の報告もなしに他国に入国することが、どれほど危険な行為か自覚して頂きたい。これで我々が貴女の存在に気付く前に、もしも貴女に何か遭った場合、外交問題を通り越して戦争勃発になりかねない。別に入国するなとは言わないが、次からは一言こちらに報告をしてほしい。よろしいかな?」

「はい…すいませんでした。」

しっかりとした注意を受けたエアルは、反論する余地もなく、ショボンとした顔で謝った。

「さて、私から言いたいことは終わった。修学旅行を邪魔をしてすまなかった。ここからは存分にシュッドサウスを楽しんでくれ。」

フーッと煙管から吸った煙を吐くルナルが小さく微笑んだ。

「あっ、じゃあ少し質問いいですか?」

サナが腕を組んだ状態から小さく手を挙げる。

「何かね?」

「私、千年桜の中で小さい鉄が埋まっているのを発見したんです。その鉄の周辺の形状から見て、外部から埋め込んだ感じじゃなかった。だから私は、千年桜がその鉄を生成したのではないか、と考えているんですが、何か知りませんか?」

サナから告げられた突然の推測。既に知っていたアレン以外のメンバーも少し驚いている。

「千年桜が鉄を生成か…。私は聞いたことはないな。」

「なら、千年桜についての資料を見させてもらっても良いですか?後は勝手に調べますので。」

「調べるのは構わないが、そちらに時間はあるのかい?修学旅行中ならば、時間や行動も限られているだろう。」

「……確かに。でしたら夜にこっちへ来るので、その際に見せてくれたり出来ますか?」

(ホテルから抜け出す前提の交渉してるよ…)

レビィが心の中で苦笑いする。

「すまないが当館は夜の営業をしていない。私も明日の満開祭の準備がある故、貴女の相手をする余裕はない。」

「………そうですか。分かりました。またの機会にします。」

サナは間が空いた返事をした。レビィはサナの不自然な間が少し気になったが、特に口出しはしなかった。

「では改めて。存分にシュッドサウスを楽しんでくれまたえ。」

ルナルの言葉を最後に、シャイン達は部屋を後にするのであった。




 2日目のスケジュールを全て終了した龍空高校一同は、ホテル──チェリーブロッサムに戻ってきた。夕食や入浴も終え、今は消灯までの自由時間である。


 シャイン、スノウ、ヒューズ、アレンの部屋。他愛もない会話をしながら夜の時間を過ごしていると、廊下からドタドタと騒がしい音が聴こえてきた。それはどんどんと近付いてきて、シャイン達の部屋の前で静かになったと思ったら、ドンドンドン!と扉が叩かれた。男4人は顔を見合わせた後、スノウが代表で扉へと近付いていく。

「へいへい、どちら様ですか?」

そしてガチャっと開けると、そこには青ざめた顔で浴衣姿のエアルが立っていた。

「どうしたエアル?何かあったのか?」

からかう雰囲気ではないと流石のスノウも察し、真剣な面持ちで尋ねる。

「レ、レビィと…!サナがいなくなっちゃった…!」

赤い瞳に涙を浮かべながら、必死な声でエアルが答えた。

本日はお読み下さり誠にありがとうございます!

少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!


次回から話は大きく動く…つもりです!気長に待って下さいませ!



それではまたお会いしましょう!次回をお楽しみに!

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