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始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
10章:修学旅行

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68話 修学旅行の夜

こんにちは!作者です!

今回はのんびり回ですので、ゆるーく読んで下さい。



──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。


 1日目の予定は無事に終了し、今は宴会場をお借りして、龍空高校一同でシュッドサウスの名物を使用した豪華な夕食を楽しんでいた。長いテーブルにビュッフェ方式に並べられた大量の料理。端から見れば食べられるのか?と心配になる量だが、食べるのは育ち盛りの高校生達。あっという間にテーブルの上から料理は消えていった。因みにこの豪華な夕食の裏で、ダイヤモンド家の財力が動いていたことを知っているのは、学校側と一部の生徒達だけである。



 夕食を楽しんだ生徒達は一度部屋へと戻された。そしてクラスごとに順番に大浴場で『入浴』するようになっていた。


──入浴。それは風呂に入り、体を綺麗にする行為。

──体を綺麗にするためには、当然『裸』になる必要がある。

──つまり性別関係なく、入浴する時は裸なのだ。


この当たり前の方程式に、『高校生=思春期』という式を代入した時、導き出される解は──








──『覗き』である。


 「集いし同士達よ!我々は今から女湯(ユートピア)を拝みに行く!全てを捨てる覚悟がある者のみついて来い!!」

脱衣所で、腰に白いタオルを巻いたスノウが拳を突き上げると、

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

同じ格好をした他のクラスメイトの男子達が同じように拳を突き上げた。

「馬鹿を具現化した集団ですね。」

ヒューズが直球の悪口を送る。

「今まさに秩序が乱れようとしているぞ。秩序の守護者さんよ。」

服を脱ぐシャインがアレンを煽る。

「アレは……管轄外ということで。」

アレンは苦笑いで答える。

「行くぞ!同士達よ!」

スノウ率いる変態集団は、ここ一番の団結力をもって大浴場へと入っていく。

「てか、そもそも覗けるような場所があるのか?」

他人事の距離を保って大浴場に入るシャインが疑問を抱く。

「確かここのホテルの売りの一つに、千年桜を一望できる露天風呂、というのがありますね。」

シャインの隣にいるヒューズが露天風呂へと続く扉を指差す。

「成る程、そこに目をつけたのか。あのアホ集団は。」

納得するシャインは洗い場に座り、髪を洗い始める。

「ま、ああいう奴等は痛い目に遭わないと分からないので放っておきましょう。」

ヒューズの意見に賛同したシャインとアレン。3人は他人事を決め込み、体を洗うのであった。



 ホテル──チェリーブロッサムのセールスポイント。それは千年桜を一望できる露天風呂。和風テイストの装飾された空間で、露天風呂エリアに入る扉を開けると、最初に千年桜が視界に入るような構造となっている。

 しかし、今のスノウ率いる変態集団にそんな絶景は目に留まらない。何故なら彼等は、千年桜より美しく幻想的な女湯(ユートピア)を目指しているからだ。

 露天風呂エリアの構造は、自然に形成された竹の壁を利用して男湯と女湯を分けているだけであるため、この壁さえ越えれば、ユートピアを拝むことが出来るのだ。

 竹の壁の前まで到着した変態集団。まずは現状を把握するべく竹の壁に耳を当てる。全神経を聴覚に集中させ、微かな音すらも逃さない。


 「あの集中力、別のところに活かせないものですかねぇ。」

全裸の男子高校生達が一列に並び、真剣な顔で竹に耳を当てる光景を、露天風呂に浸かながら眺めるヒューズが馬鹿にしながら告げる。

「これって放置している僕達も同罪なのかな…?」

ヒューズの隣で露天風呂に浸かるアレンが心配する。

「これで連帯責任にされたら学校側を訴えてやる。」

同じく露天風呂に浸かるシャインが半目で告げた。


 3人の会話なんて全く耳に届かず、変態集団はとてつもない集中力で女湯の状況を。すると、遂にクラスメイトの声が聴こえてきた。

 変態集団の興奮が一気に高まる。彼等は互いに顔を見合わせると、小声とジェスチャーで覗く方法を共有する。そして瞬時に行動に移した彼等は、桶や風呂椅子を芸術的に積み上げた。あとはこれを登ることによって覗くことは可能だが、あまり丈夫な足場ではないため、今からスノウの提案により、ジャンケンで順番を決めるようだ。

緊張感が迸る中、男達が構える。

最初はグー。

ジャンケン──!

次の瞬間、スノウは同士達を出し抜き、一目散に桶と風呂椅子のタワーを登っていく。

「てめぇスノウ!!」

ジャンケンを囮にまんまと騙された同士達が思わず声を荒らげた。

「ふははは!馬鹿め!女の裸を目の前にして平等なんてものが通じるか!」

外道な笑い声を発しながら、遂にスノウは竹の壁の頂上に手をかけた。

(さぁ!拝ませてもらうぜ女子ども!お前達の裸をよ!)

スノウがグイッと顔を竹の壁から出した。


──次の瞬間。


漆黒のオーラで形成された刀が飛んできて、スノウの頬をかすめた。

スノウは一瞬すぎて何が起きたのか理解が追いつかなかったが、頬を流れる血の感触を感じると、自分は死にかけたのだと理解し、顔を青く染めた。

「それ以上顔を出してみろ。次は眉間に刃が突き刺さるぞ。」

殺意に満ち満ちた声は、スノウの背筋を凍らすには充分過ぎた。

制服を着た漆黒髪に赤い瞳をもつ少女──ナイト・サファイアが鬼の形相でスノウを見上げながら、手元に戻ってきた漆黒オーラの刀をスノウに向ける。

「壁の向こうにいる他の男共じゃ!串刺しになりとうなければ煩悩的な考えは捨てるのじゃな!」

ナイトからの一喝で、変態集団は完全に縮み上がってしまい、スノウも加え、壁越しに土下座をした。

「すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

男達の渾身の謝罪が露天風呂に響き渡った。





 時は少し戻り、変態集団が覗きを決行する少し前。場所は女湯の脱衣所。

「ちょっと、いくら女同士でも隠しなさいよ。マナー的に。」

体にタオルを巻かないまま風呂場に行こうとするエアルをサナが注意する。

「え〜別にいいじゃん。」

エアルがムスッとした顔で振り返る。その時、エアルのFに達する(ぺぇ)がプルンと揺れた。それを見た周囲の女子生徒達は衝撃を受けると、自分のと見比べて現実に絶望した。

「うん…あんたは絶対に隠しなさい。」

目の前でFの破壊力を見せられたAの民(サナ)は、現実逃避をした目で再度警告をした。

駄目と言われた真の理由に気付かぬまま、エアルは渋々了解すると、タオルを体に巻いて風呂場に向かった。

「ホント…世界って不平等。」

サナは主語を大きい嘆きを呟くと、自分も風呂場に入っていった。

「………」

少し離れた場所からエアルのFを見ていたBの民(レビィ)は無言で絶望しながらも制服を脱ごうした。

(待て、レビィ。)

その時、心の中からいきなりナイトに声をかけられ、反射的にボタンを外す手を止めた。

「なに…ナイト?」

元気のない声で訊くレビィ。

(嫌な気配がする。)

ナイトの一言にレビィはピクッと反応して、緩んでいた気をピシッと戻した。

「嫌な気配って、もしかして敵?」

(まぁある意味、『女の敵』ではあるかもな。)

「──?どうこと?」

いまいちナイトの言葉が理解できないレビィ。

(とにかく服を脱ぐ前に我に少しだけ体を貸すのじゃ。)

「別に良いけど、何をする気なの?」

(阿呆どもに灸を据えてやる。)

ナイトがニヤッと笑う。



 「はぁ〜!五臓六腑に染みる〜!」

湯船に浸かり、う〜ん!体を伸ばすエアル。

「おっさんか。」

エアルの隣で足だけ湯船に付けるサナがツッコミをいれる。

「サナも足だけじゃ入りなよ。」

「私、湯船に浸かるの好きじゃないの。日頃はシャワーだけ。」

「ふ〜ん…なら、何で髪や体洗ったのに出ていかないの?」

「そこは…友達としてのただの付き合いよ。」

少し目を逸らしながら答えるサナ。しかしエアルからリアクションがないためチラッと視線を戻すと、嬉しそうな顔でニヤニヤとしていた。

「う〜〜…!サナ大好き!」

エアルは嬉しさに任せてサナに抱き付く。それによってバランスを崩したサナはドボンと湯船に落ちるのであった。

「馬鹿!危ないでしょ!」

結局湯船に入ることになったサナが、エアルの頭をペシンと叩いて叱る。エアルはゴメンゴメンと嬉しそうな顔のまま平謝りする。

「ねぇ!サナ!エアル!ここって露天風呂あるみたいだよ!行ってみよ!」

その時、他のクラスメイトから露天風呂に行こうと誘われた。特に断る理由もない2人は二つ返事をして、共に露天風呂へ向かう。

「あれ?そう言えばレビィは?」

エアルがキョロキョロと周りを見渡す。

「我ならここにおる。レビィではないがの。」

漆黒の髪に赤色の瞳となったレビィ、もといナイトが制服を着たまま現れた。

「ナイトになってるし制服着っぱなしだし…どったの?」

エアルが問いかける。

「ちょいと阿呆共を懲らしめるだけじゃ。お主らは気にせず湯浴みを楽しめ。」

ナイトはニッと笑った後に鬼の形相になり、そのまま迷いなく竹の壁の前へ向かった。



──そして時は合流し、変態集団にお灸が据えられるのであった。




 ホテルの一室。推しに会えたことによる興奮で疲れたソノは、可愛らしい紫色のパジャマを着てぐっすりと寝ている。そんなソノの隣のベッドには、お揃いのパジャマの白色バージョンを着るゼーレが座っている。

その時、コンコンとドアがノックされた。

「お嬢様、バートラでございます。」

「入れ。」

ガチャリとドアが開き、執事のバートラが部屋に入ってきた。

「お嬢様、お話とは?」

バートラは寝ているソノに配慮して声量を抑えて尋ねる。

「今日、ソノのお友達に会っただろ?」

「はい。」

「その時に外見と名前を知るため、軽く魂から情報を見させて頂いたんだ。その時、ちょっと気になる人がいてね。」

「気になる人、ですか。」

「ああ。金髪の女性──サナさんだ。」

「あの方ですか。彼女の何が気になるのですか?」

「表現が難しいのだが…何処となく、魂の雰囲気がソノに似ていたんだ。」

ゼーレは顔を爆睡中のソノに向ける。

「それはお嬢様にしか分からない着眼点ですね。魂が似ていると何か問題が起こるのですか?」

「いや、特に問題はない。『赤の他人なのに顔が似ている』、の同じ感覚だ。」

「『そっくりさん』、というものですね。」

「ああ。似た雰囲気を持つ魂を見るのは初めてではないが、何故か今回は引っかかるんだ。」

「左様でございますか。では、私のほうでも少し調べてみましょうか?」

「いや、今はただ情報共有をしたかっただけだ。あまりソノのお友達を警戒したくないしな。」

「かしこまりました。──それでは、私はこれで。お休みなさいませ、ゼーレお嬢様。」

「ああ。おやすみバートラ。」

バートラは紳士的に頭を下げた後、部屋をあとにした。ゼーレも寝る準備をすると、ベッドに入り眠りにつくのであった。

本日はお読み下さり誠にありがとうございます!

少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!


のんびり回なのに、最後に意味深シーンを入れてしまった…。本当に無意味な回にはしたくなかったんです。許して下さい。

なるべく早く投稿するために頑張って書きますので、ゆっくり待ってて下さい!


それではまたお会いしましょう!次回をお楽しみに!

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