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始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
10章:修学旅行

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67話 思わぬゲスト

こんにちは!作者です!

まだまだ修学旅行は始まったばかりです!




──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。

 修学旅行で自然の国──シュッドサウスの首都チュラルナへと訪れた龍空高校一同。

現在はホテル──チェリーブロッサムにチェックインし、次の集合時間までホテルの敷地外に出ないという条件で自由解散状態であるため、部屋やエントランス、お土産屋など、各々好きな場所で時間を過ごしている。


 シャイン達はエントランスの休憩スペースに集合してたわいない話をしていると、徐々にエントランスに人が集まっていることに気付いた。

「なんか人が集まってきたね。」

エアルが人集りができているエントランスの出入り口付近に視線を向ける。エアルに釣られ、他のメンバーも人集りに注目する。

「一般人だけでなく、マスコミもいるようですね。」

ヒューズの言う通り、マイクを持った女性や大型のカメラを構えた男性なども待機している。

「じゃあ結構な大物タレントが来るんだろうね。誰なんだろう?」

レビィが現れる何者かに興味を示す。

「──!あれを見たら全員分かるんじゃねぇか。」

とある人物を発見したシャインが指を差す。全員が指差す方向に視線を向けると、そこにいたのはハッピと鉢巻を付け、両手に水色に光るサイリウムを持つ身長150cm、紫色のミディアムヘアーに紫色の瞳をもち、黒を基調としたゴスロリを身に纏う少女──ソノ・アメシストであった。

「あれ?ソノじゃん。何であの子がいるの?」

エアルが当然の疑問に首を傾げる。

「理由は分からねぇが、あいつが推しているアイドルって確か──」

シャインが名前を言いかけた時、人集りが一斉に声を上げ、ホテルに入ってきたとある人物を囲んだ。

「は〜い♪皆さんこんにちは〜♪あなたのハートにラブリーアイス♪心も身体もラブリーで震わせちゃうぞ♪」

身長165cm、水色のロングヘアに白色の瞳をもち、ボーイッシュな私服を身に纏い、お決まりの決め台詞とポーズをするのは、大人気アイドル──ルコルコこと『ルコード・フリズ』であった。

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!ルコルコォォォォォ!!」

ルコードのファンサービスに大興奮するオタク達。その中にちゃっかりソノは混ざって興奮していた。

ここでマイクを持った女性キャスターがカメラマンと共に現れ、手慣れたようにマイクを向けてインタビューを始める。

「ルコードさん、明後日に開催される千年桜満開祭にご参加されるのですよね?」

「はい!ライブステージを作るみたいで、そこにご招待されました!なので皆さん!明後日の私のライブ!絶対見に来てね!あっ!テレビやネットからでも大歓迎ですよ〜!」

ルコードはグイッとカメラに顔を寄せて、パチンとウインクをする。その可愛さにオタク達及びソノの興奮は更に高まり、カメラマンの男性も至近距離のアイドルウインクに内心ドキドキした。

「申し訳ございませんが、ルコードは長旅で疲れていますので。」

透かさず間に入り、インタビューを中断させたのは、白髪のサイドヘアに青色の瞳をもち、スーツを身に纏う30代の女性──マネージャーのイアス・リオコであった。

イアスは手際良く道を開けるとルコードを誘導する。そしてチェックインを済ますと、部屋バレ防止のため関係者以外入れない扉を通って部屋へ向かった。ルコードは扉が閉まるギリギリまでファンサービスをしてファンを喜ばせるのであった。


 ルコードの姿が見えなくなると、人集りは直ぐに散り散りとなり、先程までの盛り上がりが嘘だったかのように静かなエントランスに戻った。

「ふぅ〜…」

満足感で満たされた顔で額からの汗を拭うソノに対し、

「何やってんだ、ソノ?」

と、不意にシャインが話しかけた。ソノは予想外過ぎる人物からの声掛けに驚き、猫の如く跳び上がった。ソノが困惑している間に、シャイン以外のメンバーもソノの元に集まってきた。

「皆さん、修学旅行の行き先ってここだったんですね。シャインから訊くのを忘れていたのでビックリしました。」

呼吸を整え、落ち着きを取り戻したソノ。

「こっちもビックリよ。どうしてあなたがここに?」

レビィが代表で尋ねる。

「私はその…ルコルコのおっかけを…」

ソノはモジモジと恥ずかしそうに答える。

「おっかけの為に、1人でチュラルナまで来たの?」

エアルが訊くと、ソノは首を横に振る。

「いえ、この話を大切な友達にしたところ、『なら、共に行こう。』という話になり、連れてきてもらったんです。」

「大切な友達?」

サナが復唱する。

「はい。──あっ、丁度来ました。」

ソノが向ける視線のほうに、シャイン達も一斉に視線を向けた。

そこには身長152cmで白色のベリーショート、高価でボーイッシュな服装を身に纏う少女が両目を瞑ったまま、手に持つ白杖を頼りにゆっくり近付いてきていた。隣には60代後半、執事服の上からでも分かるガッチリとした体格の老人が寄り添っていた。

「おや、いつの間にやら大所帯に。お初の方が多いようですが、久しい方もおられるようですね。」

ソノと同い年とは思えない落ち着いた声で話すボーイッシュの少女。

「あんた、その様子だと目が見えないんでしょ?なのに人が判別できるの?」

サナがいち早く違和感に気付く。

「ええ。ボクは魂が見えるので。」

「魂が見える…どういう魔法なの?」

サナが興味を示す。

「自己紹介をしましょう。ボクの名前は『ゼーレ・ジルコン』と申します。見ての通り、ボクは病気により目が見えていません。その代わり、魔法によって相手の『魂を見る』ことが出来るのです。魔法名は『魂を探る(サーチ ザ ソウル)』。魂にはそのモノのありとあらゆる情報が刻まれていると言われています。ボクはその魂に刻まれた情報を読み取り、対象の容姿や魔法、思考や記憶を知ることが出来るのです。」

「だから私達を判別出来た、ということね。」

サナが魔法の仕組みを理解して納得する。

「私は執事のバートラと申します。」

ゼーレの隣にいる老人も丁寧に自己紹介する。

「ジルコン…ジルコン……あっ!」

ゼーレの名字を聞きた時から考えていたレビィが思い出す。

「ねぇゼーレ、もしかしてご両親は学者だったりしない?魔法学の。」

レビィが質問すると、ゼーレが驚くリアクションをとる。

「ええ、そうですよ。よく分かりましたね。」

「やっぱり!私のお父さんも学者なの。魔法学のね。夏休み中に帰ってきていたから仕事のこと話していたんだけど、その時にジルコンって名前が出てきたの思い出した。もしかしたら、私のお父さんとゼーレのご両親、一緒に働いているのかも。」

「そうなんですね。ボクはあまり親と仕事の話をしないので。世間は狭いですね。」

「本当にね。」

ゼーレとレビィが笑い合っていると、龍空高校の教師が生徒達に集合をかけ始めた。

「おや、どうやら集合時間みたいですね。皆さん、行きますよ。」

ヒューズが最初に移動を始めると、後を追うように他のメンバーも集合場所へと向かっていく。

「では、私は基本ゼーレと行動しますので。」

ソノがペコッと頭を下げる。

「ああ、好きに楽しんどきな。」

シャインは少しだけ口角を上げて応えると、集合場所へ向かうのであった。




 ホテルのとある一室。ベッドの上で不機嫌そうに寝転ぶのは、大人気アイドルのルコードであった。

「最悪〜。女王様一行いたじゃん。」

ファンサービスをしている時、しっかりシャイン達の存在を横目で発見していたルコードが大きく溜息をついた。

「私達の魔法について気付いている人物は、あの中では茶髪眼鏡のヒューズって子のみだった。ウォースイターと契約しているトワイラって子はいなかったわ。」

椅子に座り、タブレットでスケジュールを再確認しているイアスが告げる。

「でもなんか動きづらい〜!気楽に仕事したかった〜!」

ベッドでバタバタと小学生のように暴れるルコードを、睨みだけで制止するイアス。

「ヒューズという子は恐らく頭が良い。いきなり周囲に言い振らすようなことはしないはずよ。だから私達は普段通りアイドルの仕事をしていれば大丈夫。」

憶測に過ぎないが、イアスはルコードを安心させるに優しく告げる。

「……なら、いいけど。」

ルコードもイアスの言葉を信じ、落ち着きを取り戻すのであった。





 思わぬ者達と合流はしたが、修学旅行1日目の予定は全て終了した。そして、生徒達が待ち望んでいた『修学旅行の夜』が訪れた。

本日はお読み下さり誠にありがとうございます!


少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!


先に告げておきますと、次回は俗に言うテコ入れ回です。頭空っぽにして見ても問題ないかと思います。


それでは次回をお楽しみに!

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