59話 もう1人の目覚め
こんにちは!作者です!激闘の三つ巴も終盤戦です!
──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。
──時は戻る。
竜と化したオウカによる衝撃波により、血の人形達は一掃され、シャイン、ヴァン、レビィ、トワイラは壁まで吹き飛ばされた。
「……くそっ、竜系の魔法だとは思っていたが…まさか、竜そのものになりやがるとは…」
思いの外ダメージが大きく、なかなか立ち上がれないシャインは能力解放から戻ってしまう。
会場はオウカの竜の姿と、その威力を目の当たりにして呆然としている。
「やるじゃないか。」
足下に立つダクネスが、オウカを見上げながら褒める。
「大将ガ褒メルナンテ、ロクナコトガ起コラナソウッスネ。」
オウカが獣混じりの声で笑う。
「馬鹿言ってねぇでトドメを──ほう、予想外の奴が立ち上がったな。」
倒れている4人の中で最初に立ち上がったのは、なんとレビィであった。
「はぁー…はぁー…はぁー…」
息も絶え絶え、足もふらつくレビィだが、顔にかかる髪の間から見える赤い瞳は、真っ直ぐダクネス達を見詰めていた。
「その体ではもう何も出来まい。──オウカ、やれ。」
ダクネスから命令を受けたオウカは、レビィに向けて口を開き、口内に魔力を集中させる。
「[竜熱線]!!」
魔力が集まった時、高熱を伴った青色の光線が照射された。
次の瞬間、レビィがニヤリと笑うと、髪の色が紺から漆黒へと変わった。
「[霞月]。」
漆黒のオーラを纏う刀による一太刀は、青色の光線を両断し、霧と化して消滅させた。
「[師走]。」
漆黒のオーラを足に纏うと、間髪入れずにダクネス達へ接近する。その途中、自身の周囲に15本の影で形成された刀を出現させる。
「[十六夜ノ刃]。」
そして一気に距離を詰めた瞬間、15本の影の刀でダクネスとオウカを連続で斬り、最後に漆黒のオーラを纏う刀による強力な一太刀を浴びせた。
「ぐっ…!」
流石のダクネスもダメージを受け、片膝をつく。
「ホラ…ロクナコト起キテンジャン…」
オウカはうつ伏せに倒れると気を失い、人の姿へと戻った。
「成る程、お前が噂の『夜叉魔法の化身』か。」
ダクネスがよろめきながら立ち上がって睨みつける。
「如何にも。じゃが、次からは『ナイト』と呼んでくれ。大切な仲間が付けてくれたお気に入りの名じゃ。」
レビィの姿そのままで、漆黒の髪に赤い瞳となった夜叉魔法の化身──『ナイト』がクスッと笑って見せた。
「しかし不思議なものじゃ。これだけ体がボロボロでも、魂が変わると動けるものじゃな。」
自分の傷だらけの体を見ながらナイトが不思議そうな顔をする。
「ナイト…お前、眠っていたんじゃ…?」
何とか体を起こせるところまで回復したシャインがナイトの背後から尋ねた。
「ああ、ちと眠り過ぎたくらいじゃ。──じゃが実のところ、春頃には既に目覚めてはおった。」
「じゃあ何で今まで現れなかった?」
「それは………レビィが我を無意識に拒んでいたからじゃ。」
「拒んでいた?何でだ?」
シャインの問いに対し、ナイトは口を閉ざしたままで答えず、哀愁を漂わせる横顔を見せるだけであった。
「──?ナイト?」
シャインが再度問いかけようとした時だった。シャインとナイトに火の球が迫ってきた。2人は咄嗟に刀で斬ることによって防御すると、火の球を放ったダクネスに視線を向ける。
「お前達の話が終えるまで待つ気はないぞ。」
ダクネスは火の剣を形成すると同時に、気を失っているオウカの頬付近で小さな火の球を破裂させた。
「あっっっっっちーーー!!」
オウカは飛び起きると、熱させた頬を摩る。
「ちょっと大将!もうちょっと起こし方あったでしょ!」
オウカが正論で訴えるが、ダクネスから返答はなかった。
「どうやら、話は後のようだな。」
シャインはナイトの隣に立つと、能力解放になる。
「そのようじゃな。ま、今はこの戦いを楽しもう。」
ナイトは妖艶な笑みを浮かべながら、刀を構えた。
「大将、完全な竜化はキツいんで竜人くらいで勘弁してくれません?」
オウカがダクネスに交渉する。
「……好きにしろ。」
「あざっす。」
ダクネスから許可を得たオウカは、人の姿のまま背中から竜の翼を生やし、全身に桜色の鱗を纏い、爪や歯は鋭い竜のものとなり、竜人の姿となった。
シャイン、ナイト、ダクネス、オウカの4人が一斉に構えると、フィールドに緊張が走る。そして全員が同じタイミングで地面を蹴り、高速で激しい攻防が始まった。
「どうしよう…全然見えないんだけど…」
観客席にいるエアルが苦笑いする。
「流石の私も無理ね。あんた達は見えてるの?」
エアルと同意見のサナは、男性陣に問いかける。
「私は見えていますよ。アレンも見えていますよね?」
ヒューズはフィールドの激闘を目で追いながらアレンに訊く。
「うん。ギリギリだけどね。」
アレンもヒューズと同じタイミングで目を動かしながら答える。
「俺だって見えているぜ!」
スノウも自信満々に告げながら目を動かすが、
「スノウ、見てるところが違うよ。」
アレンの無慈悲な指摘ににより、スノウはズーンと落ち込んだ。
「ただ、この高速の攻防も長くは続きません。こうして話している間でも、徐々に全員のスピードが落ち、攻撃が互いにあたるようになっています。」
一番見えているヒューズが状況を実況する。
「誰が一番キツい状態?」
サナがヒューズに尋ねる。
「恐らくシャインですね。」
「そうなの?能力解放になっているのに?」
エアルがヒューズに訊く。
「その能力解放が枷となっていますね。竜化したオウカの攻撃によるダメージが大きい状態で能力解放になっているため、体への負担が限界に達しようとしています。」
「成る程ね。能力解放状態のシャインに、ダクネスやオウカが渡り合っているのも納得するわ。」
サナが自己解決する。
「最後に1つ、皆忘れてはならないことがあるよ。」
アレンが告げる。
「何だよ?」
スノウが代表で訊く。
「この戦いはあくまで『三つ巴』だってことさ。」
アレンの言葉に、他のメンバーがハッと思い出すのであった。
激しい攻防は突如終わりを迎え、火の剣と風砕牙、竜の爪と夜桜が鍔迫り合いとなり、ようやく全員が目視できるようになった。
鍔迫り合いはダクネスとオウカが勝利し、シャインとナイトは大きく後退した。その時、遂にシャインの体は限界に達してしまい、ガクッと片膝をついてしまった。
「我が主、能力解放を解くのじゃ。でなければ主の体が壊れるぞ。」
ナイトはシャインに近寄って助言する。
「馬鹿言うな…!勝負はまだ…!これからだ…!」
戦闘狂の性格が暴走しているシャインだが体は動いてくれず、なかなか立ち上がれない。
「主、この戦いはあくまで『お遊び』じゃ。お主の性格は重々承知しているが、こんな所で体を壊しては、この先必ず訪れる『本当の戦い』に参戦出来なくなってしまうぞ。戦闘好きの主にとって、それは死活問題じゃろ?」
ナイトがシャインの性格を利用した説得する。シャインは少し考えた後、天を仰ぎながら大きく深呼吸した。そして冷静さを取り戻すと、能力解放を解除した。
「なんだ、負けを認めるのか?」
ダクネスが尋ねると、ナイトが夜桜を鞘に納めながら、
「ああ、降参じゃ。我々龍空高校はここで棄権する。」
と、敗北宣言をした。
「運営の者!聞いていたじゃろ!我らはここで棄権する!先に戻らせてもらうぞ!」
ナイトは少し上を向きながら大会運営側に伝えると、少しフラつきながら出入口へと歩いていった。
「………次は負けねぇからな。」
不服そうな顔でダクネスを睨むシャイン。
「敗者はさっさと去れ。邪魔だ。」
ダクネスはフンと鼻で笑った。シャインはギリギリまで睨んだ後、ナイトとの後を追うように出入口へと歩いていき、フィールドを後にした。
「ふぃ〜、なんとか勝ったっすね。」
オウカは竜人化を解くと、大きく背伸びして安堵する。
「馬鹿か。まだ『奴ら』が残ってるだろうが。」
そう告げるダクネスの視線の先に、例の2人が立っていた。
「あ〜…そう言えば三つ巴だったすね。」
げんなりとした顔でオウカも同じ方向を向く。そこに立っていたのは、蛇帝高校代表のヴァン・ピレブロードと、そのパートナーのトワイラ・ターコイズであった。
ダクネスとトワイラは互いに前に立って睨み合った。
「お前の戦い方は体術だったな。合わせてやろう。」
そう言ってダクネスは火の剣を消滅させる。
「いいの?勝っちゃうかもよ〜?」
トワイラが上目遣いでニヒヒと笑ってみせる。
「ハッ、言うようになったな。」
ダクネスは鼻で笑った。
「はぁ〜あ、なんか向こう盛り上がっちゃってんな。てなわけで、残りもん同士よろしくな。」
オウカが前に立つヴァンに笑いかける。
「残りもんって…僕、一応代表選手なんですけど…。まぁいいか。」
自分の影が妙に薄くなっていることを若干気にするヴァンであった。
本日はお読み下さり誠にありがとうございます!
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今回のプロフィールは、『ソノ』でございます!それでは…どうぞ!
名前:ソノ・アメシスト
魔法名:青幽鬼
戦闘方法:魔法主体
身長:150cm
体重:45kg
髪:色のミディアムヘア
瞳:紫色の瞳
誕生日:2月14日
血液型:A型
バスト:Aカップ
好きな食べ物:ブラックコーヒー
嫌いな食べ物:酸味が強いもの
好きな教科:生物
嫌いな教科:数学
キャラクターモデル:『テイルズオブエクシリア』より『エリーゼ・ルタス』
【名前の由来】
こちらの勝手で申し訳ないですが、今は秘密にさせてもらいます。いずれ由来は分かるエピソードがあるのでお楽しみにして下さい。それまで私に何もなく、モチベが続けばいいのですが…。
次回、新KOM編完結です!………えっ?決勝トーナメントは?
それではまたお会いしましょう!次回をお楽しみに!




