56話 開催!新たなKOM!
こんにちは!作者です!気付けば2024年が終わろうとしています!
購入したゲームが面白かったり、モチベが著しく下がったりしてズルズルと先送りしていたら冬になってしまいました。
それでも何とか区切りが良いところまで書けたので、どんどん投稿していきます!
──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。
時は流れ、季節は夏に。そして学生達が待ちに待った期間──夏休みが開始された。
そして夏休みに入ってすぐ、12校の魔法科高校が一同に集い、頂点を決める大型大会が開催される。
──その名は『KING OF MAGIC』。通称『KOM』。
今年から大きくルールが変更され、新たな形となるKOMが今、開幕する。
外見がコロッセオに似たドーム──『マジックコロシアム』。ここにぞくぞくと人々が集っていた。
担任のナナリーを先頭に、2年1組の生徒達もマジックコロシアムのロビー受付前に到着した。
「おはようございます。高校名、クラスをお願いします。」
受付の女性スタッフがナナリーに尋ねる。
「龍空高校、2年1組です。」
「かしこまりました。」
受付の女性スタッフは手元のタブレットを操作して確認をとる。
「登録によりますと、この中に代表選手とパートナーがおられることになっています。どなたが代表選手とパートナーでしょうか?」
「俺だ。」
一歩前に出たのは、黒色の中に黄緑色がメッシュの如く混じっているセミロングの髪に黄緑色の瞳をもつ少年──シャイン・エメラルドであった。
「あっ、パートナーは私です。」
シャインの隣に立ったのは、紺色のロングヘアに青色の瞳をもつ少女──レビィ・サファイアであった。
「確認します。代表選手、シャイン・エメラルドさんと、パートナーのレビィ・サファイアさんですね?」
シャインとレビィは頷く。
「それではお二人はあちらで待機している男性スタッフの案内で控え室と向かって下さい。他の皆様はそのまま観客席へと向かって下さい。」
女性スタッフの指示に従い、シャインとレビィは2年1組とクラスメイトと別れた。
「シャイン〜!レビィ〜!頑張ってね〜!」
エアルが去っていく2人に声援を送ると、シャインは背中を向けたまま手をヒラヒラさせ、レビィは振り返ってグッと拳を握るポーズをして応えた。
男性スタッフに案内のもと、シャインとレビィは控え室へと入っていた。去年までは代表選手12人だったため、大部屋に集めていたが、今年からパートナー枠が増え、人数が二倍になったことから、各校個室となった。ソファの前に巨大モニター、簡易ベッドに冷蔵庫など、最低限休憩と待機できる内装となっている。
「そう言えば、何で今年から『ダブルス』になったんだ?」
ソファに寝っ転がるシャインが疑問を抱く。
「それ…ルールを変えた張本人が言う?」
レビィが呆れた顔で溜め息をつく。
「どういうことだ?」
「一昨年までは代表選手の力はほぼ均衡状態だったけど、去年からシャインやダクネス君みたいなとても強い絶滅魔法の使い手が現れたことにより、均衡が崩れかけているの。だからこの力の差を埋めるべく、運営側がとった変更がダブルス戦ってこと。これによって戦略性が生まれ、均衡が戻ることを願っているみたい。」
「成る程な。」
「他にも細かくルールは変更されているみたい。例えば…『フィールドを第三者の視線から隠す技、魔法の禁止』とか。」
「なんじゃそりゃ?」
「去年、ダクネス君が炎の壁でフィールドの様子を見えなくしたでしょ?ああいうことをした選手は、危険行為として即失格になるみたい。」
「ほう。」
「あとは…『度を超え、死闘に近い戦いを行った際はお互いに失格とする。』とか。」
レビィがジトーっとした目で寝転ぶシャインを覗き込みながら告げる。
「……結構影響を与えてたんだな、俺とダクネス。」
聞けば聞くほど当事者感が濃くなり、流石のシャインも何だか申し訳なくなった。
その時、コンコンとドアがノックされた。レビィが入ることを許可すると、スタッフがとある服を持って入ってきた。
「すいません。今年の『指定バトルスーツ』を渡せていませんでした。」
「ありがとうございます。」
レビィがスタッフから二着のバトルスーツを受け取った。
指定バトルスーツとは、綱糸と呼ばれる糸を縫い込むことにより、鎧以上の強度をもつスーツである。運営側が服装を指定することにより、少しでも公平性を生むことと、安全を守る役割をしている。
レビィはシャインに一着渡すと、
「じゃあ私、更衣室で着替えてくるから。」
と言って、控え室を後にした。
更衣室に移動したレビィ。中には既に数人いて、皆バトルスーツに着替えていた。その中に1人、水色の髪のポニーテールに銀色の瞳をもつ少女──トワイラ・ターコイズを発見した。
「あっ、トワイラ。」
レビィが声をかける。
「おっ、レビィ。おひさ〜。」
下着姿のトワイラが気が付き、手を振って応える。
「トワイラ、もしかして蛇帝高校の代表選手に?」
「ううん。私はパートナーのほう。」
「へぇ、パートナーなんだ。代表選手は誰なの?」
「あ〜…まぁ…後で分かるよ。」
どこか歯切れの悪い返答をした後、トワイラが話題を変える。
「てか、そういうあんたは代表選手なの?」
「ううん。私もパートナー。」
「と、いうことは代表選手はシャンってことね?」
「うん。」
「ふ〜ん…躊躇なくあなたを選んでいるシャンが目に浮かぶわ。」
少し嫉妬を含んだ視線を送るトワイラは先に着替えを終える。
「ま、もしも対戦する時は手加減なんてしないから。シャンがそれを望むわけないからね。」
ニコッと笑った後、着替え終えたトワイラは更衣室を後にした。
(なんだかあんまり乗る気じゃない感じだったわね。)
レビィはトワイラのテンションがあまり高くないことを少し気にしながらも、着替えを始めた。
背中と左胸に空を昇る龍の刺繍がされ、ピチッとしたジャージのような着心地のバトルスーツに着替え終えた控え室に戻ると、同じバトルスーツを着るシャインがソファに寝転んで昼寝をしていた。
レビィはシャインの寝顔を覗き込みながら、シャインが自分をパートナーに選んだ日のことを思い出す。
ホームルームでナナリーの口から代表選手がシャインだと発表され、教室内は祝福と応援の声に溢れる。そしてダブルスにルール変更され、パートナーを決める必要があると伝えられた。提出期限は1週間で、条件は在校生であれば性別及び学年は問わないらしい。それを聞いたシャインは、
「1週間もいらねぇよ。」
と、言って席から立ち上がると、真っ直ぐレビィの元へ歩いた。そして一言、
「やるぞ。」
と、告げた。レビィは唐突な選抜にキョトンとした顔でシャインを見詰めたまま、
「う、うん。」
と、その場の空気に流される形で頷くのであった。
(あの時はいきなりで思わず頷いちゃったけど…本当に私で良かったのかな…)
レビィはジーッとシャインを見詰めたまま、心の中に不安を宿す。
「そんなに見られると、目ぇ開けずらいんだけど。」
完全に寝ていると思い込んでいたレビィは、いきなりシャインが喋り出したため、反射的に頬を赤らめながら後ろに飛び跳ねた。
「さて、そろそろ開会式か。」
シャインはソファから起き上がり、グーっと背伸びをする。レビィは心の中の不安を消す為、意を決して尋ねることにした。
「……ねぇシャイン、あの──」
「お前は俺の夜叉で、俺はお前の主。これ以上に相性の良いパートナーはいねぇだろ?」
レビィの不安の見透かしていたかように、シャインは聞き終える前に答えた。レビィは先回りして答えられたことに驚くが、心の中の不安がスーッと消え、代わりに決心が芽生えた。
「うん。そうだね、頑張ろう!」
レビィの決心した瞳を見て、シャインは口角だけを上げて笑うと、共に開会式へと向かった。
「レディース!アーンド!ジェントルメーン!大変お待たせ致しました!これより!12校の魔法科高校の頂点を決める!KING OF MAGICを開催します!」
コロシアムのど真ん中。シルクハットに燕尾服姿の男性司会者が、開催の宣言を告げると、満員の観客席が盛大に盛り上がった。
「本大会よりルールが一新!二対二のダブルスとなったことにより、新たな熱き戦いが繰り広げられることでしょう!──それでは早速!各校の代表選手及びパートナーに入場して頂きます!」
司会者の合図により、去年の12位から順にフィールドへと入場していく。奇数は東ゲート、偶数は西ゲートから入場する形となっており、シャインとレビィは東ゲート前で待機していた。
「初めまして。シャイン先輩とレビィ先輩ですよね?」
背後から初めて聞く声で呼ばれ、シャインとレビィが振り返った。そこには身長160cm、黒色ショートに赤いメッシュが入った髪に、真紅色の瞳をもつ小柄の少年がニコッと微笑んで立っていた。
「玉座に鎮座する蛇…もしかして蛇帝高校の代表選手?」
小柄の少年が着用するバトルスーツの左胸の刺繍を見て、レビィが尋ねる。
「はい。蛇帝高校1年、『ヴァン・ピレブロード』と申します。そして、トワイラ先輩の婚約者です。」
ヴァンと名乗った少年が、とんでもない発言をしたことにより、ピシッとシャインとレビィは固まってしまった。
「嘘をばら撒くな。」
その時、ヴァンの背後から現れたトワイラがヴァンの脳天にチョップを喰らわせた。
「いった〜!ツッコミの一撃じゃないですよトワイラ先輩!」
その場でしゃがみ込み、叩かれた箇所を擦るヴァン。
「どういうことだトワイラ?──てか、お前が蛇帝高校のパートナー枠か。」
自然の流れで現れたトワイラに対してシャインが訊く。
「あっ、うん。今日はよろしくねシャン。──で、さっきこの子が言ったのは嘘だからね。私はシャン一筋だから安心して。」
トワイラはシャインの手を取ってギュッと握るが、シャインはパッとすぐに振り解いた。
「じゃあどうして、ヴァン君はそんな嘘を?」
レビィが嘘をついた理由を尋ねる。
「昔どこかで私を見かけたみたいで、その時に一目惚れしたんだって。で、調べて私が通う高校を突き止めたから、後輩として入学してきたらしい。」
トワイラがやれやれと呆れた顔をする。
「殆どストーカーじゃねぇか。よくこんな奴のパートナーになったな。」
シャインが軽蔑の視線をヴァンに向ける。
「だって皆がいる前で本気で土下座されたんだもん。断れる空気じゃなかったよ…。」
周囲に生徒や先生がいる中庭の真ん中で、完璧な土下座を見せるヴァンを思い出し、トワイラが苦笑いする。
「ある意味策士ね…。」
レビィもその状況を想像して苦笑いした。
「でも、ここまできた以上は例え相手がシャンでも手加減しないからね。」
トワイラがニッと笑いかけると、
「ああ、望むところだ。」
シャインもフッと笑ってみせた。
「続いての選手達の入場です!昨年3位の蛇帝高校の代表選手!今年唯一の1年生!ヴァン・ピレブロード選手と!パートナーのトワイラ・ターコイズ選手です!」
司会者から入場の合図をされ、ヴァンとトワイラはコロシアム内へと入場していく。
「なんとヴァン選手の魔法は絶滅魔法とのこと!去年に続き、本当に絶滅しているのか疑いたくなるくらい絶滅魔法の使い手が現れますね!対してパートナーのトワイラ選手は水属性魔法!その可憐な美貌と水魔法のコラボレーションに期待です!」
「トワイラ、水神魔法ということは隠しているのか。」
シャインが告げる。
「絶滅魔法の中でも神の力に属する魔法だからね、公にしてもあまりメリットがあるわけじゃないし、寧ろ周囲が騒いで大変になるのを避けているんじゃない?」
レビィが推測する。
「成る程な。」
シャインが納得する。
「それでは次の代表選手です!昨年2位の虎神高校の代表選手!絶滅魔法神力種の1つ、火神魔法の使い手!ダクネス・アルシオン選手と!パートナーのオウカ選手です!」
西ゲートが開き、入場してきたのは、身長185cm、金色短髪に金色の瞳をもち、右頬に十字の古傷がある男──ダクネス・アルシオンと、身長165cm、桜色の無造作ヘアに灰色の瞳をもつ少年──オウカであった。
「あ〜こういう大会は苦手なんすよね。疲れるから。」
観客からの歓声に気怠そうに手を振って応えるオウカ。
ダクネスは特にリアクションすることなく、真っ直ぐトワイラの元に歩いていった。
「よう、久しいなトワ。」
ダクネスがトワイラを見下す。
「ダクはちゃんと私のことトワって呼んでくれるんだね。あと、一応去年会ってはいるんだけど、覚えてないよね?」
「ああ。記憶にはねぇが、何があったのかはクレインとオウカから聞いている。」
「そっか。もう暴走しないようにね。」
トワイラがニコッと笑いながら上目遣いで忠告する。
「ああ、お前もな。」
今の返しでトワイラは確信した。ダクネスは自分の魔法が神力種だと気付いていると。
「……あ〜一応周りには隠しているからさ、内緒にしててね。」
トワイラはダクネスに近寄り、耳元で頼んだ。
ダクネスが鼻で笑って応えた時、司会者が最後の代表選手達を呼んだ。
「それでは最後の代表選手の入場です!去年1年生にて見事1位を獲得した龍空高校の代表選手!絶滅魔法である閃風魔法の使い手!シャイン・エメラルド選手と!なんとなんとパートナーも絶滅魔法だって!?絶滅魔法のバーゲンセール化が止まらない!夜叉魔法の使い手!レビィ・サファイア選手です!」
会場全員の視線が、開く東ゲートの扉に集まる。そして大歓声の中、満を持してシャインとレビィが入場してきた。
「やば、すごい緊張してきた。」
レビィは会場の熱気に圧倒され、緊張が一気に高まる。
「堂々としてたらいいんだよ。」
表情変えずにレビィを励ますシャイン。そして2人が他の選手達と合流したところで、司会者が進行する。
「さぁ!これにて全選手が揃いました!新ルールとなったKOMの初代王者となるのはどの高校か!KING OF MAGICの開催を今!宣言します!」
司会者の高らかな宣言と同時に、空には大きな花火が上がり、会場の熱気は最高潮に達するのであった。
本日はお読み下さり誠にありがとうございます!
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それでは今回のプロフィールは…『サナ』でございます!それでは、どうぞ!
名前:サナ・クリスタル
魔法名:なし。攻撃魔法全般使用可能。
戦闘方法:詠唱
身長:158cm
体重:47kg
髪:金髪のショートヘア。前髪を赤色でシンプルなデザインをしたヘアピンで留めている。
瞳:金色の瞳
誕生日:4月30日
血液型:A型
バスト:Aカップ
好きな食べ物:研究の片手間に食べられるもの
嫌いな食べ物:食べるのが手間な料理
好きな教科:日常的に研究しているため、好き嫌いの概念がない
嫌いな教科:上記と同じ
キャラクターモデル:『テイルズオブヴェスペリア』より『リタ・モルディオ』
【名前の由来】
びっくりするくらい覚えていないんですよね…。どこからこの名前がきたのでしょうか…。ただ、このキャラはもう『サナ・クリスタル』なので、皆様もどうか愛して下さい。
それではまたお会いしましょう!次回をお楽しみに!




