50話 神々の関係
こんにちは!作者です!今回でルコード編最終話です!
そしてなんと祝50話でございます!いや〜ここまでくるのに思った10倍以上はかかりました…。それでも何とか書けてこれていますので、今度もよろしくお願いします!
──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。
夜の繁華街。その裏路地を走るのは、ルコードとイアス。そして2人を追いかけるトワイラであった。
「待って下さい!話を聞いて下さい!」
トワイラが必死に呼び止めるが、ルコードとイアスが止まる気配はない。
「もう!分からず屋!」
聞く耳を持たない2人に対し、トワイラは少し苛つきながら追いかけた。
数分後。ルコードとイアスが行き着いた先は、建設中の工事現場であった。夜のため工事は行っておらず、無人状態である。行き止まりにもなっており、ようやくトワイラが2人に追いついた。
「はぁ…はぁ…やっと追いついた。」
トワイラは呼吸を整え、イアスはルコードを庇うように立っている。
「貴女、水魔法を使うと言っていたわね。つまり、『ウォースイター』を宿しているってこと?」
イアスが確認するように尋ねると、トワイラは頷いて肯定した。
「はい。私は絶滅魔法神力種──水神魔法が使えます。ルコードさんの氷魔法、本当は同じ神力種の『氷神魔法』ですよね?」
「……それを知って、貴女はどうしたいの?」
肯定も否定もしないイアスはトワイラの目的を尋ねる。するとトワイラは頭の上に『・・・』を浮かべた。
「あ〜…そこまで考えてなかったな。本当にただ確かめたかっただけだからなぁ〜…」
トワイラはブツブツと独り言を呟いた後、
「えっと…同じ神力種同士仲良くしたいなぁ〜って感じですかね。」
と、笑いながら答える。だが、ルコードとイアス、特にイアスは納得していない表情をしていた。
「あ〜…信じてもらえる雰囲気じゃないですね…。──じゃあ逆に訊きますけど、何でそんなに信じてくれないんですか?」
「貴女も神と契約しているなら、我々の関係のことも知っているでしょ?」
イアスが睨みながら問うと、トワイラがため息をついた。
「はぁ…また神様同士のいざこざですか。ホント、契約者を巻き込まないでほしいんですけど。──てか我々って、まるで自分が神様みたいな言い方をしま──」
トワイラはイアスの言葉の表現にして聞こうとした途中で察する。
「まさかイアスさん…『神様ご本人』ですか?」
トワイラからの問いに対し、イアスは『変身』という形で答えた。
イアスは全身を冷気で覆い、次に現れた時にはビジネススーツから踊り子のような服装に変わり、肌の色が透き通った水色へと変色した。
「ええそうよ。私は氷の神『アイヒョウス』。」
幻想的な姿へと変貌したイアス改めアイヒョウスが、ルコードに離れるように手で指示する。ルコードは素直に従い、そそくさと工事現場の隅へと避難した。
「マジですか…。そしてその雰囲気、戦う気満々ですね。」
やれやれな態度をしながらも、トワイラも準備運動を始める。
「はぁ…どうせ何を言っても聞く耳を持ってくれないですよね?だったら…私が勝ったらちゃんと話を聞いて下さいね。」
覚悟を決めたトワイラがグッと拳を握り、戦闘態勢になる。
トワイラとアイヒョウス。互いに相手の動きを伺い、張り詰めた緊張感が辺りを包む。そしていざ、戦闘が開始される瞬間、パン!と両手を合わせた音が突然響いた。
トワイラとアイヒョウスはピタッと動きを止め、同時に音がした方向に顔を向ける。
そこには茶色のロングヘアに琥珀色の瞳をもち、黒縁眼鏡をかける少年──ヒューズ・クオーツの姿があった。
「あなたは確か…シャンの友達の眼鏡君。」
トワイラが記憶を遡ってヒューズのことを思い出す。
「ヒューズ・クオーツです。改めてよろしくお願いします。」
ヒューズがニコッと爽やかな笑顔をトワイラに向けてから話を続ける。
「あのですね、こんな所で神の力同士が本気で戦ったら、この辺が全て更地になってしまいますよ。もう少し自分達の力の強さを自覚ほしいですね。」
ヒューズがやれやれと呆れながらトワイラ達に近寄る。
「貴方、私の正体に気付いていたの?」
アイヒョウスがヒューズに問う。
「いえ、確信はなかったですよ。ただトワイラさんがルコードさんと握手をした際、一瞬妙な反応をしていましたので。そこから後は私の憶測、推測、推理などなどを駆使して、今に至るというわけです。」
「成る程、頭が良い子だったってことね。」
アイヒョウスはまた冷気で全身を包むと、元のイアスの姿に戻った。
「ヒューズ君の言う通り、こんな所で争い事なんてどうかしていたわ。──ルコード、帰るわよ。」
冷静さを取り戻したイアスは、隅で待機していたルコードを呼び、そのまま去ろうとした。
「あっ、ちょっと!まだ話が済んで…!」
トワイラが去ろうとする2人を止める。
「トワイラさん、貴女に悪意がないのは信じましょう。でも私は他の神と馴れ合う気は毛頭ない。だから変に接触してこないで。」
そう言い残すと、イアスはルコードの手を取ってその場から去っていった。ルコードは引っ張られながらも、最後にトワイラの方を向いて、ゴメンねと口パクで伝えるのであった。
「あらら、行ってしまいましたね。」
ヒューズがルコード達の背中を見送りながら告げる。
「はぁ〜あ、どうしてこう神様達は仲が悪いんだろう。」
トワイラは呆れた表情で溜め息をつく。
「恐らく『あの神話』が関係しているのでしょう。」
「あの神話?」
「おや?トワイラさんご存知ないんです?」
「全然ピンとこない。あっ、ヒューズ君だっけ?もしも時間あるならその神話のこと教えてよ。」
「私は構いませんが。」
「よし、決まり!とりあえず場所移そ。」
トワイラとヒューズは神話について話すべく工事現場を後にした。
トワイラとヒューズは近くにあったエヌドナルドという名のフード店に入り、シェイクとコーヒーとポテトを頼んで席についていた。
「『属性戦争』?」
ポテトをつまみながら、ヒューズから聞いた言葉を復唱するトワイラ。
「そうです。私も所詮は神話のため、信憑性もへったくりもないと思っていたのですが、あなたやダクネス、そして今回のルコードさんのような神力種の存在を目の当たりした今、属性戦争も実際に起こったのではないかと思っている次第です。」
コーヒーを一飲みするヒューズ。
「ふ〜ん。で、どういう話なの?」
「トワイラさんは8つの属性には全て、その属性を創造した神がいるのはご存知です?」
「それはまぁ知ってるけど。実際私の中にもいるし。でも全員の名前を知ってるわけじゃないな〜。」
「成る程。では名前を簡単に紹介しましょう。まずはあなたの中にいる水の神『ウォースイター』。次にダクネスが宿す火の神『ファカイア』。ルコードさんが宿す氷の神『アイヒョウス』。残りの5属性が、風の神『ウインフウド』、地の神『グラジウンド』、雷の神『サンライダー』、光の神『ライコウト』、闇の神『ダークアンネス』。以上が神々の名前です。 」
「オーケー、全然覚えられないけど続けて。」
名前を覚えることを早々に諦めたトワイラ。ヒューズは気にせず話を続ける。
「8属性の神々は信仰対象となっており、人間達は自分と同じ属性の神を自然と信仰するようになっていきます。すると何が起こるのか。それは自分達が崇める神は、他の神より優れていると主張し始めるのです。そして主張はどんどんと激しくなっていき、最終的に争いが勃発します。」
「それが属性戦争ってこと?」
「いえ。これだけだと人間同士の宗教的問題の争い程度で終わってしまいます。ここからが神話として語られる所以の展開です。この人間同士の争いに、神々が自ら参戦してしまったのです。突然の神々の乱入より、争いは一気に激化。終戦した時には、大地は変形し、空は割れ、海は干上がっていたとか。多くの犠牲者を出し、天変地異すらも起こしたこの戦争こそが、属性戦争と呼ばれる神話です。」
「成る程ね。じゃあその戦争のせいで神様達は仲が悪くなった、と。」
最後のポテトを食べるトワイラ。
「そういうことです。加えてこの戦争には勝者はいません。全員痛み分けで終戦したというのも、仲違いに拍車をかけているのでしょうね。」
ヒューズはコーヒーを飲み干した。
「はぁ…神様ならもっと寛大でいてほしいね。」
トワイラは席を立ち、帰る準備をする。
「教えてくれてありがとうヒューズ君。これでスッキリしたよ。」
「こちらこそ。コーヒーとポテト、ご馳走様です。」
トワイラはじゃあねと言って手を振り、その場を後にした。1人となったヒューズも帰る準備をして店を後にした。
「『ルコード・フリズは神力種』。成る程、情報通りでしたか。」
1人呟くヒューズは、賑わう繁華街へと姿を消すのであった。
本日はお読み下さり誠にありがとうございます!
少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!
さて、神様の名前がいっぱい出てきましたが、一応名前には法則性があるので紹介しておきます。その方が覚えやすいかもしれませんしね。
では一斉に〜…ドーーン!
火:『ファイア×火』→『ファ 火 イア』→『ファカイア』
水:『ウォーター×水』→『ウォー 水 ター』→『ウォースイター』
風:『ウインド×風』→『ウイ 風 ンド』→『ウイフウンド』
地:『グラウンド×地』→『グラ 地 ウンド』→『グラジウンド』
雷:『サンダー×雷』→『サン 雷 ダー』→『サンライダー』
氷:『アイス×氷』→『アイ 氷 ス』→『アイヒョウス』
光:『ライト×光』→『ライ 光 ト』→『ライコウト』
闇:『ダークネス×闇』→『ダーク 闇 ネス』→『ダークアンネス』
と、このように『英語の間に漢字の音読み』を入れて名前にしております。これで少しは覚えられたら幸いです。
さて!次回から遂にシャイン達が2年生となります!物語としても第1部が完結し、第2部に入るという感じになります!
またキリが良いところまで書き終えたら一気に投稿しますので、気長に待って頂けると幸いです!
それではまたお会いしましょう!次回をお楽しみに!




