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始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
6章:新たなる出会い

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47話 大切な友達の為なら

こんにちは!作者です!ゼーレ編2話目です!

さてさて、語ることもあまりないので早速行ってみましょう!



──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。

 ソノがゼーレと出会ったその日の夜。ソノは上機嫌にオムライスを食べていた。

「ずっと気になってたんだが、なんかずっと上機嫌だよな。」

同じくオムライスを食べるシャインが話しかける。

「はい!私今日初めて同い年のお友達ができたんです!」

「へぇ〜。そりゃ良かったな。どんな奴なんだ?」

「お名前はゼーレ・ジルコンさんです。盲目なんですけど、魔法の力で魂が見えるみたいです。」

「魂が?それはまたすげぇ魔法だな。」

「はい!それに博識で!ボーイッシュな姿もカッコよくて!それにそれに───!!」

ここからソノの『ゼーレの良いところ』マシンガントークが始まった。その熱量にシャインは少し圧倒されたが、とても笑顔で話すソノを見て、素直に聞き手へと回るであった。




 ソノとゼーレが出会って1週間が経過した。その間もソノはゼーレの元へ通い続け、様々な話をして時を過ごした。


 そして今日も今日とて、ソノはゼーレの家へと訪れていた。現在はベッドに横並びに座って談笑中である。

「へぇ〜、ゼーレの両親って学者さんなんですね。」

話題はゼーレの両親の仕事についてであった。

「ああ。魔法学という魔法について研究をしているんだ。詳しい内容は知らないが、なかなか大変みたいでな、たまにしか帰ってこない。」

「そうなんですか。それは寂しいですね。」

「確かに会えないのは寂しいが、この家にはバートラもスキニオもいる。そして今はソノもいる。寂しさを埋めるには充分過ぎるくらいさ。」

ゼーレがニコッと微笑む。

「ゼーレ〜〜!!」

嬉しすぎることを言われたソノはゼーレに勢いよく抱きついた。ベッドに倒れた2人は、そのままアハハと笑い合う。


 だがこの楽しい時間も、別室から何かが割れる音が聴こえてきた瞬間終了を迎えた。突然の音に2人はすぐに体を起こし、警戒心を高めた。

「バ、バートラさんが何か割ってしまったのでしょうか?」

小声でソノが訊く。

「いや、バートラは今買い物で不在だ。」

こちらも小声で答えるゼーレ。

「で、ではスキニオちゃんが何かを落としてしまったとか?」

「……そうであってほしいが。」

ゼーレは魂を探る(サーチ ザ ソウル)を発動して様子を伺った。すると知らない魂が3つ、この屋敷の中で感知したのだ。

「──!!ソノ!早くここから──!!」

ゼーレがソノに危機を知らせようとした瞬間、部屋の扉が乱暴に開けられ、武装した細身の男、小太りの男、小柄の男が入ってきた。

「──!?だ、誰ですか──!?」

ソノは咄嗟に青幽鬼魔法(ブルーファントム)を発動しようとする。しかし、小柄の男が先にソノの口元に布を押し付けた。するとソノは急に眠気に襲われ、力なくベッドに倒れた。

「ソノ!?」

音と気配でソノに何かあったことを勘付いたゼーレだが、ゼーレも同じように布を押し付けられ、強力な睡眠薬を無理矢理嗅がされた。意識が遠くなる中、男達の死角に潜む黒猫のスキニオの魂を感知したゼーレは、魂を探る(サーチ ザ ソウル)の魔法を発動する。

([ソウルリンク]…!)

魔法が発動した瞬間、ゼーレの魂とスキニオの魂が繋がった。

(スキニオ…頼む…!バートラと…()()()を…呼んできてくれ…!)

ゼーレはスキニオに助けを呼んでくるように、情報を直接魂に送った。スキニオはピクピクと耳と尻尾を反応させた後、てちてちと外に向かって動き始めた。

(頼ん…だよ…スキニ…オ………)

ゼーレはスキニオに全てを託すと、意識を失ってしまった。




 「ん……」

目が覚めたソノがむくりと体を起こす。寝起きのような状態で辺りを見渡すと、自分と同い年くらいの少女が沢山おり、全員意気消沈の状態であった。そして自分は錆びれた牢獄の中にいて、その牢獄は巨大な倉庫の中にあるということは理解できた。

(これは…どういう状態ですか…?)

場所は分かれど状況は理解出来ないソノが困惑していると、

「ソノ。」

突然背後から声をかけられ、ビクッと飛び跳ねる勢いで体を反応させて振り返った。

「落ち着けソノ。ボクだ。ゼーレだ。」

声をかけてきた者がゼーレだと分かると、ソノは少し心に安心が生まれた。

「どうやらボク達は人攫いに遭ったみたいだ。奴等は『ライクティーン』という組織で、ボク達くらいの女の子を誘拐しては裏社会で人身売買を行なっている。」

「そんな情報、どこで?」

「奴等の魂を見させてもらった。」

ゼーレが視線を向ける先。そこには自分達を攫った3人の男に加え、他の仲間達が酒盛りをしていた。全員で10人以上はいるだろうか。

「わ、私達売られちゃうんですか!?」

「ああ、このままだとな。」

「そ、そんな…!ど、どうしましょう…!」

ソノがあわあわと狼狽える

「落ち着くんだソノ。下手に抵抗して奴等を刺激すると、周りの女の子にも被害が出てしまう。今は奴等の出方を待とう。」

ゼーレは冷静にソノを宥めつつ、心の中でスキニオに希望を抱いていた。



 少し時間が経過し、酒盛りが終えたライクティーンの男達が、ソノ達を幽閉している牢獄に近付いてきた。

「さ〜て、そろそろ君達を売り飛ばしに行きましょうか。」

ソノとゼーレを攫った男の1人、小太りの男が下品が笑顔を浮かべながらソノ達を舐め回すように視線を向ける。女の子達は一気に膨れ上がった恐怖により、キャー!と悲鳴を上げながら牢獄の奥へと固まるように後退する。

「大丈夫大丈夫。君達は大事な商品だ。別に変な事はしないさ。ま、売られた先で何をされるかは知らねぇけどな。」

ゲラゲラと小太りの男が笑うと、他の仲間達も笑い出す。

「さぁ…新しい暮らしに送ってあげるよ。」

小太りの男は牢獄の鍵を開けると、逃げ惑う少女達の中から無作為に腕を掴み、どこかに連れて行こうとする。

「ま、待って下さい!」

その時、倉庫中に響き渡る声量でソノが叫んだ。その場にいる全員が一斉にソノへと視線を集める。

「なんだクソガキ?」

小太りの男が掴んでいた少女を乱暴に離してソノに近寄ると、見下ろすように睨み付ける。

「み、皆さん怖がっています!これ以上私達に手を出すなら、私が許しません!」

ソノは真っ直ぐ小太りの男を睨み返す。

「許さない、ねぇ。じゃあテメェにしたらどう許さないんだろうな!」

小太りの男はソノの腕を掴もうとする。次の瞬間、ソノの体から青い炎が発生し、小太りの男の腕を燃やしたのだ。

「うわぁぁぁぁぁ!!」

完全に油断していた小太りの男は自身の腕が燃やされたことにパニックなりながら仲間の元に後退する。

「あのガキ…!火属性の魔法使いか!」

男達は一斉に武器を構える。

「ソノ、その魔法……」

青き炎を纏うソノに、ゼーレが困惑した顔で声をかける。

「少し待ってて下さいゼーレ。この人達は私が倒します。」

「しかし……!」

ゼーレが止めようとするが、ソノはゼーレにニコッと微笑みかけた後、開いた扉から牢獄の外へと出ていった。

(大丈夫…なわけない…!ソノの魂が…青い炎に蝕まれていく…!)

魂が見えるゼーレだからこそ分かる異常。それはソノの魂が徐々に青い炎に侵食されていること。

「ガキが…!調子に乗るなよ!」

1人の男がソノに向けて拳銃で発泡した。しかし弾丸は、青い炎に包まれた瞬間に錆び付いていき、空中で塵になり消滅した。同じタイミングで、青い炎に燃やされた小太りの男の腕は骨と皮になるまで痩せ細り、腕として使い物にならなくなっていた。

「おい!あの炎、ただの炎じゃねぇぞ!」

青い炎が特殊なものだと見抜いた男が叫ぶと、男達はソノから遠ざかる。

「さぁ、大人しく私達を解放して下さい。」

ソノは青い炎の火力を上げて男達を脅迫する。


──だが、その時。


「そこまでだ炎のガキ!」

牢獄方面から呼ばれたソノが振り向くと、そこには自分達を攫った小柄の男がゼーレを拘束し、首元に刃物を突き立てていた。

「ゼーレ!!」

ソノが青い炎で助けようとするが、

「おっと動くな!さもないとお友達の首がスパッといっちまうぜ?」

小柄の男が更にグッと刃物をゼーレの首に近付ける。

「さっさと炎を消しな、ガキ。」

ゼーレを人質にとられ、何も出来なくなったソノは大人しく青い炎を自身の体に戻した。次の瞬間、片腕が痩せ細った小太りの男が鉄パイプでソノの後頭部を殴った。そしてうつ伏せに倒れたソノの髪を掴むと、強引に顔を上げた。

「このガキがぁ…!殺してやる…!」

今にもソノを殺しかねない小太りの男を、ソノ達を攫った男の1人である細身の男が止めた。

「待て!そのガキの力は別のところに売れるかもしれねぇ!」

「ああ…?どういうことだ?」

「多分だけど、そのガキの炎は命と魂とか、そういう類を吸い取る力があるんじゃないか。だったら、キモいロリコンのおっさんに売るんじゃなくて、裏社会の組織とかに兵器として売った方が金になるんじゃねぇか。」

細身の男の言葉に、他の仲間達が次々と賛同していく。小太りの男も周囲の空気を読み、ソノへの殺意を抑えた。しかし納得いかない小太りの男は、ゼーレの姿を見てとある復讐方法を思い付いた。

「なぁ、その白髪のガキってこのガキの連れなんだよな。」

小太りの男は小柄の男からゼーレを強引に奪い取ると、ソノの前まで引っ張る。ゼーレは必死に抵抗するが、成人男性の力に勝てるわけがなかった。

「おい、そっちのガキ押さえてろ。」

小太りの男が小柄の男にソノを拘束するように指示する。

「なにする気だよ?」

小柄の男はうつ伏せのソノの上に座り、腕を背中側に回して拘束する。

「このガキの前で連れのガキを陵辱してやるんだよ。そしたら絶望に叩き落とせるだろ。」

小太りの男がニヤリと気持ち悪い笑みを浮かべた。

「はぁ?商品を汚すんじゃねぇよ。」

「うるせぇ!そのガキが高値で売れんだろ!だったら他のガキが1人使えなくなっても損はねぇだろうが!」

小太りの男の必死さに負けた小柄の男は、ため息をついてから好きにしろと告げ、ソノを拘束しつつスマホを操作し始めた。

「へっへっへ、よく見ればガキのくせに良い体してんじゃねぇか。」

小太りの男は暴れるゼーレを体で押さえ込むようにして拘束すると、片手で器用にベルトを外し始めた。

「止めて…!ゼーレには手を出さないで下さい…!」

ソノは必死に拘束から逃れようとするが力が入らず、後頭部を殴られたことによる意識の朦朧で青い炎もうまく発動出来ない。

「おら!暴れんじゃねぇ!」

ズボンを脱いだ小太りの男が抵抗するゼーレの服を無理矢理脱がそうとする。

「止めろ…!止めろ…!止めろ…!」

ゼーレが襲われる光景を目の当たりにするソノの心の中で、徐々に()()()()()が大きくなっていく。

次の瞬間、ソノは自分の中で強大な力が膨れ上がっていることを感じ取った。だが同時に直感が告げてきた。この力は危険だと。

(そんなこと、知ったことか…!!)

大切な友達の為なら、己が直感なんて否定する。


──ソノは己が強大な力に身を委ねた。


 次の瞬間、ソノの心臓が大きく鼓動する。爪と犬歯が鋭く伸び、体から一気に青い炎が放出された。

拘束していた小柄の男は全身を燃やされ、苦しみながらソノから転げ落ちた。そして左胸を強く押さえながらのたうち回り、少し痙攣をした後、二度と動かなくなった。

青い炎は自我があるかのような動きながらソノに纏わり付き、その形を悪魔の羽と二本の角へと変化させる。

ゆっくりと立ち上がり、小太りの男を睨むソノの姿は、悪魔そのものであった。



──激しい感情の変化。

──急激な魔力の枯渇。

──これらに反応すると、絶滅魔法の魔力は体を乗っ取る可能性がある。

──それはソノの『殺意』に反応し、発動した。



──名は、『絶魔憑依(ぜつまひょうい)』。

本日はお読み下さり誠にありがとうございます!

少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!


暴走してしまったソノ。止められるのは一体誰なのか。


それではまたお会いしましょう!お楽しみに!

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