26話 青き炎
こんにちは!作者です!そろそろ前書きで話すことがなくなってきました!なので潔く話しません!
──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。
(うわっ!スタイルいい…!)
トワイラが心の中で羨ましがっていると、ソノが自分の後ろに隠れてきた。事情を訊こうとしたトワイラだが、ソノの怯える顔を見て、イルファが少なくとも味方ではないと認識した。
「ソノをこちらに渡してもらおうかしら。シャイン君。」
イルファが落ち着いた態度でシャインに交渉する。
「断る。革命軍が狙っているってことは、ソノの魔法は絶滅魔法なんだろ?なのにほいほいこいつを渡せるか。」
シャインが真っ向から拒否する。
「シャン、この人って悪い人?」
トワイラがシャインの背後から尋ねる。
「ああ。水面下で世界を壊すほどの計画を企てている組織の幹部だ。絶滅魔法の魔力を狙っている。」
「マジで!?激悪の人じゃん。」
「その子の存在は『特別』なの。今すぐこちらに渡しなさい。さもなければ、実力行使になるわよ。」
イルファがパチンと指を鳴らし、手元に分厚い本が出現させると、臨戦態勢となる。
「おいおい…いくら周りに人気がないからって、こんな公園でドンパチ始めたらすぐに騒ぎになるぞ。」
「私達はそれでも構わない。困るのは後処理をするOGだけよ。」
イルファの足元に魔法陣が展開される。
(妙に焦ってやがる。よほどソノがこっち側にいることを嫌がっているみたいだな。)
シャインは風砕牙を抜刀し、こちらも臨戦態勢をとる。
(武器は本……というよりは魔法主体って感じか。サナと同じと考えてもいいか。)
シャインがイルファの戦い方を推測していると、イルファが先に仕掛けてきた。
「[ブラックボックス]。」
イルファが本を開くと、トワイラとソノの足元から漆黒の箱が出現し、一瞬にして2人を閉じ込めた。
(発動まで早い…!サナレベルの魔法の使い手か…!)
シャインがトワイラ達に気を取られている間に、イルファが次の攻撃を仕掛ける。
「[エレメントフォース]!」
魔法が発動した瞬間、シャインの正面から突風が吹き荒れ、シャインを空中へと吹き飛ばした。すぐに体勢を整えるシャイン。そして突風の中に斬撃が紛れていることに気が付いた。
「ちっ…!」
シャインが風砕牙で襲ってくる斬撃を全て弾いて防御する。だが、イルファの攻撃は続く。
シャインを襲った突風はシャインの頭上水へと変化した。水は巨大な球体になると、シャインに落下して中に閉じ込めた。そして落下速度を速め、シャインを地面に叩きつけた。水はそのまま地面に浸透していく。
シャインが大の字で倒れて苦しんでいると、自分の真下の地面が揺れていることに気が付くが、少し遅かった。浸透した水は岩に変化しており、円錐の形でシャインの真下から勢いよく隆起し、シャインをまた空中に打ち上げた。
背中にまともに喰らったシャインは、なかなか体勢を戻せずにいる。その間に隆起した岩は弾けるように砕けると、バラバラになった岩が全て炎の玉へと変化する。そして落下してくるシャインの周囲を瞬時に取り囲むと、一斉に突撃して容赦無く炎上させた。
「………!!あっっっついんだよ!!」
シャインは叫びと共に能力解放をして、無理矢理纏わり付く炎を消し飛ばした。そして地面スレスレで体勢を戻して着地した。
「あら、能力解放に自由になれるようになっていたの。」
「夏休み中にな。結構苦労したんだぞ。」
黄緑一色の髪に金色の瞳になったシャインが、フラつきながらも立ち上がる。
「そう。でも、そのダメージだとあまり長くは保ちそうにないわね。」
「……余計なお世話だ。」
シャインは強気な態度をとりながら風砕牙を構える。イルファも次の攻撃を仕掛けるために構えた。
その時。トワイラとソノを閉じ込めている漆黒の箱に突如ヒビが入り、隙間から青き炎が漏れ始めたのだ。
シャインとイルファが異変に気付いた時、漆黒の箱は木っ端微塵に爆発し、中から青き炎が溢れてきた。爆発した瞬間、間一髪に危機から逃れたトワイラは放物線を描いて空中を飛び、くるりくるりと華麗に回転してからシャインの近くに着地した。
「あっぶなぁ〜!」
冷や汗ダラダラのトワイラが心からの声を上げる。
「おいトワイラ、あれは何だ?」
シャインが燃え盛る青い炎を見ながら尋ねる。
「真っ暗な空間に閉じ込められたことで、ソノちゃんがパニック状態になっちゃって、頑張って慰めていたの。でもその時、いきなりあの青い炎がソノちゃんの体から放たれて、真っ暗な空間を吹き飛ばすくらい一気に燃え広がったの。」
「じゃあ、あの炎の発生源はソノなのか。」
シャインが目を凝らすと、青い炎の中心部にうずくまるソノの姿を発見した。
「どーしよシャン!?このままじゃソノちゃんが…!」
トワイラが慌てふためいている。
「おいイルファ。お前、何か知ってんじゃねぇのか?」
シャインがイルファに問いかける。
「…………」
しかし、イルファは口を閉ざしたままであった。
「黙りかよ。じゃあいい。俺らで止めるぞ。」
シャインはイルファからの助言を諦め、自分達だけで助けることを決める。
「でも、どうやって助けるの?」
トワイラが救出方法を尋ねる。
「時間はなさそうだ。強行突破しかねぇだろ。」
シャインは覚悟を決め、自分に魔法をかける。
「[守護風陣]。」
風のバリアを纏うと、青い炎へと入っていくシャイン。すると、瞬く間に風のバリアにヒビが入っていく。
(能力解放状態の守護風陣ですらもう限界か……)
シャインは風のバリアが破壊される前に、急いでうずくまるソノに近寄った。
「ソノ。」
シャインはソノの前で片膝をつき、優しく声をかける。ソノは突然声をかけられたことにビックリする。すると、青い炎の火力が比例して強くなった。それより風のバリアの耐久力が一気に減り、破壊寸前となる。
「大丈夫だソノ…。俺は敵じゃない…。」
シャインは怯むことなく声をかけ続ける。
「いや…!怖い…!怖い…!一人ぼっちは嫌…!嫌…!嫌…!」
ソノの中で恐怖が増えるにつれ、青い炎の火力が更に強くなる。そして遂に風のバリアが破壊され、シャインが青い炎に飲まれてしまった。
「シャン!!」
トワイラが泣きそうな顔で叫ぶ。シャインは全く怯むことなく、そっと抱き締めた。
「ソノ、お前は1人はじゃねぇ。俺もいるし、トワイラもいる。なんなら俺の仲間達にも会わせてやる。」
「1人じゃ…ない?」
ソノにシャインの言葉が届き、ソノの感情が変化する。
「ああ。お前にはもう、孤独を感じさせねぇよ。」
「シャイン…さん…!」
ソノの頬に涙が伝い、徐々に青い炎の火力も弱まっていく。そして青い炎が鎮火すると、力を使い過ぎた影響か、ソノはヘタッとシャインに抱きかかえられるように気を失った。
「シャン!ソノちゃんは…!」
炎が消えたことにより、トワイラもシャインとソノの元に駆け寄った。
「気を失ってはいるが、呼吸もしているし大丈夫そうだ。」
能力解放を解き、気を失っているソノをお姫様抱っこするシャイン。
「良かった~!」
トワイラがホッと胸を撫でおろす。
「…………」
イルファは無言のまま、シャイン達を見詰める。
「どうした?今なら奪い返すチャンスだぞ?」
シャインが何も仕掛けてこないイルファに挑発気味に訊く。
「止めておくわ。どうやらOGが嗅ぎつけたみたいだから。」
イルファの言う通り、OGの隊員らしき者達がイルファを取り囲むように戦闘配備していた。
「ホント、煩わしいほど鼻が利く連中ね。」
イルファは小さくため息をつくと、自身の足元に魔法陣を展開させる。
「その子の事は一旦預けるわ。でも、必ず取り返すから。」
そう言い残したイルファは魔法陣で転移し、その場から消え去った。それにより、取り囲んでいたOG隊員達も公園から去っていった。
「どーしよ、色んな事が起こり過ぎてドッと疲れたんだけど。」
トワイラが体をダランとさせる。
「俺も似たようなものだ。取り敢えず、サナの元に行くぞ。」
シャインは目的は変えず、ソノをお姫様抱っこしたまま龍空高校へと向かった。
「待って〜!私も行く〜!」
トワイラもシャインの後を追い、共に龍空高校へと向かうのであった。
──そして2人は気付かなかった。青き炎で燃やされた草木が全て、『枯れている』ことに。
本日はお読み下さり誠にありがとうございます!
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青い炎ってロマンがあって私は好きです。次回はそんな青い炎の正体が分かる…かも!
それではまた明日、お会いしましょう!お楽しみに!




