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始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
4章:青き炎

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25話 紫髪の少女

こんにちは!作者です!今回は新キャラの登場です!



──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。

 龍空祭から月日が流れ、木々は紅葉し、吹く風の冷たさも秋を感じさせるものとなり、季節は10月となった。




 「はぁ…!はぁ…!」

紫色のミディアムヘアーに紫色の瞳をもち、黒を基調としたゴスロリを着た13歳ほどの少女が、切羽詰まった顔で裏路地を駆けていた。少女の背後からは3人の黒スーツの男が迫ってきている。

 右に曲がり、左に曲がり、入り組んだ裏路地を逃げる紫髪の少女。それでも黒スーツ達は振り払えず、遂に行き止まりに追い詰められてしまった。

「さぁ、大人しく捕まってもらおうか。」

黒スーツの男の1人が、懐から拳銃を取り出す。紫髪の少女は恐怖に包まれた顔で後退りしていく途中で、落ちていた空き缶を踏んでしまい、バタンと尻もちをついてしまった。

「嫌…!嫌…!来ないで下さい…!」

紫髪の少女が震えた声で必死に叫ぶが、黒スーツ達は容赦なく近付いてくる。

だが次の瞬間、紫髪の少女の体から青い炎が発火したのだ。

「まずい!あの炎に触れるな!」

黒スーツ達が慌ててその場から離れようとするが、少女から放たれた青い炎はまるで生き物かように動き、黒スーツ達の退路を塞いだ。そして瞬く間に黒スーツ達を包み込んだ。

「ぐっ…!がっ…!あっ…!」

青い炎に包まれた黒スーツ達はその場で倒れて悶えた後、二度と動かなくなった。しかし炎に包まれたというのに、黒スーツ達の体には一切の火傷がない。

「はぁ…はぁ…はぁ…ま、また…してしまいました…」

紫髪の少女が動揺している間に青い炎は自然と鎮火された。紫髪の少女はまだ動揺している状態だが、ゆっくりと立ち上がると、動かなくなった黒スーツ達に謝罪の意を込めて頭を下げ、その場から走り去っていった。




  「ハ…ハ…ハクション!」

自室のベッドの上。苦しそうなクシャミをしたのは、紺色のロングヘアーに青色の瞳をもつ少女──レビィ・サファイアであった。今はパジャマを着て、額には熱さまシートが貼られている。

コンコン、と部屋のドアがノックされ、入ってきたのは先端がカールした紺色の髪に青色の瞳をもつレビィの母親──フィリアであった。

「どう?少しはマシになった?」

フィリアはレビィの顔を覗き込む。

「うん…ちょっとマシになった。」

レビィが視線だけ動かしてフィリアの顔を見る。

「そう、良かった。後でシュークリーム持ってきてあげるから、大人しくしておきなさいよ。」

「シュークリーム…?」

「ええ。さっきシャイン君がお見舞いということで持ってきてくれたの。パティツーのシュークリームよ。」

「……そっか。シャインは?」

「長居する気はないって、もう帰っちゃったわ。次に登校した時はお礼言っておきなさいよ。」

そう言ってフィリアはレビィの部屋から出ていった。

1人になったレビィは、ぼーっとする頭でシャインの顔を思い浮かべると、

「顔くらい見せてくれたっていいじゃん…」

と、呟いた。

(なんだ、我が主に会いたかったのか?)

心の中にいる夜叉魔法の化身─ナイトが、茶化すような口調で訊く。

「う、うるさい!もう寝る!」

体中に恥ずかしさが走ったレビィは、掛け布団に包まると、誤魔化すように狸寝入りをした。




 レビィの元にシュークリームを届けた黒色の中に黄緑色が混じるセミロングの髪に黄緑色の瞳をもつ少年──シャイン・エメラルドは、学生寮へと戻るべくのんびりと住宅街を歩いていた。

(レビィでも風邪引くんだな。あれか、頭が良いから逆に引いたのか。)

中身が空っぽな事を考えているシャインが十字路に差し掛かった時、ドン!と誰かとぶつかった。

シャインはぶつかった相手が黒を基調としたゴスロリを着た紫髪の少女だと分かると、少女が尻もちをつく前に手を掴んで転倒を阻止した。

「悪い、大丈夫か?」

シャインが手を離しながら尋ねると、

「だ、大丈夫です!ありがとうございました!」

紫髪の少女はあたふたしながら礼を言うと、すぐにその場から走り去っていった。

(なんだ今の子…仮装パーティでもあるのか?)

シャインが少し気になっていると、2人の黒スーツの男が少女を追って隣を通過していった。

()()()()()がお待ちだ!急いであの少女を捕まえるぞ!」

走り去る黒スーツ達の会話から、シャインは『イルファ』という名前に反応した。

(イルファだと?まさか今の奴等、革命軍か!)

シャインは黒スーツの男達を追って走り出した。




 ずっと走り続けた紫髪の少女。流石に体力の限界がきた為、現在橋の下で身を隠していた。そして呼吸が落ち着いたところで移動を再開しようとした時、黒スーツの男2人が追いついてしまった。

「あっ…あっ…!」

万事休すとなった紫髪の少女は黒スーツ達に背を向け、慌てて逃げようとしたが、足がもつれてうつ伏せに転倒してしまう。

「今だ!捕らえろ!」

黒スーツの1人が少女に近付こうとした瞬間、真横から強烈な飛び蹴りを喰らい吹き飛んでいった。

「な、何者だ!?」

もう1人の黒スーツが突然現れた誰かに銃口を向ける。しかし、誰かの方が圧倒的に速く、一瞬にして懐に入られると、顎にアッパーを喰らい、そのままノックダウンした。

「無事か?」

黒スーツ達をものの数秒で倒した少年─シャインが、うつ伏せに倒れている紫髪の少女に手を差し出す。

「あ、あなたはぶつかった人……」

少女は差し出された手を掴んで立ち上がる。

「俺はシャイン・エメラルドだ。お前さん、名前は?」

「えっ、えっと…『ソノ・アメシスト』です。」

紫髪の少女がソノと名乗る。

「ソノだな。単調直入に訊くが、何で革命軍に追われていた?」

シャインが直球に尋ねると、ソノは目を丸くして驚く。

「シャインさん、革命軍を知っているんですか?」

「ああ。ちょっと訳ありでな。それで、ソノは何で狙われていた?」

「わ、私は……」

ソノが答えようとした時、グゥ〜と可愛らしい音がお腹から鳴った。ソノは顔を赤らめ、咄嗟に両手でお腹を隠した。

「はは、まずは腹ごしらえだな。行こうぜ、何か食わせてやる。」

シャインは軽く笑うと、付いてくるように告げる。ソノは少し悩んだが、シャインから悪意を感じなかった為、背中を追うことにした。




 場所は移り、公園のベンチ。シャインとソノは横並びに座り、コンビニで購入したおにぎりを食べていた。ソノはよほどお腹が減っていたのか、5個あったおにぎりをペロリと平らげた。

「えらく腹減ってたんだな。」

ソノの食べっぷりを見て、シャインはクスッと笑った。

「シャインさん!ご馳走様でした!助かりました!」

元気になったソノが可愛らしい笑顔で礼を言う。

「気にすんな。──それで話を戻すが、どうしてソノは革命軍から逃げていたんだ?」

シャインが質問をすると、ソノは先程までの元気はどこかにいき、顔を曇らせてうつむいてしまった。

「それが分からないんです。なんだがポッカリ記憶に穴が空いたみたいで、自分の名前以外何も思い出せないんです。」

全く予想していなかった展開に、流石のシャインも驚いている。

「記憶喪失ってやつか?」

「そう…なのかもしれません。」

「でもよ、革命軍の事は知っているんだろ?」

「革命軍の名前は私を捕まえようとした人達がそう名乗っていたから知っていただけです。」

「じゃあ狙われている理由は分からねぇってことか?」

「分かりません。でも何だか『革命軍の元には行ってはいけない。』って、直感が言っているようで…。だからあの黒のスーツの人達から逃げていたんです。」

「ならその直感、信じて良かったな。」

「やっぱり…悪い人達なんですね。」

「ああ。どうやら世界をぶっ壊すくらいの計画を企んでいるらしい。」

「めちゃくちゃ悪い人達ですね。」

「ああ。めちゃくちゃ悪い連中だ。」

シャインとソノが会話していると、シャインとソノの耳にこちらへどんどんと近付いてくる足音が聴こえてきた。


──タタタタタタタタ!


「シャーーーーーーーーーーーーン!!!」

足音の正体は、水色の髪のポニーテールに銀色の瞳をもつシャインの幼馴染の少女──トワイラ・ターコイズであった。

トワイラは真っ直ぐシャインに突進すると、勢いそのままに抱き付いた。シャインはバランスを崩し、トワイラと共にベンチの後ろ側へと倒れた。

「トワイラ!?何でお前がここに?」

シャインは自分の上に股がる予想外の人物に驚いている。

「シャン久し振り〜!KOM以来だね〜!」

トワイラはキラキラと輝かせる銀色の瞳で見詰める。

「あ、ああ…そうだな。──とりあえず、まず下りろ。」

シャインが注意すると、トワイラはゴメンゴメンと謝りながら素直に離れた。

「で、何でお前がここにいる?」

立ち上がりながらシャインが尋ねる。

「ずーっと会いに行こうと思ってたんだけど、色々とタイミングが合わなくて…。だけど今日、やっと会いに行けるタイミングが出来たから、龍空高校へ向かっていたところだったの。そしたらまさかこんな早く会えるなんて感激だよ〜!」

トワイラが再度シャインに抱き付き、胸板にスリスリと頬擦りする。その時、ようやくソノの存在に気が付いた。

トワイラの勢いに呆然としているソノとシャインを交互に見て、

「誰との子よ!」

と、迫真な顔で叫びつつシャインから離れた。

「どういう思考回路だ…」

シャインが呆れながらツッコミを入れるのであった。



 「記憶喪失か…流石に実際になった人なんて周りにいないから、どうしたらいいか分かんないや。」

シャインから事情を聞いたトワイラが首を傾げる。

「やっぱこういう時に頼るのは頭が良い奴だよな。」

そう言いながらシャインが何処かに向かおうとする。

「あれ?何処に行くの?」

トワイラが尋ねると、シャインが立ち止まって答える。

「サナだ。あいつは頭良いから記憶喪失の治し方も知ってるかもしれねぇ。つーわけで、龍空高校の学生寮に行くぞ。」

シャインが目的地を告げると、トワイラは即承諾してベンチから立ち上がる。しかしソノは立ち上がらず、俯いたままであった。

「すいません…。今日出会ったばっかりのお二人にこんなにご迷惑を……」

ソノがしゅんとした顔で謝ると、トワイラがソノと目線が同じになるまで屈み、頭を撫でた。

「気にしない気にしない。ここで私達が出会ったのも何かの縁。私もシャンも困っているソノちゃんを助けたいの。だから一緒に行こ?」

トワイラが優しい笑みを浮かべる。ソノはトワイラの笑顔に釣られ、少しだけ笑顔を浮かべると、

「はい。」

と、元気よく返事をしてベンチから立ち上がった。

「よーし!じゃあ龍空高校に向けてしゅっぱーつ!」

トワイラがソノと手を繋いで歩き出そうとした時、シャインが腕を2人の前に出して止めた。

「どうしたの?」

トワイラがシャインと同じ方向に顔を向けた。

そこには茶色のロングヘアーに黄色の瞳をもち、ピシッとしたワインレッドのスーツにノーフレームの眼鏡を身に着ける女性──革命軍三柱(みはしら)の1人、『イルファ』が立っていた。

本日はお読み下さり誠にありがとうございます!

少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!



新キャラ、『ソノ・アメシスト』ちゃんが登場しました。この子はこの先のストーリーをどう盛り上げてくれるのでしょうか。今から楽しみです!

ミリアも久々に登場しましたね。登場した理由は簡単です。ただ出したかった。それだけです。


それではまた明日、お会いしましょう!お楽しみに!

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