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始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
3章:龍空祭

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24/73

24話 打ち上げパニック

こんにちは!作者です!文化祭編最終話です!

数話前まで少しシリアスだったので、最終話はのんびり回にしました。気軽に読んで下さい。



──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。

 校内の復旧は優秀な魔法大工達により迅速に行われ、革命軍襲撃から3日後には終了した。3日目の龍空祭も生徒達の頑張りによって装飾なども元に戻り、無事終えることが出来た。




 龍空祭3日目の夜。学生寮の食堂の一角に、1年1組のクラスメイト達が集合していた。テーブルを並べて1つの大きなテーブルにし、その上に様々なお肉が並べられていく。1人1人の前にはジュースが入ったジョッキも置かれていき、今から焼肉パーティが始まるみたいだ。

 「よーし!全員飲み物持ったなー!」

盛り上げ役男子が、ジョッキを持って一番奥に設置した段ボールの土台の上に立つ。他のクラスメイトもジョッキを持って待機する。

「では!我らパジャマ喫茶入賞を祝ってぇ〜〜〜……かんぱーーーーい!!!」

盛り上げ役の男子生徒が掛け声と共にジョッキを掲げると、クラスメイト達もジョッキを掲げて乾杯と叫んだ。


 「いや〜!色々あったけど、無事入賞できて良かったね〜!」

テーブルの一角に、いつものシャイン達7人が集まっており、上機嫌のエアルが肉を焼いていく。

「入賞って言っても5位だけどな。」

エアルの右隣で同じく肉を焼くスノウが茶々を入れる。

「入賞しただけでもスゴいと思うけど。」

テーブルを挟み、エアルの前に座るレビィはサラダを食べている。

「だよねー!あれだけあった出し物の中で5位だよ!スゴいに決まってる!」

エアルが肉を挟むトングをスノウに向ける。

「分かった分かった。トングで指してくるな。」

スノウは両手を上げ、降参ポーズをとる。

「そう言えばアレン、学校側にはどう説明したのですか?」

エアルの左隣に座るヒューズが、前に座るアレンに尋ねる。

「マスコミへの説明と同じだよ。謎のテロリストの襲撃ってことにしている。下手に説明を変えてしまうと、いずれどこかで矛盾や違和感が生じてしまうからね。」

アレンは焼けたお肉を食べながら答える。

「それでも疑い深い奴は真実を知ろうと躍起になるんじゃない?」

アレンの右隣で小さめの本を片手に座るサナが尋ねる。

「そういう人がいた場合は、申し訳ないけど神隠しにあってもらうしかないね。」

ニッと爽やかな笑みを浮かべてとんでもないことを言うアレン。サナとヒューズはその微笑みに少し恐怖を覚えるのであった。

「よっしゃあ!盛り上がってきたところでこいつが到着だー!」

盛り上げ役男子がババーンと紹介したのは、モニターにスピーカー、そしてマイクのカラオケセットであった。

「よーし!最初に歌いたい奴は誰だー!」

盛り上げ役男子がトップバッターを募ると、エアルが誰よりも早く手を挙げた。

「はいはい!歌う歌う!私とレビィが!」

「えっ!?」

突然の巻き込みに、レビィは驚きの顔のまま固まってしまった。

「いいじゃんほら!私も一緒に歌うから!」

ノリノリのエアルが、拒むレビィの腕を掴んでカラオケセットへと連れて行く。

「い、いいって!いいって!私そういうキャラじゃないし!」

レビィはぶんぶんと顔を振って拒むが、今のエアルの前では無意味な抵抗であった。

「よーし、2人は何歌うんだ?」

盛り上げ役男子が歌う曲を訊く。

「そういえば決めてなかった。ん〜…じゃあ『キャンパスヘブン』で♪」

エアルが曲名を告げると、機械操作係の生徒がカラオケセットに曲を入力した。そしてイントロが流れ出すと、クラスメイト達のテンションもより一層高まった。

「ほらレビィ、この曲なら歌えるでしょ?」

「う、歌えるけど…そういう問題じゃ…」

恥ずかしそうにするレビィに、エアルがギュッとマイクを持たせる。

「レビィ、今この瞬間に必要なのは上手い下手じゃなくて、ノリとテンションだよ♪」

エアルが全力で楽しんでいる笑みを見せる。

「……あはは!確かにそうかも!」

レビィはエアルの笑みに釣られて笑い、自然と歌う覚悟が出来た。

「「アユレディ〜〜…!?」」

エアルとレビィのコールに、クラスメイト達は「イエーーーーー!!!」と全力でレスポンスした。


 トップバッターのエアルとレビィの曲が終わり、パーティ会場はより盛り上がりを見せた。そこから途切れることなく、クラスメイト達が次々に歌っていく。


 盛り上がりは最高潮を迎えている中、ここまで黙々と食べていたシャインが、徐ろに席を立って何処かに去っていく。レビィは去っていくシャインの背中に気付き、小さく首を傾げた。


 学生寮の玄関ホール。そこにはソファやテーブルが設置された簡単なラウンジがある。そこでシャインはソファに座り、片手に持つコップを傾け、中のジュースを飲んでいる。

「なーにやってるの?」

そこにレビィが合流した。手にはジュース入りのコップとチョコレートが何個か乗った丸皿を持っている。

「……騒がしい所に長く居すぎた。耳を休ませる為にここにいる。」

「そう言えばシャイン、耳良かったね。どうしてなの?」

レビィが質問しながら自然とシャインの隣に座り、手に持っていたコップと丸皿を前のテーブルに置く。

「どうしてって言われてもなぁ…生まれ付きとしか言えねぇ。」

「体質ってこと?」

「まぁそんなところだ。俺は昔から小さな音や声を常人よりもかなり聞き取れる。だがその代償に、騒音過ぎる所に長居すると、耳が疲れて頭痛が起きるんだ。」

「へぇ、一長一短って感じだね。──じゃあもしかして今、頭痛が起きているの?」

レビィが心配した顔でシャインの顔を覗き込む。

「す、少しだけだ。休めば治る。」

不意にレビィが近寄ってきた為、シャインは反射的に顔を背けて答える。

「そっか、良かった。じゃあ気分転換に甘いものなんてどう?さっきデザートで出てきたチョコあるよ。」

レビィは丸皿に乗ったチョコレートをシャインに勧めつつ、先に自分が1つ摘んでパクッと食べた。

「じゃ、遠慮なく貰おうかね。」

シャインもチョコレートを1つ口に入れた。そして噛んだ瞬間、中からジュワッと液状のものが溢れてきた。その液状なものからは、なんとアルコールを感じたのだ。

「おいこれって、確かウイスキーボンボンっていう酒が入っているやつじゃねぇか。」

シャインは咄嗟にジュースでチョコレートを流し込む。

「流石にこれを未成年達がバクバク食うのはヤベェだろ。──おいレビィ、早く戻って回収を……」

シャインがレビィの方に視線を向けた時、レビィの顔が妙に赤く、目がトロンとしていた。

「ま、まさか……」

シャインはレビィに起きた異変を察し、苦笑いをした。




 食堂の一角、まだまだ盛り上がる1年1組の打ち上げ会場。テーブルにはデザートととして甘めのお菓子がバイキングのように並べられている。

「あれ?そーいえばレビィとシャインは?」

エアルが2人がいないことに気が付く。

「少し前からいないわよ。」

小さめの本に視線を落としたままサナが教える。

「ほほう♪2人だけで会場を抜け出して何をしてるんでしょうかね〜?」

エアルが恋愛センサーをピコピコ反応させる。

「まーあの2人、キスした仲だからな。ワンチャンあるんじゃねぇか。」

スノウもニヤニヤと笑う。

「だよねー♪もしかしたらイチャイチャしながら戻って───!」

次の瞬間、エアルの話を遮るように、背後を(風砕牙)を抜刀したシャインが勢いよく通過した。シャインは多少滑りながらも床に着地して停止する。

「なになになに!?」

唐突な出来事にエアルがパニックになる。

「敵襲か!?」

スノウは反射的に拳を構え、シャインと同じ方向に視線を向ける。そこにいたのはなんとレビィであった。

「なんだレビィかよ。イチャイチャは別に良いけどよ、周りに迷惑をかけるドダバタは止めてくれよ。」

スノウは戦闘態勢をやめ、やれやれと呆れる。

「待って。レビィの様子がおかしいわ。」

読書を中止したサナが席を立ち、レビィの異変に気が付く。

「なんだかフラフラしているね。何かに取り憑かれた?それとも何者かに操られている?」

アレンの考察を、シャインが否定する。

「アレン、残念だが両方違う。あれはただ──」

「もぉ〜♡シャイン〜♡逃げないでよぉ〜♡」

遮ったレビィの声はどこか妖艶さを含んでいた。そしてよく見ると、レビィは現在ブレザーを脱ぎ、カッターシャツのボタンも胸元が見えてしまうほど外している格好となっていた。

「わー!わー!見るな男子どもー!」

クラスメイトの女子達が男子達の目潰しを開始する。

「はぁ〜暑い♡もうちょっと脱ごうかな〜♡」

レビィはパタパタを手で扇ぐ仕草をした後、ボタンを更に外そうとする。

「レ、レビィ!ストップ!ストーップ!」

エアルが慌てて制止すると、レビィはぷ~っと頬を膨らませた。

「どうして〜?こんなに暑いのに〜…」

レビィはイジイジといじけてしまう。

「どうやら意思疎通は出来るようですね。ですが、一体何があったのですか?」

ヒューズがシャインに事情を尋ねる。

「それが原因だ。」

シャインはテーブルの上に置いてある様々なチョコレートの中から1つのチョコレートを指差す。サナは指されたチョコレートを摘むと、パクッと食べた。

「……ウイスキーボンボンね。」

「そうだ。つまり今のレビィはただ酔っ払っているだけなんだ。」

シャインが呆れた顔で真実を告げる。

「いや、アルコールに弱過ぎだろ!別人格になってんじゃねぇか!」

スノウが迫真のツッコミをする。

「どうやらレビィは酔ってしまうと少し大胆になってしまうようですね。」

ヒューズがクスクスと笑う。

「ねぇ〜さっきから私を置いて何を話しているのぉ〜?私も混ぜてよ〜♡」

レビィが色めいた笑みを浮かべながら、千鳥足で近付いてくる。

「てゆ〜かぁ〜ホントに皆暑くないの〜?えへへぇ〜♡私も脱ぐからさぁ〜、皆も一緒に脱ごうよぉ〜♡」

フラフラと近付いてくるレビィがまた服のボタンを外そうとするので、

「わー!わー!だからレビィ脱いじゃダメだって!失うよ!なんか大事なものを失うよ!」

エアルがまた必死に叫んで止める。

「大丈夫だよぉ〜♡私が皆を脱ぎ脱ぎさせてあげるから♡」

そう言いながらレビィは(夜桜)を抜刀する。

「やべぇ!肉ごと脱がせる気だ!」

突然のピンチにスノウが防御態勢になる。

「気をつけろ。今のレビィには加減がねぇ。マジで肉ごと持っていかれるぞ。」

シャインが油断なく風砕牙を構える。

「そんな身構えなくても、動きを止めるだけでしょ。」

余裕を見せるサナが魔法を唱える。するとレビィの足元に魔法陣が展開し、数本の蔓が出現して捕縛しようする。しかし、レビィが捕縛速度を上回る速さで回避した。

「はやっ…!」

予想外の速さにサナが呆気にとられる間に、レビィはサナの背後に回っていた。

「じゃあまず〜♡サナから脱ぎ脱ぎしましょうねぇ〜♡」

レビィが艶かしい手付きでサナの服のボタンを器用に外していく。

「きゃっ!?」

サナは普段は決して言うことのない可愛らしい悲鳴を上げて顔を真っ赤にする。

「レビィ!ダメー!サナはそういうキャラじゃなーい!」

エアルが抱きつくようにレビィを止めにかかるが、簡単に避けられてしまう。

「な〜に〜?エアルが先に脱ぎたいのぉ〜?仕方がないなぁ〜♡」

レビィ絡みつくようにエアルを掴めると、色っぽい手付きでエアルの顔を触り、そのまま胸元のボタンを外していく。

「いや〜!何かを失っちゃう〜!」

エアルが顔を真っ赤にしながら助けを求める。

「悪いがレビィ!力尽くでも止めるぞ!そして水を飲ませる!」

シャインがレビィを捕まえようと手を伸ばすが、レビィはひらりと跳び上がって回避する。そしてそのままシャインの上に落下すると、馬乗りになって逆にシャインを拘束し、顔スレスレの所に夜桜をザクッ!と突き刺した。

「つ〜かまえ〜た♡えへへ♡さぁシャイン、脱ぎ脱ぎしよ〜ね♡」

レビィは先に自分のシャツのボタンを外し、遂に下着が見える状態となった。シャインが顔を赤らめ、反射的に視線を外すと、その反応が面白かったのか、レビィがクスクスと笑う。

「あはは〜♡シャインって意外とウブな反応するんだねぇ〜♡じゃ〜あ〜……♡」

レビィはゆっくりと上半身を前に倒していき、シャインの耳元に口を近付けると、

「もっと恥ずかしいことしたらどんな反応するのかな♡」

と、色っぽい声で囁いた。

シャインは頭の中ではダメだと理解している。だが、シャインも所詮は男。目の前の美少女に妖艶な囁きをされたら、本能的にナニかを期待してしまう。

「ジッとしててね♡」

レビィが囁いた時、シャインはもう逃げられないと悟り、覚悟を決めてギュッと目を閉じた。しかし、そこから何もされることがなくなり、恐る恐る目を開けた。するとそこには、スヤスヤと気持ちよさそうに眠るレビィの寝顔があった。

「………はぁぁぁぁ〜〜〜〜〜………」

シャインは安堵からの大きなため息をつくと、レビィを上に乗せたまま大の字に倒れた。

「いい?ここにいる全員に警告しておくわ。今後一切、悪ふざけでもレビィにアルコールを与えないこと。いいわね?」

サナからの警告に対し、食堂にいる全員が同時に首を縦に振るであった。





 次の日。酔いからすっかり回復レビィが、昨日の自身の行いを聞かされ、死にたくなるほど恥ずかしい思いをしたのは言うまでもなかった。

本日はお読み下さり誠にありがとうございます!

少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!


今回をもって文化祭編終了となります!えっ?途中から文化祭が関係ない?…時には触れないで良いほう事もありますよ。

さて!次回はなんとまた新キャラの登場です!

それではまた明日、お会いしましょう!お楽しに!

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