空を見上げるように詩を読んでみよう(春)
瑞月さん、実は別のペンネームを持っていて詩を書くこともあります。
だから、お気に入りの詩を並べて、今月は詩集特集を棚に並べようと画策中。そして、今さがしているのが来月の子どもの日を想定したものと、春を感じられるもの。
そして、そのそばには桜餅と温かい緑茶が置いてありました。
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❀「小さな勇者」
https://book1.adouzi.eu.org/n4149jh/
作:のどあめ さま
子どもの成長ってとても速いものですよね。赤ちゃんだと思っていたのにハイハイをはじめ、動き出したと思っていたらしっかりと走り出して。
小さい癖に、大人顔負けの屁理屈をこねだしたり……。
そして、保育園や幼稚園を卒業して、成長に涙して。大きくなったなって。思いますよね。
でもね、大きなランドセルを背負って、一生懸命歩くその子の姿を見ると、あれ? こんなに小さかったっけ?って思うようになるんです。
そして、そんな小さな子どもたちは、まだ見も知らない同年齢の様々な子たちと関わっていきます。
まるで、勇者みたいだと思いませんか?
そんなことを気づいた瞬間がとてもきれいに切り取られた、素敵な詩です。
❀「鯉のぼりのように」
https://book1.adouzi.eu.org/n9562iy/
作 本羽 香那さま
みなさま、鯉のぼりを思い浮かべてどんな姿を思い浮かべますか?
雄大に空を泳ぐ元気な姿でしょうか?
それとも、子ども達が風車のように持って風を受けているかわいい姿でしょうか?
だけど、この詩はそんな鯉のぼりに思いを馳せたものではありませんでした。
じっと時を待つ。
そして、機を逃さない。5月の空に泳ぐ鯉のぼりは、だからこんなに力強く泳いで見えるのでしょうね。
ぜひ、読んでみてください!
❀「鯉のぼり」
https://book1.adouzi.eu.org/n8268kd/
作者: 歌川 詩季 さま
知っていましたか? こいのぼりは子どもが大きく育つように出世するように飾ります。いつか竜になるために、鯉が滝登りするんです。
だけど、出世だけが『幸福』なのでしょうか?
様々な出会いを経て、彼(鯉のぼり)がそこに留まる理由は、意外といたって簡単なのかも、そんなことを考えてしまいます。
❀「たとえ明日世界が滅びるとしても、私は今日桜の樹を植えよう」
https://book1.adouzi.eu.org/n5930ho/
作:逢乃 雫さま
もし、明日世界が滅ぶとしたら、あなたは何をするのでしょう?
私は、結局同じことを繰り返していると思います。朝起きて、仕事に行って、ご飯を食べて、……。
布団に入った頃に、不安になって眠れずに。
だけど、もし、そんな世界がやってきたとしても、明日に希望がもてるのであれば。
桜の花びら覆う丘。
もう一度その景色を見る未来を感じられたなら、明日を待ち遠しい気持ちで、眠りに就くことが出来るかもしれません。
もし、明日世界が滅ぶとしても。
それは、明日にならなければ分からないのですから。
そんな希望と力をもらえます。
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すっかり葉桜になってしまった桜を見つめ、だいぶ体に馴染んできた一年生のランドセルを眺めます。まだ、授業が短いのでしょうね。
瑞月さんは、やっぱり春は希望と成長を感じられるものだわね、と桜餅にかぶりつきました。
「おいしい」
そして、微笑みます。
明日世界が滅んだとしても、今日中に鯉のぼりは店に飾るべきね、と心に決めて。
そんなことを思いながら、ミニ鯉のぼりはどこに片付けたかなぁと、頭を捻り始めました。





