ずっと見守っているよ
幸運の女神視点です。
「まさか自らの出産を、わたし自身の手で手伝うことになるとは……」
『幸運の女神の発動』
それが何かと言えば、わたし自身が女神となることだった。
ソフィアさんと乗った列車の中で、あの真っ白な本が頭の中に入ってきて、様々な情報が入力された。
そして人間と女神でノガミ・ミカが分かれた。
うん、何言ってるかわからないよね。
まあ現状のわたしは2人いるということだ。
いや、ちゃんと言うと1人と1柱だね。
人間のミカは金髪、女神のバージョンの方はピンクの髪色に瞳となっている。
なんでこうなったのかをソーちゃんに聞いたら「日本は桜のイメージがあるし、見ると幸せを感じるでしょ? 幸運の女神の象徴みたいな感じ?」とか言われた。
因みにユキが青髪青目なのも水に囲まれた島国で過ごしてきた年数が長かったから、水を司るタイプになったのだろうということだ。
知恵や叡智の代表であるソフィアさんの跡継ぎってわけでもないんだね。
あと女神Verの方では生まれ変わり全ての記憶がある。
それを聞いた疫病神のやっくんが、わたしを見て逃げ出したのは記憶に新しいところだ。
別に復讐しようとか思ってないのに。
人間のミカの出産時、周りには女神になったわたし、ソーちゃん、スミレさん、ソフィアさんが取り囲み各々が赤子に光を送っていた。
もちろん、医師たちには見えないようにしていたけど、誰かが見ていたら異常な光景だっただろう。
わたしは幸運を、ソーちゃんは始まりを、スミレさんは美を、ソフィアさんは知を。
あと、わたしみたいになったら困るので、後々やっくんとびーちゃんに僅かな不運を入れてもらった。
やる気を出されすぎたら困るのでソフィアさんに監視してもらったけどね。
わたしが女神化して1番喜んでいるのはソーちゃんだろう。
なんせこの姿を見て「これからもずっと一緒にいれるね!」なんて大はしゃぎしてたくらいだし。
まあユキやスミレさんも喜んでたけど。
チナツさんだけは「わたしだけ人間のままじゃない」とか残念がってた。
「しかしなんでハルがモモの名付けの時に、わたしの案を却下したかわかったね」
人間のミカに抱っこされながら、家の中で元気よく泣く女の子の赤ちゃん。
わたしは姿を消しながら近付き、2人をそっと見守る。
「おー、よしよし『サクラ』どうしたの〜?」
わたしの髪色と同じ名前の赤ちゃん。
サキちゃんと一緒に元気よく育ってね。
ずっと見守っているよ。




