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ソロ配信

 想定外の事態を終え自分の家に帰ってくる。

 最近はコラボすることが多かったので今日は久々のソロ配信だ。

 

「はいーこんにちは」


 ソロ配信なので適当に挨拶する。

 配信を始めて数秒でコメント欄が流れ始める。

 コメント欄を見ながら『rex』のランクマッチをやる。


「あと2日で270位なの絶望的なんだけど」


 ・こんにちはー

 ・ソロ配信感謝

 ・いや270位も凄いんだけどね

 ・1位とりすぎて感覚おかしなってる

 ・病院行こか


 多分今期は1位になるのは無理だができるだけ上げておこう。

 ランクマッチだったが珍しく初動で被る敵が多かった。

 

「これランクだよね?なんか初動の敵多くない?」


 戦闘中に喋ったはいいもののコメント欄を見ることができない。

 こういう時にもコメントを読める配信者がいるので不思議だ。


 ・ランクだと思う

 ・おやおやおや

 ・これはもしや……

 ・香ばしいな

 ・ついにれんも被害にあうのか


 味方2人は倒されてしまったがなんとか初動ファイトを制した。

 バナーを拾って俺は敵の物資を漁る。


「俺いっつも味方死なせちゃうんだよなあ」


 ・でも勝つ

 ・なんで勝てんねん

 ・マジうますぎやろ

 ・よう1人で勝てるな

 ・お前が日本を世界に導くんや

 ・チート?


 俺をプロにさせようとする人もいるしチートを疑う人もいる。

 俺はそこそこエイムは良いが立ち回りは終わっているのでチートを疑われても仕方がないのだが、


「昔の話だけど俺推しの参加型にチート使いながら出れるほどの度胸持ち合わせてないぞ」


 ・草

 ・確かに

 ・それはそう

 ・でもあの頃よりエイム良くない?

 ・なんか安定感あるよね


「あー俺感度落としたんだよ。確か前は振り向き8センチだったかな」


 ・は?

 ・くっそハイセンシやん

 ・感度は合わせるより慣れろを体現した男

 ・今の感度は?

 ・感度どうやって合わせてる?


「今は1.4だね。基本人の感度マネするよ。まあ変えたのこの1回だけだけど。感度変えて沼るくらいなら今の感度で練習するかな」


 ・説得力が違う

 ・俺もまねしよ

 ・プロでもその感度使ってる人多いよなあ

 ・これどこ行ってんの?

 ・感度誰の真似したん?


 味方を蘇生し敵の居そうな方へ向かう。

 安地を予測して移動してもブロンズ相当の立ち回りしかできないのでだったら敵を倒そうという訳だ。


「感度は友達の真似したよ。1か月弱でダイヤ帯に行った友達。ていうかさあ、その友達配信見てるからこういう話するの恥ずいんだよね」


 ・1か月弱でなんだって?

 ・類は友呼びすぎだろ

 ・2000時間ワイプラチナなう

 ・草

 ・いえーい見ってるー

 

 リスナーと話しながら敵を倒してく。

 俺が先頭で味方2人が後ろからついてくる形なのだが味方が来る前に全員倒してしまった。


「やべー、味方にキルポ渡し損ねたな―」


 初動ファイトでは倒されてしまったのでキルポは少ないだろう。

 タブキーを押して確認するとどちらも1キルだった。

 チャンピオン帯で1キルは全然盛れないだろう。


 ・強者の悩みで草

 ・味方ついてこれてないって

 ・チャンピオン帯の人でもこんなに差があるんやな

 ・違うれんが強すぎる

 ira・ツヨスギー今倒したの俺です

 ・わーお


 見知った名前を見かける。


「え、今のiraさんなんですか?」


 キルログには匿名としか書かれていなかった。

 配信中だったようで見てみると俺の観戦画面だったので本当だとわかる。


 できるだけ味方にキルポを渡そうとしながら1位を取った。

 試合が終わると250位まで上がる。

 この辺の順位は総合ポイントが大して変わらないのですぐに上がっていく。

 ロビーに戻ってきてすぐに準備完了を押す。


「やっぱソロ配信は気が楽だね」


 ・草

 ・だってコラボしてる人が

 ・他の人なら変わるかもしれん

 ゆうぁと・ナイス1位~

 ・ままー

 ・まだちゃうやろ


「ゆうぁとさんじゃん」


 ゆうぁと・live2d使えるよー

 ・おおおおお

 ・キター

 ・楽しみー

 ゆうぁと・因みにまきまきの新衣装も仕立てたよー

 ・ええええええ


「え、それこんなとこで言っていいんですか」


 ゆうぁと・まあ大丈夫でしょ

 ・いいんかw

 ・まあ大丈夫か

 ・楽しみが2つ増えたな

 ・1つにまとまる可能性があるゾ

 ・ありそうやな


 裏で舞希と計画してたことがバレてしまった。

 まだ日程は決まっていないが近々やることになるだろう。

 ……舞希のとこを考えると由香里の事を思い出してしまう。

 あんなこと言わなければよかったなあとまた反省する。

 こうなったら数日の間は思い出してしまうので記憶を消したい。


「あ、ていうかさ今日マンションのお隣さんの家にお邪魔してご飯食べたんだよね」


 ・どゆこと?

 ・知り合いなん?

 ・良かったね

 ・俺ご飯食ってねえや

 

「友達とそのお母さんと食べたんだよ。めっちゃおいしかったわ」


 いつも食べてるご飯がおいしくないという訳ではない。

 根拠はないが人と食べたからだろうか。

 ここ1年ずっと1人で食べていたのでそのせいかもしれない。

 そう思うと俺って寂しがりやなのかもしれない。

 コミュ障と寂しがりやとか最高にめんどくさい。


 ランクマッチ2戦目も初動で被る敵が多かった。


「何でこんな多いんだろう」


 被っていた敵を全員倒した後に言う。

 当然のように味方は倒されていた。


 ・あ

 ・まずい

 ・G

 ・ゴ、-スティング

 ・タマタマジャナイカナ


「あーゴースティングね」


 確かに納得だ。

 ランクマッチでこの被る人数は異常なのだ。

 ただゴースティングは有名は配信者がされるものだと思っていたが俺でもされるんだな。

 まあ勝っているから文句はない。

 何なら俺は戦闘大好きマンなので嬉しい。

 初動ファイトにはムーブの立ち回りが関係ないからね。


「ていうかソロ配信おもろいねー」


 ・配信もっと増やして

 ・無理しないで毎秒配信してくれ

 ・無理してでもしてくれ

 ・楽しそうでなにより

 碧舞希・わたしとは?


「あ゛っ」


 操作していた手が止まる。

 目はゲーム画面ではなくコメント欄に釘付けになる。

 

「え……あの……その……なん……いや……楽しいです」


 段々と言葉の勢いがなくなっていく。


 碧舞希・ならよかった

 ・てぇてぇ

 ・口角上がりすぎて無いなった

 ・ニヤニヤしちゃう

 ゆうぁと・うちの姉弟仲いいな

 ・おねショタってこと?

 

 とりあえず気を紛らわすためにゲームの操作に戻ろうとすると、


「あれなんか死んでね?」


 俺のキャラはHPが赤くなっておりダウン状態になっていた。

 こんな感じのを前も見たことある気がする。


 ・あ

 ・でたーw

 ・トロータスさん?

 ・そういえばこういう人だったな

 ・最近なさ過ぎて忘れてた

 

 結局味方も倒されてしまい8位で終わってしまう。

 

 とある理由で手が震えすぎて今日の配信はここで終わった。

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