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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 5. ブライトネス王国ラピスラズリ公爵領発フォルトナ王国着の弾丸ツアー〜他種族との国交樹立とフォルトナ王国諸問題の解決という名の無理難題を七年以内に達成せよ〜

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Act.5-9 第一回異界のバトルロイヤルの開幕 scene.1 上

 ……書きたい欲には抗えなかった。

 ということで、バトルロイヤル開幕です! このバトルロイヤルが終わってから旅編を書きます。これまでよりも大幅に章内話数が増えますが、気にしないでください。

<一人称視点・ローザ=ラピスラズリ>


 緑霊の森に向かい勧誘したのは全部で四人。


 一人目はエルフ族長のハイエルフ、エイミーン=メグメル。魔法の実力が高く、保有魔力も豊富で八種類の魔法を同時に発動できる八重術者(オクテット)でもあるなど魔法の才に恵まれた女性。その見た目とは裏腹に千年以上を生き、多くの経験に裏打ちされた戦術や策謀に長ける……ロリババアは禁句だよ。


 二人目は妖精王(オベロン)翠妖精エルフ)のミスルトウ=オミェーラ。エルフとしての魔法の実力こそエイミーンに劣る六重術者(セクステット)ではあるものの、『Ancient Faerys On-line』の魔法や飛行能力といった高い実力を持つ。彼を脅威たらしめた『神殺しの焔(レーヴァテイン)』は失われたものの今でも強敵であることには変わらないねぇ。


 三人目はマグノーリエ=メグメル。実母エイミーンに劣る六重術者(セクステット)ではあるものの原初魔法、瀬島新代魔法、『SWORD & MAJIK ON-LINE』のマジックスキル、各種闘気の心得があり、霸者の気の覚醒にこそ至っていないけど、エイミーンやミスルトウに勝るとも劣らない強敵であることには変わりないねぇ。


 そして、四人目はプリムヴェール=オミェーラ。『銀光降星のエスパダ・ロペラ』を扱う魔法剣士スタイルで、魔法の使い手としては三人に実力が劣る三重術者(トライアド)ではあるものの、原初魔法、瀬島新代魔法、『SWORD & MAJIK ON-LINE』のマジックスキル、千羽鬼殺流と『SWORD & MAJIK ON-LINE』のウェポンスキル、各種闘気の心得があり、それらで補って余りある強さを得ている。個人的には《鬼斬機関》で雇ってもらえる程度の剣技の使い手には育っているし、剣術レベルで言えば中の上程度……まあ、ここからいくらでも育っていけると思うけどねぇ。マグノーリエもそうだけどまだまだ若い訳だし。


 この四人を勧誘して族長の屋敷で食事を摂った後に、ボク達は王宮の謁見の間に転移して、参加メンバーの中で面識がないメンバーにボクの正体やこの世界の真実などの基本的な説明をした。勿論、知っているべき情報と知らなくてもいい情報の線引きはきっちりあるから余計なことは話さない。


 メリダやホネスト以外に基本的な情報を知らないメンバーは四人。


 一人目はブライトネス王国の第二騎士団の騎士団長ディーエル=ノッディルク。

 実は性別を偽って騎士団に入団した女性で、かつてはゲイル=ルディノックを名乗っていた。代々騎士を輩出してきたノッディルク男爵家の出身で、騎士として立派に活躍する父や二人の兄に憧れていたが、過保護な父と二人の兄はディーエルが騎士になることを頑なに認めなかったため、家を出奔、冒険者として腕を磨き、入団試験に性別と名前を偽って参加してトップ通過したという経歴があるらしい……ジーノ伝いに知っただけだけどねぇ。ちなみに、乙女ゲームにも設定資料集にも登場しない。

 かつては髪を短くして男物の無骨な鎧を使っていたみたいだけど、正体を明かした後は長い金髪を背中まで伸ばして戦乙女のような鎧を着用している。


 二人目はブライトネス王国の第三騎士団の騎士団長モーランジュ=サルヴァトーレ。

 無性髭を生やしたワイルドな雰囲気を感じさせる軽装備の騎士でやや暗殺剣技寄りの変幻自在な剣技を使うらしいねぇ。……ちなみに彼も乙女ゲームや設定資料集には登場しない。


 三人目はブライトネス王国の第二騎馬隊長ペルミタージュ=レストレイ。青髪の巨大な体躯を持つ眼鏡をかけた青年で大薙刀を扱う。『蒼騎士』の異名を持ち、青い鎧を身に纏っている。……彼も乙女ゲームや設定資料集には登場しない。


 最後は近衛隊の隊長シモン=グスタフ。ダークブロンドの髪を持つ攻略対象に選ばれてもおかしくないほどの美形の貴公子でレイピアとマン=ゴーシュを組み合わせた突きをメインにした騎士剣術を得意とするらしい。……彼も乙女ゲームや設定資料集には登場しない。


 まあ、清々しいほどに乙女ゲームや設定資料集には登場しない異世界化に伴って穴を埋めるように生まれた人達だねぇ……それにしてはキャラが濃過ぎるけど。


「つまり、私達宮廷魔法師の実力を示せばいいということだな! 貧弱な魔法省の連中など叩きのめしてやる!」


「……という話だったらどれほど楽かって思うんんだけどねぇ。今回はボクが作り出す専用の空間で戦ってもらう。戦いは表側時間軸で三時間くらいを予定しているけど、内部では三日ぐらいの長期戦になるから、まあ食事と睡眠は必要じゃないし、肉体的疲労は蓄積しないようにするけど精神的疲労は確実にあるから覚悟しておいてもらいたいねぇ。戦場となる空間は五つのエリアからなる空間で、その中で七日間戦ってもらうことになる。スタートしたらすぐに緑のゲージが出現するんだけど、そこに出ている数値がゼロになったらゲームオーバー。HPがゼロになったプレイヤーは時間加速終了後のタイミングに他のプレイヤーと一緒に外に排出されることになるから安心してねぇ。HPがゼロになったプレイヤーはマイナス一ポイント、逆にプレイヤーのHPゲージをゼロにしたプレイヤーには一ポイントが加算される。その合計値の上位プレイヤー三名に硝子製の記念トロフィーとビオラ商会で使える金券をプレゼントするよ。関係のないみんなには是非是非三位までに入賞を目指してもらいたいねぇ。それとは別に本筋の魔法省……というか、ボクが発案した魔力の属性を変化させる武器の採用に関しては、魔法省と宮廷魔法師団の代表……つまり、魔法省はヴェモンハルト殿下とスザンナ様、宮廷魔法師団は団長のメリダ様と副団長のホネスト様、それぞれの合算で計算すれば問題ないよねぇ」


「……あの、提案したのがローザ様なのであれば、ローザ様も魔法省側として参加なされるべきなのでは?」


「別にボクは宮廷魔法師団が採用しようとしまいと、頑なに採用を拒んだ結果全滅しても、なんならその結果ブライトネス王国が滅亡しようとも直接的な関係はないからねぇ。まあ、そうなればまず間違いなく最悪の事態になる前にラインヴェルドに宮廷魔法師団は解体されるだろうけど。別に宮廷魔法師団が強いとも思ってないしさ……君達、魔法省を舐め過ぎだし」


「ほほう、お前は宮廷魔法師が弱いというか? 面白いな。転生者だか、貴族令嬢だかなんだか知らんが現実というものを教えてやろう。机上の空論を並べ立て、くだらない魔道具を作ることに精を出す連中と、常日頃から訓練に訓練を重ねた叩き上げの実力の差をな!」


 本当に魔法省と宮廷魔法師団って仲悪いんだねぇ。


「……これ、本当に大丈夫なのか? ローザという公爵令嬢は強いのだろう?」


「強いも何も、ブライトネス王国を秒殺できる反則級の存在だ。……確かに宮廷魔法師団を急成長させた女傑で、下の者達の才能を引き出そうという深慮も秘めていると噂されるが、魔法省と確執がある上に、ローザの愛くるしい見た目の奥にある恐ろしさに気づけていないとなれば決着は戦う前から分かっていると言えるだろう。まあ、実際にローザの恐ろしさを知ったのは彼女が戦っているの姿を見た時だったが」


「……確かに、一見すると育ちの良さそうな三歳程度の貴族の娘、だな。その細腕にブライトネス王国の兵力を相手にできるほどの力があるとは思えん」


 そのひそひそ話、聞こえているよ? 全く愛くるしい見た目とか、そんな訳ないでしょう? 既に悪役令嬢に相応しい悪役顔の片鱗があるし、可愛い系よりどっちかというと美しい系だからねぇ、ローザって。


「そういえば、HPがゼロになったプレイヤーはマイナス一ポイント、逆にプレイヤーのHPゲージをゼロにしたプレイヤーには一ポイントが加算されるんだよな? だけど、このルールならプレイヤーゲージをゼロにしたプレイヤーに一ポイント加算するだけでいいよな。それに、エリアも五つで、三日も時間が用意されているってことは、何かクソ楽しめるネタがあるんだよな?」


「まあ、そうだねぇ。実は内部には魔物みたいなものが出現する。ソイツらに負けた場合もHPがゼロになったプレイヤーだからマイナス一ポイントにはなるんだけど、魔物はプレイヤーじゃないからポイント加算はされないんだよ。このゲームは確かに多くのポイントを獲得した方が勝ちなんだけど、魔物に負けないってことも重要になる。逆に、ポイントを沢山貯めているのなら、魔物に一ポイント支払って離脱することで順位を固定することもできるんだよねぇ。……まあ、エリアには安全地帯を用意をするけど、その数はあまり多くするつもりはないし、いつまでもそこに留まってはいられないから、移動中の魔物への警戒は重要になるねぇ。それに、プレイヤーは安全地帯にも入ることができるから警戒を解くことはできないんだけど。ただし、三日間生き残ったプレイヤーには五ポイントを加算するし、三日目には倒した時に獲得できるポイントが二倍になる。基本的なルール説明は以上だよ。まあ後は細かいルールがあるけど、それは各々各自で試行錯誤してねぇ。それじゃあ準備はできたかな? アーネスト様、三時間の間見張りよろしくねぇ」


「……流石にこんなことをしているとバレたら大変なことになるからな。人払いは任せておけ」


 アーネストが溜息混じりに了承したのを確認して、ボクは統合アイテムストレージから取り出した直接脳波で操作できる眼鏡型の「E.DEVISE」を掛けて起動する。

 出現した青いタッチパネルに脳波で直接パスワードを入力して使用可能な状態にして、そこから「E.DEVISE」と『管理者権限』を強引に接続――『異世界ユーニファイドサーバー』にログインし、「B(ブルー).ドメイン」を研究する中で完成したボク達だけのドメイン――「L(リリー).ドメイン」への通路を開いた。


「さあ、バトルロイヤルを始めましょう!」


 そして、『Eternal Fairytale On-line』の決闘(デュエル)のシステムを一部流用した「L(リリー).ドメイン」で第一回異界のバトルロイヤルと呼ばれる大会の幕が切って落とされる。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 もし何かお読みになる中でふと感じたことがありましたら遠慮なく感想欄で呟いてください。私はできる限り返信させて頂きます。また、感想欄は覗くだけでも新たな発見があるかもしれない場所ですので、創作の種を探している方も是非一度お立ち寄りくださいませ。……本当は感想投稿者同士の絡みがあると面白いのですが、難しいですよね。


 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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― 新着の感想 ―
[一言] > バトルロイヤル  作者は書きたいけど読者が読みたいかと言えば……って事によくなりがちなヤツ。まあトーナメントよりは多分マシ。  うんホント読みたいかどうかはまじで作品によるとしか……。読…
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