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人魚姫の逃亡







一瞬、目を疑いたくなった。







珍しく私は図書館に来ていた。


実を言うと借りっぱなしの本があった。


それを返しに来たのだ。


うん、大丈夫。すぐに帰れば気づかれない。


「輝晴」


・・・・・・・・早くも気づかれたそうです。





「お、お久しぶりです陸君」


「おう、元気か?」


「うん」


なんかほっとした。いつもの、いつもの陸君で。


「輝晴は返しに来たみたいだな」


「うん。返しそびれた」


「てかまず、中に入るか」


そういって入ろうと扉を開けた。






・・・・・・・・・・何が起こってますか?






私は一旦扉を閉じた。


「陸君、これは夢でしょうか?」


「さぁ?輝晴、大丈夫か?」


「だ、大丈夫じゃなかったら閉めてませんよ」


「開けるか」


「うん」


「「いっせせのせ」」



ガラッ




やっぱりそこにはもう一回キスしている安斉君と・・・・・・公害女で。







私は本を落としたのを気づかずに逃げ出した。







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