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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第五章 ザ・バッドエンド
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これ本当に車だよね

暑い!!!!!!!!!!!!!!!

6月なのに雨降らないのかよ。暑くてたまらないよ。

 みんなを引き連れて車庫に来たわけだが、さてどの車に乗ろうか。どの車も全部トッラクみたいに大きな車ばかりで目立ちそうだ。物を運ぶ時や大人数で移動する時はすごく便利そうだけどね。キッチンに置いておる荷物をトランクの中に入れてもスフィアくらいの大きさの子が三人ぐらいは入れるぐらいトランクが大きい。座席は高級なソファーみたいな感じで座り心地がよさそうだ。

 車の状態は最初に入った時、視界で確認したけどエンジン(?)部分には燃料と思われる黒い石が入っているし、中の部品等は新品同様で鍵をさしたらエンジンが動きそうだ。タイヤもパンクはしていない。というかタイヤに触ったけど鉄みたいに固いぞ。触感はゴムなのに固い不思議な感じだ。


 昨日ここで一夜を過ごした冒険者が残したゴミがあったが、車には手の跡があるだけで傷とかなかったから何もしなかったようだ。冒険者なら見たこともない鉄の箱があればこじ開けようとしそうだけど彼らは仕事中だったからか?それならゴミとか中に残さないで外に埋めといてほしい。なんちゃらは跡を濁さずってことわざを知らないのか。


「これ本当に動くの?何か入れる箱じゃなくて」

「タカシさん、これに乗るのでしょうか?そもそもどうやって中に入るのですか?」

「ドアを開けるには鍵が必要だから、えーと、どれがどの車の鍵なんだ?」


 スフィアはは車は大きな鉄の箱に見えるようだ。見た目はずんぐりむっくりで重そうな箱だから大きな金庫でも思っていそうだ。乗り物だと説明しているのに。ミリはミリで車のドアの取っ手に触れて中に入ろうと頑張っている。とてもかわいいが鍵がないと開かない。アズサとジュンはなぜかタブレットをいじっている。それをアルムが横から覗いている。タブレットで何をしているか気になるが、視界は入口の回りを魔物や人がいないか見回り中でアズサ達が何をしているのか覗けない。アズサ達も車の運転をしたいって言ってなかったっけ?遊んでないで手伝ってほしいな。俺一人でことが足りる、大したことのない作業だけども。

 車庫に置いてあった鍵には、ボタンが付いている。鍵が何個もあるのでどの鍵がどう車のなのか分からないから一つ一つ押してみる必要がある。鍵は車の数より多いからスペアキーも混ざっていそうだ。


「この鍵はあの車か。こっちのは鍵はあっちの車のだ。この鍵は一番目の鍵と見た目が似ているな。一番目の鍵と同じ車が反応したからこれはスペアキーか」


 数分後、鍵を一つ一つ調べてどの車の鍵か把握した。やはり車庫に置いてあった鍵は全部車の鍵だった。

 車を調べていたスフィアとミリが鍵の解除を示すランプの点滅とガチャと車庫内で響いた音で驚かせてしまった。ミリの尻尾がめちゃくちゃ膨らんで少し睨まれた。車庫は密閉した空間だから音がすごく響くから解除音が反響してびっくりしたのだろう。

 車の鍵が開いた音が響いた時、アズサとジュンは鍵が開いた車のドアを開けて乗り込んでいろいろいじくっていた。ドアが開いただけなので鍵がなくちゃ動かないのに。

 そしてアルムは調べ終わった鍵を一つ手に取って車の鍵をロックを掛けたり、開けたりを繰り返して遊んでいた。

 それ楽しいのかな?


「おーい、開いたよ。先に乗りたい人はは手を挙げてっていっても全員乗れるのだけど。すでに乗っているアルム以外のサボりはほっといて、助手席はスフィアとミリだな」

「これが不老族の馬車ね。何これ御者席がすごく座り心地よさそうじゃないの。ベッドみたい」

「じょしゅせき?手綱がないのですが?」

「アルムはおにいちゃんのひざのうえがいい」

「ダメだよ。それじゃ運転できないよアルム。助手席はハンドルがついている隣の席のことね。あっ、ハンドルは車を操縦するやつね。例えるなら馬車で例えるなら手綱みたいなものなんだ。それとガソリンって言う燃える液体を燃料にして走るんだよ。この車は違うけどね」


 と言った感じでミリ達に車を説明した。

 俺は運転席に座り、鍵を鍵穴に差し込んで回りした。ドゥルンとエンジンが目覚めの叫びをあげた。

 これから運転するが、俺はもちろん無免許だ。ただこの世界は地球じゃない。俺達がいる国に自動車免許が存在していない。俺が運転することは違法じゃない。

 ヒロ達の国には免許がありそうだけど。


「フワッ!動き出しました!すごいです。アルムちゃん乗りましょう」

「うん、のる」


 エンジン音にびっくりして尻尾を膨らませたミリが少し落ち込んだアルムと一緒に中部座席に乗ってきた。アルムは俺の膝の上に座れないことが不服のようだ。後で座らせて上あげよう。


「ちょっと後ろの筒からすごい煙が出てるわよ。これ大丈夫なの?」

「それは排気ガスだ。スフィアあんまり体に良くない煙だから離れた方がいいから早く乗って」


 車の回りでうろちょろしていたスフィアが車の後ろの筒から煙が出ているのを気づいたようだ。煙の匂いを嗅いでたスフィアに排気ガスは体に良くないと言って乗るのを催促した。

 排気ガス、というかガソリンには三種類あったはず、その中でも軽油の排気ガスが体に良くないって聞いたことがある。吸いすぎると体に障害を負うとか。

 でもこの車の燃料はガソリンじゃなくて黒い石なんだよな。その石はエンジンをつけたら赤くなった。

 人体には有害か無害かわからない。排気ガスだから吸わない方がいいだろう。


「ちょっとタカシそっちばかりズルいわよ。こっちにも鍵を渡しなさいよっ、キャッ」

「ちょっと、僕も運転したいんだけど」


 ジュンが鍵を寄越せと言うのでアズサとジュンを念力で連れてきてアルムとミリが座る中部座席の後ろの後部座席に無理矢理に乗せた。ちゃんとシートベルトも閉めてやった。

 スフィアはいつの間にか助手席に座っていた。これで全員乗ったな。後ろでブーブー言っているが。


「全員乗ってシートベルトしたな。出発するぞ」


 昔はレーシングカーの漫画を読んで一度車を運転したいと思っていた。あの漫画はアクセルペダルを踏んで車を走らせてたな。この車もそうだろう。手始めにアクセルをゆっくり踏んで進んでみるか。

 車という乗り物はアクセルを踏めば走り出す乗り物だ。今までの馬車と違って俺が念力で走るように浮かせる必要もないだろうから運転をアズサかスフィアに運動を任せて俺は他のことに集中できるようになるな。

 これはいい拾い物したな。。


 全員シートベルトをしたことを確認して、まずはアクセルと思われるペダルをゆっくり踏んでみるが、エンジンが唸りあげるだけで車は前進も後進もしない。


「タカシ、なにしているの?遊んでないで早く出発したら?私が運転してあげようか?」

「そう急かすな。すぐに走れるよ」


 無理に後部座席に座らせたジュンがトゲトゲしい。ジュンが運転席に座っても体格が小さいから足がブレーキやアクセルがギリギリ届かなくて踏めないじゃないか。座高も低いから目の前のハンドルがあって見えないじゃん。

 喧嘩になりそうだから口に出す前に胃の中に放り混んで運転席のボタンやレバーをいじる。

 カチカチってなったり、外面のフロントガラスから液が出たり、車のすべてのライトが点いたりしたが、それでも車が走る気配が無い。


「何しているの?なんか準備しているの?」

「準備というか、どうやったら走るのかわからないだ。それでいろいろ触っているのだがな」

「これじゃないの?文字みたいなのが書いてあるけどこれも不老族の文字なの?」

「なるほど、パーキングからドライブにすればいいのか。スフィアありがとう」


 スフィアが指したレバーにP.R.N.Dの文字が縦に刻まれていた。

 これってセレクトレバーって言うんだけ?昔読んだ本には確か、Pがパーキングで車の動かないだよな。Rがリバースで後ろにバックするんだったか。Nがニュートラルでなんだっけ?Dがドライブで前進するか。

 思い出した。Fってのもあるぞ。Fってなんだ?

 右足をアクセルから話してブレーキを踏んでセレクトレバーに手をかけ、Pの位置からDの位置ところに変えた。

 ちなみにブレーキを踏むのはDに変えた瞬間、急に車が前進して壁や車にぶつからないようにするためだ。

 安全対策は欠かせない。今思えば、ゆっくりでも初手でアクセルを踏むのは車を運転するにおいて順序が間違っていた。

 それでブレーキから足を離すとゆったりとしたスピードで車が前進を始めた。


「おお!動いた」

「こんな鉄の箱が動くなんてすごいわ。でも普通の馬車の方が早いわ」

「スフィアこれは馬車よりも早く走れるぞ。待ってろ。すぐに外に出て走るから」


 念力で車庫の出口を全開させて、ぶつけないように慎重なハンドル操作で車を外に出した。

 初めての運転で車庫内のどこにもぶつけないで外に出れたのはこれは才能じゃないのか?一度もアクセルを踏んでないが。

 外に出たら少しづつアクセルを踏み込む。車のスピードを表すメーターを30kまで上げて、坂状になっている出口付近を登り上がる。舗装されていない地面だから小石が顔を出しているから揺れが激しくなる。

 馬車での移動は念力で少し浮かして移動って言うかほぼ念力で運んでいたようなものけど、地面のデコボコなんて気にして無かった。地面を見たらここら辺の地面は小石や木の根が剥き出しになっている。こりゃー揺れるわ。

 念力で浮かした方がマシだ。


「なにこれ気持ち悪い」

「うえー」

「車止めなさい、よ」


 森の中じゃ道が整ってないから揺れが激しくなるのは当然か。すでに揺れのせいで何人かは乗り物酔いを起こしている。

 乗り物酔いをするなら何か袋を持ってくるんだった。


「タカシ、この揺れどうにかならないの?ミリちゃん達がヘビメタバンド並みにヘドバンしているよ。揺れのノイズキャンセル機能とか」

「しょうがないだろう。あっちみたいにそこらの地面が全部コンクリートじゃないんだ。地面から石が出てたりしてデコボコしてるんだ。平坦な道なんてここら辺にはないんだから」


 後ろを振り向けばミリとアルムが揺れる度に頭激しく縦に振っていた。

 揺れのノイズキャンセル機能ってなんだ?アズサの変な知識は置いといてこの揺れは地面がデコボコしているからどんなに揺れないように運転しようと頑張っても揺れてしまうから揺れるのはしょうがない。それなら馬車のように念力が浮かすしかない。念力を使わないでスピードが出る乗り物なのにそれはそれで本末転倒と思う。


「やっぱり念力で浮かすしかないのか?そういえばセレクトレバーのFを試してなかったな。やってみるか」


 Fが何を意味しているのかわからない。セレクトレバーをDからFに変えてもこれ以上揺れが酷くなることはないだろう。


 ということでブレーキを踏み、セレクトレバーをFに変えてみた。

 ガッコンと何か切り替わる音と共に大きく揺れた後はデコボコ道による揺れが無くなった。それ以外の違いなんてなかったからゆっくりアクセルを踏み前進を試みたが、なんと車が徐々に浮遊し始めた。

 今はまったく念力を使っていないのに車が重力を逆らい上昇している。Fってフライって意味だったのか。

 しかし浮遊する車なんて聞いたことがない。重力を逆らうこの車は本当に車か?それか未来の世界の車なのか。

 この世界は地球じゃないし、異世界だ。それも魔法がある世界だ。ただ俺がいた地球はこんな車が無かったから科学はこっちの世界の方が進歩しているけど。これもヒロ達の国の技術だろう。

 こんな車が廃棄された施設に取り残されているからヒロ達の国の現段階で使われている車はどんな物になっているんだろうか?誰でも宇宙に行けて海底、マグマもすいすい進むことができたりしてな。

 そしたら旅行感覚で海底に行ったり、宇宙空間に行けたりしてな。旅行感覚で行けたら夜に浮かぶ月は商業施設がいくつも建てられているだろうな。


「ちょっとタカシ!浮かんでいるわよ。揺れが酷いからって能力を使っているんじゃないわよ」

「違うぞ。車の機能だ!」


 ジュンにいちゃもんをつけられた。こればかりは本当に念力を使ってない。乗っているジュン達からしたら俺が念力と車の機能の見分けなんてつかないよな。

 証拠を見せるために念力で浮かせたタブレットを車の窓から出して車の下の写真を撮る。

 視界でも車の下を確認したが、タイヤが横にスライドして車内に収納されている。今の車の下にはタイヤが無くて、変わりに下の面全体で変な青い光を発している。どういう原理で浮遊できているのかはわからないが、青い光のおかげで浮遊ができているようだ。青い光の正体は謎だ。


「ほら、これが車の下の写真だ。これを見たら俺が能力を使っていないのがわかるだろう」

「使っていないってのは本当なのね。でもどういう原理で飛んでいるかわかる?」

「そんなのわかるわけ無いだろ。こんなUFOみたいな車があるなんて始めて知ったぞ」


 こんな派手な光を放つ車が夜飛んでいたら目立つだろうな。

 ところでこれはどうやって前に進むんだ。アクセルを踏むと上昇するのはわかったが運転する方法がわからないぞ。

 揺れ無くなったが、ジュン以外のみんなは酔いでそれどころじゃないみたいだし、降りるにはアクセルを踏むのをやめればいいのかわからないけど試しにゆっくりアクセルを離してみるか。


 案の定アクセルを踏むのを止めてゆっくりと足を退かしたら、車がゆっくりと下降し始めた。完全に足を退かすと車は地上から5センチくらい浮いたまま静止した。

 その後は念力で車を押して車庫に戻した。グロッキー状態な子達を宿泊施設の中に運んでベッドの上に寝かせた。

 その後の俺はというとジュンと共に空のドライブ練習を手探りで習得を試みた。空飛ぶ車は地面を走ると凄く揺れるが空を走る分には全然揺れない。

 空を飛ぶだけ使うだけなら十分使える車だ。凄く目立つのは目をつぶろう。

ゲームしたい!!!


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