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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第五章 ザ・バッドエンド
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閑話 シンシアと地面の中は素敵な場所

GWのためあまり書けなかった。

GWなのにすごく忙しいのはどういうこと?

「ピイール王国の王都はいつ頃つくのじゃ?」


 これで何回目かの応答を従者に訪ねる。従者達は疲れた顔する。


 ワッチがとある理由で母上の実家があるピイール王国の王都に向かっているのじゃ。


「お嬢、さっきも聞いたばかりじゃないですか?野宿して明後日の夕方に着くと」

「そうっすよ。何回聞いても早くは着かないっす」

「じゃがのう。もう野宿は嫌なのじゃ」


 このワッチが徒歩でピイール王国に向かう羽目になったのかと言うと、ダーシャー王国のダコア領を出てから10日後ワッチ達は魔物に襲われてしまったのじゃ。

 魔物は雇った冒険者達が追い払ったのじゃが、魔物に馬を殺されてしまったのじゃ。馬車を諦めて、持てるだけの荷物を持って徒歩となった。

 その日の夜は運良くエルフの里を見つけたワッチ達はエルフの里に世話になった。あんな森の中にエルフ達がいるとは驚きじゃったのう。

 しかし、徒歩なのは変わらずピイール王国の王都への旅路は続いた。点在する街や村に泊まれることは良かったのじゃが、街や村なければ野宿することになった。

 魔物の毛皮でできた寝袋の寝心地は良かったが、硬い地面の上じゃと体が痛くなって敵わんかった。それで従者達に次の街はいつ頃着くのと聞くようになった。

 ワッチがいる場所から次の街はピイール王国の王都が近いと従者達から聞いたのじゃ。じゃが、従者達の話しによるとピイール王国の王都に着くのは明後日の夕方になると言われてしまったのじゃ。二日も野宿は嫌なのじゃ。


 とそこに斥候役の冒険者が奇妙な物を見つけたという。ワッチ達はそこに行くことにした。


「岩があるだけじゃないか。ん?岩の半分まで苔が無いな?苔が無い岩の半分の下は湿ってるな。さっきまで埋まっていたようだがこれがどうしたんだ」

「そっちじゃなく、岩が埋まっていた穴を見てくれ」


 そこには先程まで埋まっていたと思われる岩が転がっていただけだった。何か面白い物だったらと少し期待していたが大人達が話し合う横で落胆した。

 しかし、斥候役が見つけたのは岩ではなく、岩が埋まっていた場所に何かあるという。

 こんな大きな岩を持ち上げるとはどんな怪力の化け物じゃろうか?人か、はたまた魔物か

 ワッチ達は埋まっていた穴を覗くとそこは金属でできた扉があった。


「これは扉か?」

「それ以外に何に見えるんだ。歪んでいるが開けられそうだ。開けるか?」

「待て、何か封印してあったら不味いだろう。もう少し調べるぞ」

「岩がのっかていたいたから扉が少し開いているから何かが封印されていても出てると思うが、まぁ、俺達は雇い主様に従いますよ」


 斥候役と冒険者のリーダーとワッチの護衛ミロクの三人が話し合っている。この三人は昔馴染みで軽口や冗談交じりのことを言う。


「お嬢様、行っては行けませんよ。何かあるのかわかりませんから」

「危なくないのじゃ。ワッチは少し見ていくだけじゃ」


 ミロクのあとをこっそり付いていこうとしたら侍女兼護衛騎士のライラに止められた。

 ワッチはなんとかライラを説得を試みるが、頭の固いことを言うライラを説得するのは難しい。そうこうしてある間にミロク達は金属の扉の安全を確認して開けていた。

 扉は岩の重みで歪み、どこか錆ついていたらしく男の大人四人でようやく開けたようだ。

 中はとても暗い。辛うじて中に大きい鉄でできた箱があることがわかった。


「ライラよ。ミロク達は中に入ったぞ?ワッチ達も中を覗くだけじゃ。いいじゃろう?」

「お嬢様たらそんなに中を見たいのですか?中を覗くだけですからね?私が危ないと思ったらお嬢様を担いで扉から離れますからね。それでもう少し見たかったってブーブー言わないでくださいよ」

「それでよい。ワッチ達も行くぞ」


 やっとのことでライラの説得に成功した。ライラを引き連れて入り口の前まで行く。

 前までこれたからライラが余所見をした時にでも中へ侵入しよう。


「見たことが無い物ばかりですね」

「じゃのう。これだけ珍しい物ばかりあると見ているだけでも楽しいのう」

「お嬢様!あれは馬車では無いでしょうか?あれに荷物をのせて行きましょうよ」

「肝心の馬がおらんではないか。馬がおらんのなら馬車があったって意味が無いとミロクや冒険者が言っておったではないか」

「そうでしたね」


 ライラは鉄の箱が並ぶ中に見慣れた馬車の存在を発見してぬか喜びをしているが、言っての通り馬がいないと話しにならない。ワッチが乗っていた馬車を捨てる前に冒険者の誰かに引かせるかと話しが上がったが体力や移動速度が馬と人が引くのは大きく違う。それにもし、魔物や盗賊に襲われた時に引かせていた冒険者が疲労して使い物にならなくなるからワッチ達は徒歩になったのじゃがライラはそのことを忘れおったようだ。

 ライラのヤツ余所見をしないぞ。これじゃワッチが中に入れぬではないか。入り口の近くに冒険者がいるからライラが余所見をして上手く入れても冒険者に見つかってライラの元に連れ戻されるのじゃ。

 ちょっとライラは抜けておるところがあるからのう。長く付き合いのあるライラを騙すのは何のその、あれをするしかないかの。


「ライラ?あれは何かのう。少し光っているヤツなのじゃが。とても気になるのう。そこの人、あれを取ってきてくれぬか?」

「俺っすか?あれって言われてもな。どれなんだ?」

「お嬢様何か見つけたのですか?光る物?そんなのありますか?」


 二人ともワッチの嘘にすっかり騙されおって、これでこっそり中に入ることが出きるのう。


 入り口にいた冒険者はワッチが指した鉄の箱のしたを覗きこんで無い物を探している。ミロクの元冒険者仲間だけあって依頼人の頼みは素直に従ってくれるのはありがたいのう。

 ライラもワッチが指した方を見ている。静かに中に入って。


「お嬢様?本当に光る物を見たのですか?ってお嬢様がいない!私が余所見をしている隙に入られてしまったのですね。もうっ、お嬢様ったら。危険がないか中を見て回ってもらっているのに」


 ライラがグチグチと話しているが、そんなのは知らないフリしてワッチも中を探索と♪

 あり?足が浮かんで。


「お嬢様掴まえましたよ。まだミロク様達が探索しているのですからお嬢様の探検はその後になりますよ。私達は入り口の外で待ちましょう」


 なんとライラに速攻で捕まってしまった。なんとも呆気なく、短い探索であった。


「おい!奥の扉が開くぞ!みんな物影に隠れろ!」


 冒険者のリーダーが大声で叫ぶ。

 反響する声を聞いたライラはワッチを捕まえたまま鉄の箱の影に息を潜めた。

 ライラは気になるらしく、ワッチはライラと一緒に鉄の箱の影から冒険者のリーダーが言った扉を見る。

 その扉からワッチより3個年上ぐらいの少年が出てきた。


「誰だ!」


 冒険者の誰かがそう叫んだ。反響する声はうるさく感じた。


「おっと、驚かせてしまってごめんなさい。誰かが来ていたと思って様子を見に来たんだ」

「子供?お前はここの家主かなんか?」


 その少年はワッチ達がいることをわかっていたようだ。荒らされていると思って見に来たのだろう。

 相手が少年だとわかったミロクと何人かの冒険者は物影から出てきて警戒を強めている。

 ミロクは少年に対して剣を掴み、何かすれば斬りかかるぞと警告する仕草をしている。

 少年はそんな警告を理解していないのか、臆すること無く壁に触れて何かをした。

 すると部屋の中が明るくなった。暗かったから明かりの魔道具のスイッチを入れたようだ。

 明かりの魔道具をつけたことで昼みたいに明るくなった。


 ミロクと少年が話し合っている。地下には快適な空間があり、泊まれるそうだ。少年はワッチ達に泊まろう誘っている。

 中はどんな風になっているかわからないけど、願ってもない提案だ。ワッチは野宿はこりごりなのじゃ。出きるならベッドで眠りたい。

 そしてミロクと少年が話し合った結果ワッチとライラが中に入ることになった。

 少年との自己紹介を終えた時、ミロクや冒険者に少し違和感を覚えた。


 きっと気のせいじゃ。ライラはミロクに詰めよっていたが、野宿を回避できるワッチにとって些細なことなのじゃ。

 中はどのようになっているか楽しみじゃのう。


 なんと少年は不老族じゃった。いくつもの物語に出てくる種族の。魔法とは別の不思議な力を持ち、古の弱小国家を自ら肥大化させ、そして滅ぼした。そこに自らの国家を産み出したと語られている。

 その国には入国ができないそうじゃ。国境付近に見えない壁あって不老族の国に入ることができないし、国境付近に摩訶不思議な霧が発生していて国境の向こう側は見えないそうじゃ。だが、何百年かに一人二人は特例で入国をしているようじゃ。ほぼ帰らないそうじゃ。

 四十年前不老族の国に入り三年後に唯一帰ってきた男がいたそうなのじゃ。 ワッチはその男が書いた本を読んでことがある。不老族の国は空をも越える摩天楼が並ぶ都市。大空を飛ぶ乗り物に、光の速さで地を走る乗り物。亜人も闊歩すれば魔物も我が物顔で出歩いておると書いてあった。

 それはそれは見たことがない物ばかりじゃっと。この世の物とは思えない場所が不老族の国じゃ。

 そんな国を産み出した血を引く少年がワッチ目の前にいるのじゃ。ワクワクが止まらんではないか。


 少年の案内でワッチとライラは中に入った。中は散らかっておったが、光沢のある壁や床、天井に一定の間隔に設置してあるあれは何なのじゃ。

 もしや、ここは噂に聞く不老族の遺跡なのじゃないのか?かの遺跡には鉄を一切使っていない光の剣、鉄の玉が飛び出す小さな大砲、全てを破裂する玉があると聞いたことがある。それはここにあるのじゃろうか?

 少年が言うにはここは古い宿泊施設と言う。見る限り多少散らかっているが壁や床は傷一つ無い綺麗なそれじゃ。とても古い場所には見えない。


「ここは噂に聞く不老族の遺跡なのじゃろ?見たことがない物たくさんあると聞いたことがある。鉄を一切使っていない光の剣、鉄の玉が飛び出す小さな大砲、破裂する玉。どれかここにあるんじゃろか?」

「全部武器ばっか。物騒なことを聞くな」

「そうですよ。姫。我々は泊まらせてもらう身。ずかずか聞いてはタカシさんも困っちゃいますよ」


 少年に怒られてしまった。ワッチは諦めずに少年に質問を続けた。少年は男なのに剣などの武器には興味がないと思いそれ以外のことを質問することにしたのじゃ。


 少年改めタカシはワッチの質問に答えてくれた。

 タカシはワッチ達と同じでここを偶然見つけて泊まっているらしい。タカシの他に五人いるようじゃ。それも女子だかりと来た。その内の二人はタカシと同じ不老族と言っておった。

 三人も不老族に会えるとはついておるのう。


 それから食堂でタカシが作ってくれた物を食べたが、タカシの仲間(ワッチよりもほとんど幼いではないか)が見ていた動く絵が気になった何を食べたか忘れてしもうた。

 タカシの仲間と並んで動く絵(映画と言うらしい)を見た。その後は湯浴みをしたが、つまみを捻ればお湯が勝手に出てくるのは腰を抜かした。頭を押すとヌルヌルの石鹸で体を洗った。

 長旅のせいかワッチはベッドに入るとすぐに寝てまった。見るもの全てが珍しく見てまわりたかったが、早く王都に着く必要があるため、朝食後に遺跡から旅立つことになったのは名残り惜しかった。帰る際にはまたここによると心に決めたのじゃ。


 一月後、扉は固く閉ざされて入ることはできなかった。

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