孤児の暮らし方4(食堂)
最近マッチングアプリを始めたけどいい人いないや。
とりあえずドレッドで遊ぼう。
来月にはバトルフィールドの新作出るし、楽しみだ!!
「あいよ。黒パン肉サンドに肉玉焼きお待ち。それで最後だね。しかし、あんたらそんなに頼んで大丈夫かい?ちゃんと払えるなら文句はねぇけど払えなかったら数月ぐらい下働きでもやってもらうよ」
「心配いらない。ちゃんと持ち合わせはある」
料理を待ち始めて数十分後、頼んだ料理が俺達のテーブルに全部運ばれてきた。
黒パン肉サンドは黒いビスケットみたいな固そうなパンに肉を挟んだサンドイッチだったし、肉肉スープはコンソメスープみたいなスープに三切れの肉を煮いたスープだ。
何でも煮込みスープは雑草みたいな草と根菜と肉が入っていた。
肉玉焼きはなんとハンバーグみたいな料理だった。ただひき肉を丸めて焼いただけだのでつつくとボロボロに崩れるけど。
それとみんなで食べられる料理は臓物を素焼きにした肉料理と例の不味い果物を肉と一緒に焼いたとピザみたいに平らな固そうなパンに小魚や肉などの具材を乗せて焼いた料理が運ばれてきた。
疑いの目で見ていた給仕の人に金貨を数枚見せた。
「あんたらそんな大金やすやすと見せるもんじゃないよ!どこで盗んだか知らないけどここで金貨何か見せたら最後道端の死体で転がるよ」
叱られてしまった。給仕の親切心で言ったかも知れないが怖がるようなことを言うのは良くないと思う。
話をよく聞いてみたが、子供が金貨を持っていると悪い大人に金貨を取られて殺させるようだ。盗んだ金貨の場合らしいけど、何故に金を盗んだ子供を殺すのだろうか?ただカツアゲして、はい終わりの感じだと思うのだが?
きっと給仕の人は俺達にドロボーをしちゃダメって言っているのだろう。教育文句的な言い回しで。
別に盗んだ訳ではないが、いや、ミリがいた廃村やアルムが閉じ込められていた洞窟の宝部屋で拾ったから全部謝礼金や稼いだ金ではないな。
今思えばアルムがいた場所の宝部屋は明らかに盗品だ。あれは犯罪者の隠れ家で盗んだ物をあの部屋に隠していた。
盗んだ物をくすねたような形か。
「このお金はちゃんとタカシさんが働いたお金ですね!盗んだお金ではないです」
「どうだかね。ここに落ちたヤツで金貨はそうそう持っていないよ。大金を簡単に稼ぐ方法を教えて貰いたいもんだね」
「数年働いて手に届くかどうかさ。簡単に稼ぐなら貴族様の召し使いか化け物見てぇな魔物を倒せる冒険者だけさ。ここにいるヤツは金貨を触れるかも怪しいね」
ミリが俺の代わりに弁明してくれているが、料理が冷めるからミリもはやく食べて欲しい。
お店の人達はある程度仕事のピークが終わって暇なのか喋り始めた。いい情報原になりそうだから食べながら雑談に付き合おう。
この店の料理は美味しい。こんな治安があるそうな場所に店を構えているからって覚悟していたがちゃんとお店をしているって感じだ。
語彙力がバグったが、それほど美味しい。盛り付けが雑じゃなかったら王都の中で行き来する中にあってもおかしくない。
店主の話をBGM代わりに聞いていると。
「冒険者といえば最近噂になっている話だが、王都に不老族の冒険者が来ているそうだね。何でも貴族様の難病を治して一生涯遊んで暮らせるほどの礼金をいただいたそうだよ。羨ましいもんだね」
「一生涯遊んで暮らせる程の金か。ここにいる奴らは拝むことすらできないんだろうな?さすがは不老族だな。子供らに聞かせる話しを簡単にこなしやがる」
ん?不老族が貴族の病を治した話?あぁ、ジュンのことか。ソイドさんからもらった謝礼金は他の物も含まれるけど一生涯遊んで暮らせる程の額じゃないな。
噂だから色々と尾ひれがついていったのだろうけど。礼金は王都で数年ぐらい遊んで暮らせるだろうけどね。
「にしても本当に不老族がいたんだな。おとぎ話見てぇいなもんだと思っていたが、難病を治してしまうようなものとはな」
「そうさ。仕入れ先の奥さんの話だと百千を越える魔物の群れを一晩で片付けたって言う噂があるそうな。きっと筋肉ムキムキの化け物みたいな大男だよ」
「そいつはスゲェーな。その不老族は今頃貴族様になっているじゃねぇのか?」
「あんた、そいつはアタイでもわからないよ。あくまで噂で聞いた話しなんだからさ」
今話しに出ている不老族は目の前にいるのだが、気づいていない。パスやアズサ達のバーコードの腕輪は隠しているからそうそうバレはしないと思う。
「タカシさん達の噂が広まってますね。凄いです」
「そうだね。俺としてはあまり広まって欲しくはないけどね。だから俺達が不老族ってことは内緒ね」
「わかったよ。タカシ」
「いいじゃないの。タカシの活躍が広まれば有名になれるわ」
店主達に聞こえないようにこっそりと仲間内でしゃべる。不老族だと知られないようにミリ達に念の為言っておく。
俺は本当にひっそりと暮らしたいのにな。追われる身の中でやりことすべて派手にやりすぎているのかもしれないけど。そもそも問題が俺の所にやってくるのが悪い。
俺がこんなにもひっそりした日常を求めてるのに何故か面倒事が自らやってくる。全ては世の中が悪いに決まっている。
根本的にところ人の視線を気にしないで能力を使っているから目立っているから面倒事がくるのだろう。
「羨ましいこった。一息ついて昼と夜の仕込みをすましておくからこいつらの勘定は頼んだ」
「あいよ。仕込み終わってなかったのかい。まったくあの人はいつもそうなんだから。さてとアタイは皿でも洗おうかね」
俺にとって有益な情報とは言えなかった店主達の雑談が終わって、店主は店の奥へ下がって昼や夜に出す料理の仕込みをするようだ。給仕の人は残っていた仕事(皿洗い)がまだ終わっていなかったから片付けに行った。
無用心なことに食堂の中に俺達だけが残された。
その気になれば食い逃げできる状況になった。本当にする気はないけど。ボランティアの女性を待たなくちゃいけないし、この歳で犯罪歴がついたら笑えない。
「お店の人いなくなちゃいましたね。私はタカシさん達が有名になって嬉しいです」
「そうよね。タカシ達が不老族として有名になっていつか吟遊詩人や本にタカシ達の武勇伝が後世に伝えられたら私達もその従者として伝えられるわね」
「おにいちゃんえらくなるの?」
「俺は偉くなる気はないよ。そもそも俺はひっそりと暮らしたいの」
俺みたいなヤツを本の登場人物にしたら血みどろな物語になるだろう。そんなの子供が読んでいいものじゃなくなる。
有名になったらひっそりした生活が遅れなくなる。
「タカシ?何の話しているのさぁ?」
「ん?まぁ。店主の人達がジュンの噂をしていたんだ」
「えっ!私の噂を!有名人の私の噂を。有名になるのは辛いわね。ふふーん」
自分の噂が巷になっているのがよほど嬉しいらしい。凄い喜んでいるジュンは置いといてアズサにミリ達が話していた内容を話した。
「噂がいろいろついて大きくなったのか。大変だね」
「いやいや、アズサだって他人事じゃないぞ。俺達とつるんでいる不老族なんだから噂を聞いた人からすればアズサも噂程の実力を持っているって思われているかもよ?」
「でも私は怪我や欠損しか治せないよ?タカシやクーみたいに魔物を倒す能力を持ってないよ?魔物を前にしたらボコボコにされちゃうよ?僕は」
欠損部位を治せるのは十分凄いと思うけどな。
二人は王都で病院でも開けばいいと思うんだよね。ジュンは病気を治せるし、アズサは欠損部位を治せる。いいビジネスになる。人が集まり過ぎて過労になるかもしれないけど。
「こんな噂が広がったら僕達はここから早く離れなくちゃいけないのかな?」
「さぁね。どう転ぶかは俺はわからないよ。この国の政治家は何を考えているのかわからないからね。すでに目立ち過ぎて何もかも遅すぎると思うけど。噂じゃ俺がやらかしたこととジュンの件を一人の人物が全部しでかしたことになっている」
「僕達が特定されることがないって言っているの?」
「違うよ。遅かれ早かれソイドさん達が王城に言うだろうし、別の組織にも追われているからね。俺達は」
俺達の能力を見て我が国の為に身を粉に働らけって言われても困るからその時は素早くこの国から出るとしよう。ヒロが所属する組織からも追われていることだし、長居は無用。だが、今の段階での噂は尾ひれがついたりしているからすぐには俺達が不老族とバレることはないだろう。バーコードの腕輪を見られない限りは。
気がかりなのは誘拐犯達が俺達を不老族とわかったことだ。王都に到着してからも目立つことをいくつかしてしまっているし、知っている人は数えられる程度、二桁は越えてるか。不老族である情報が漏れるのは仕方ないのかもしれない。
そしてソイドさんは王城に何を報告するのかはわからない。彼にとって俺達は恩人のようなものだから悪い方には話さないと思うけど第三者の耳に入って第三者がどう動くかによって王都での行動が制限される。
ヒロの組織も俺達の監視を常にしているばすだ。監視の意味は理解できないが、また油断しているとどこかで襲われるかもしれない。
どこに目と耳があるかわからないからな。
「有名になちゃったからサインの練習しなくちゃいけないわね」
「ジュン、有名になってもサインの練習はいらないと思うな。この世界にそんな文化があるのかわからないけど、ジュンが考えている反応と街の人の反応はまったく違うな」
「えっ!違うの?」
アズサがジュンの妄想を打ち砕いた。あっちの世界でも有名だからってサインを求められないと思うよ。街の人の認識は、この世界で言うなら凄腕の治癒魔術師みたいな感じだと思う。
サインを求められるより病気や欠損部位を治してくれと群がってくるのだろう。
料理が美味しくて徐々に話す話題が無くなり、食堂が静かになったので料理を楽しんだ。
キサラギとタントは久しぶりのまともな食べ物だったらしく、久しぶりの料理を口にした途端黙々と食べ始めた。時々、目から雫落ちていた。
「お待たせー!仕事の片付けが長引いちゃってさ、ごめんね」
俺達が食べ終わるぐらいにさっきの女性がきた。
「それでさ、さっき君達にやってもらう仕事先の人がたまたま通りかかって君達を教えたら喜んでたよ。多分報酬は結構色をつけてくれると思うんだよね」
女性のマシンガントークでまた一人で話が進んでいった。
「仕事をするとは言ってない。そもそも仕事の内容を聞いてないから判断できないんだ。俺達は食堂を教えてほしいとは言ったが仕事を紹介してほしいとは言ってない。暇なのは確かだけど」
「また私一人で話を進めちゃった?暇ならやってくれるよね?」
女性が一人で決めた感じだが、俺も曖昧な返事で返したのもいけなかったと思う。遠回しで断りたかったが彼女はそれをYESと思ったようだ。
みんなは仕事をするのは賛成だったようだが、ろくでもない仕事だったらこの女性を店の外に投げ飛ばそうと思う。
「そうだけど。みんなで仕事を一緒にできるならやるよ。そうだよなみんな」
ミリ達も頷く。そして俺の話しか理解してないしてないアズサとジュンも何か言いたそうにしていたが、迷いながらも頷いた。
社会科見学みたいなノリでしてもいいと思う。
「満場一致ね。仕事の説明をするね。案内はするけど仕事先はギルドなんだ。内容は冒険者が狩った魔物の素材をただ洗うだけの仕事だよ。簡単な仕事でしょ?」
「洗い物か?俺にはさすがに簡単なのか判断できないな?ミリ、それって簡単なのか?」
「はい、結構簡単なのは簡単です。子供にやってもらう仕事は魔物の鱗や爪、魔石の汚れを洗い落とすものらしいですけどギルドの人で悪い人がいると処置が難しい魔物の素材を渡してくる人がいるんですよ。その素材をダメにしたりすると弁償だって言って子供を奴隷商に売るって話をよく耳にします」
「素材に汚れがついていると魔法の術式が失敗したり、魔法薬がおかしな副作用があったりするのよね」
魔物の素材はいろいろ使われているし、冒険者から買い取って別な所に売る上で綺麗な方が高く売れるのもありそうだ。
汚れがついていたら不衛生だし、薬として使う素材があるから不純物があるのとで効き目が大きく変わるらしい。スフィアが言う魔法薬とか魔法の術式がどんなものか知らないけど、よく魔物の素材を使うもののようだ。何か代償を支払って魔法を使うなことだろう。
それとギルドで詐欺みたいなことをする人がいるってことか。
さすがにミリ、何でも知っているな。処置の難しい素材というより何らかのトリックで色が変わるようにした魔物の素材だと思う。騙す相手は親や身寄りのない子供、ルルーンの街で出会ったアイツらみたいな住む場所がない浮浪児を相手に騙して奴隷として売る。
この世界の都会は無さそうだが、田舎の街ならありそうな話だ。子供なら簡単に騙されそうだ。
「そんな酷いことする人は王都のギルドにいないよ。大丈夫。それでね。ギルドに大きい魔物が運び困れたんだけど丁度いつも洗い仕事をしている子達が別の仕事をしていてやってくれる子がいなくてギルドの人が困っていて下仕事を引き受けてくれる知り合いを声かけていたから私にも声がかけられたんだけど私午後から貴族様の用事があってやれそうにないから断ったんだけど君達が現れたわけね」
「わかったよ。みんなで一緒にやれそうな仕事だし、洗い仕事も経験してどんなものかわからないからやってみたい」
どんなことにも経験が必要だ。聞いていた話だと比較的に簡単そうで小さなアルムでもやれそうな仕事だ。
本当に社会科見学をやるノリでやってみてこんなもんかって理解した上で何かしら次に似たような仕事でいかせるだろう。
今までちゃんとした仕事をして金を稼いでいなかった。魔物を倒して魔石を採取して売る。人を助けてお礼(金)をもらう。これがこの世界での普通な稼ぎかもしれないが、俺の金を稼ぐイメージとはほど遠い。
労働して金をもらうのがマンガで得た地球での金を稼ぐイメージだ。
働いて稼いだ金で一杯やるのは格別だってマンガに載っていたから働くのも悪いものではないはずだ。
「よかった。これで断られたらどうしようと思ったよ」
みんなが食べ終わった。
「美味しかったよ。値段はいくら?」
「あいよ。銀貨17枚だよ」
ポケットから銀貨17枚取り出して会計を済ました。
「じゃあ今からギルドに行くよ」




