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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第四章 不老族
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孤児の暮らし方3(お仕事)

夏が終わり読書の始まりましたね!!

「君達も見てないでこっちにおいでよ」


 ボランティアを眺めていると俺達に気づいたボランティア員の女性が駆け寄ってきた。


 俺達をここの住民と勘違いでもしているのだろうか?ただ珍しくて見ていただけなのに料理を物欲しそうに見ていたと思われたのか?

 俺は上下ジャージ姿だが、ミリ達は普通の服を着ているからどうやってもここの住民には見えない。見えるといえばキサラギとタントはここの住民に見えなくもない。


 キサラギとタントの服装はどちらも泥や埃で汚れている。タントはこの世界の古着屋に売っていそうな物を着ている。しかし、キサラギが着ている服は故郷の伝統的衣装なのか独特な刺繍が施されている。

 キサラギの着ている服が泥の汚れや服の破けているのがなかったら古着屋にでも売れそうだ。珍しい服だ。


「ただ物珍しかったから見ていただけなんだ。俺達が気になるようなら別の場所に行くよ」

「そんなことないよ。君達も食べたいんでしょ?お金は取ってないから食べられるよ。お金は取ってないけど一人一杯までなんだけどね」


 女性はタカシ達に笑いかける。

 タカシは裕福な自分達がここの住民達の食事を分けてもらうことに罪悪感を覚えた。そもそもここの住民すらないのにそんなことが許されて食べ物を恵んでもらうのか?

 たったの一杯だけだが、ここの住民にとって無料で貴重な食料だ。金を持っているタカシ達が食べていい理由がない。

 しかも一杯だけでは物足りないだろう。荒んだ建物が並ぶここから時間をかけて人通りが多い場所に移動してちゃんとした食堂に行けばみんながお腹いっぱい食べられる。そして移動している間も肉串の屋台とかが見られるだろう。食べながら食堂まで移動できる。

 決して食べなくちゃいけない理由はない。食べてもいい理由もない。

 一杯しか食べられないここじゃなくてお金を払う料理の方がメリットがある。


「そういえば見ない顔だけど近くの農村から来たの?」

「俺達はルルーンの街から来た。それまでの道のりに多少稼いだからこれから食堂に行くんだ」


 女性は人懐っこい表情を見せて俺達の行く手を阻む。馬車の動力源は念力だから真横移動も後ろ移動も縦移動も容易くできるが、女性の親切を断ることに精一杯だった俺は念力移動について頭になかった。


「でも貧民街にいるってことは手持ちに余裕がないんだよね?君ばかり聞いてもしょうがないか。他の子達は食べたい?」

「いえ、私は遠慮します。貧民街の炊き出しはどこも味が薄くて美味しくありませんから」

「えっ?ミリちゃんそうなの?」

「はい、炊き出しはなけなしの寄付金で行われているので一定の期間で食べられるので孤児の子達は大喜びでしょうが少し余裕あるなら安い食堂に行った方がマシですよ。安い食堂より私が作った料理の方が数倍美味しいです」

「おいしくないのならアルムいらない」


 あの鍋の料理は美味しくないのか。あれを食べている孤児達は美味しそうに食べているのにな。

 美味しくないと知ったから俺達は孤児の中に混ざることはないだろう。

 ジュンやアズサは言葉がわからないから俺と女性のやり取りを眺めている。全部俺任せと言った感じだ。

 キサラギとタントは鍋の料理を食べたそうにしていたが俺が断っている様子感じとり我慢している。


「調味料みたいな高級品を買ってたら寄付金がすぐに底をついちゃうから味は保証できないけど、他の街より寄付金は多いから他の街より美味しいと思うよ」


 彼女の話しによると他の街は領主のみが寄付金するのだが、王都では王宮や他の貴族も寄付金を出すので他の街よりかは寄付金が多いらしい。

 それでも寄付金にも限りがあるから高い調味料は買えないそうだ。安い食材をたくさん買ってごった煮にして孤児や働けない者にこうして炊き出しをしているだそうだ。


 たくさんの食材を煮込むイコール絶対美味しいとは思わないけど味見程度で食べてみてもいいかなって思う。

 けれど孤児の中にはもっと食べたい子達がいると思うから今は断り続けよう。


「それでもいいや。ここら辺に食事処とか食堂があればおしえてほしい」

「君はプライドが高いのかな?食堂か。うーん、あそこの食堂なんてどう?この鍋の料理を作った人達がやっているお店なんだ。安くて量が多いから収入が少ない冒険者達に人気なんだよ。でも料理に入っているお肉は知らない方がいいよ」


 女性が指した方向に他のと変わらない建物が建っているだけでどれが食堂なのか見た目だけじゃわからないので視界を飛ばして建物の中を見てみる。


『食堂はあそこの建物か。外観は汚れているけど中は意外と綺麗だな』


 視界で見た建物の中はしっかり掃除されていて普通の食堂とかわりなかった。店の中には店主の親父ぽい人と給仕の人がいるだけで他は誰もいない。


「ありがとう。これはお礼だ」


 女性に懐から取り出した金貨5枚を渡した。


 これでわかっただろう。俺達が裕福であるかを。

 他の寄付金に比べると少ないと思うが一週間分の資金ぐらいにはなるだろう。


「えっ!?金貨!こんな大金受け取れないよ。ここの暮らしの中、人一人金貨1枚で半年食い繋げる金額なんだよ。さすがに受け取れないよ」

「俺達からの寄付だと思って受け取ってほしい」

「なら君達はこれから用事はない?仕事を紹介してあげる」

「まぁ、やることがないから暇だが、仕事か。別に構わないけどみんなに聞かな」

「それじゃあ決まりだね。炊き出しの仕事がもうすぐ終わるから君達は食堂でゆっくりと食べていいよ。私仕事が終わったら行くから」


 俺の話を最後まで聞かないで女性は勝手に決めつけて仕事に戻って行ってしまった。

 まだみんなの意見を聞いてないのに。

 そもそも簡単に金貨を渡すヤツに仕事を紹介する必要あるのか?金銭的に余裕あるのに。


「ごめん、みんなの意見聞かずに仕事を請負って」

「大丈夫ですよ。私はタカシ決めたことに従いますので気にしないでください」

「みんなでできる仕事っていいじゃないの。たまにはこういうもね。とりあえず食堂に行きましょう」

「アルムおなかすいた!」

「タカシが決めたなら従うよ」

『コクコク』

「同じ」


 女性との話聞いて話の顛末がわかっているミリ達のスタンスは俺が決めたことに従う。すべて俺に委ねているみたいな感じだ。

 もともとそういう感じだったけどそれはそれで大丈夫なのか?この子達の将来が心配だ。もっと自主性とか持った方がいいと思う。

 ジュンとアズサは女性の話しを一切聞いてないというかわからないから詳しく説明する必要がある。多少俺の話だけでも聞いていたからなんとなく理解していると思うけど。


「あの人はそんなこと言っていたんだ。小さいアルムちゃんもするなら簡単なものなのかなぁ?でも仕事か、初めてだけどみんながいるから大丈夫だよね」

「いいんじゃないの?みんな仲良く仕事できて。みんな一緒なら楽しくできそうだわ。匿ってもらっていた村で村の人の手伝いしようとしたらと断れたから楽しみだわ」


 仕事をすることになった経緯を話した。女性が話した内容をざっくり説明しただけど、ご飯を食べ終わったら仕事をすることになったのはわかってもらえた。


 良かった。二人とも嫌そうじゃなくて。

 ジュンは少しの間いた村で何かの仕事の手伝いしようとしたら断れたみたいで悔しそうに呟いている。だけど病気で寝込んでいた村の人を治療していたと言う。

 病気を治してくれた恩人に仕事をさせてはいけないと村の人は思っていたに違いない。


 そういえば、あの女の人に仕事する内容を聞くのを忘れた。今している仕事がすぐ終わって食堂に行くって言っていたし、その時に再度話を聞いてから本当に仕事をするのか決めよう。

 みんなやる気満々だけど、する仕事の内容が酷いものなら断るし、内容に見合った金額じゃないならそれも断る。ある程度金銭感覚は掴めてきたからな。


 本当は女の人から仕事を貰わなくても今の手持ちで生きていけるのにな。


「タカシさん、女の人が言っていたお店はどのお店でしょうか?」

「見た目だけじゃわからないよね。どの建物も同じ見た目だからな。あのお店だよ。意外と中は綺麗だったよ」

「中は綺麗だった?タカシって王都初めてだよね?しかもこんな場所って普通の人なら来ない場所なのに。まるで入って見てきたように言うわね。それもタカシの不老族の力なの?」

「そうですよ。今までだってそうじゃないですか!初めて行った森で探している魔物が集まっている場所まで私達を案内したりしたじゃありませんか。スフィアちゃんは魔力を感じましたか?」

「それは魔力は感じなかったけど、私はタカシの不老族の力を疑っているんじゃなくて興味があって聞いているのよ。タカシの力がどういう物なのかなって思っただけよ」

「そうだよ。詳しくは言いたくないから色々と省くけど遠くあるもの見たり聞いたりできるし、触れたりもできるよ。だからツンとしないで」


 ミリとスフィアが喧嘩しそうになったから止めるために視界と念力の能力をチラッと話した。詳しく話すのはめんどくさかったからしゃべらなかった。

 視界の能力は視覚と聴覚を飛ばす能力出し、念力は見えてる範囲の物に触れるというか、念じるだけで対象が動かせる能力だ。

 初めて見たミリがツンツンしているところを。虫の居所が悪かったのだろうか?スフィアも少しツンとした感じになったけど俺が止めたで二人とも我に帰ってくれた。

 不老族スキーの二人は不老族のことになると熱くなるな。

 アルムとユンがどうすればいいのかわからなくて、不安そうに俺を見ているじゃんか。

 キサラギとタントは自分には関係ないとばかりな感じだ。


「スフィアちゃんごめんなさいです。熱くなりました」

「いいのよ。不老族仲間だから論議を交わすことで熱くなるのは当然のことだわ。ミリちゃんとは不老族について理解を深めてもっと熱く議論しましょうよ」

「はい!タカシさん達を見て不老族について理解しましょう!よくばタカシさんの能力を」


 不老族仲間って何?二人とも不老族じゃないよね?ところで俺の能力を何するの?ねぇ?俺に関わることでミリ達は自分も特殊能力を得られるの?能力は受け渡すことはできるけど俺の能力は感染するの?


 気になることがあるけどとりあえず、ミリとスフィアが仲直りしたのでよしとしよう。


「スフィアちゃん達どうしたのだろう?ケンカかな?」

「でもすぐに仲直りしたわよ?軽い揉め事じゃないの?タカシが自分の能力について話していたからタカシについてじゃないの?」


 二人はミリ達を見て楽観視していた。不老族スキーなミリ達にとってターゲットになり得ることで、君達も不老族だから君達も関係あるだからな。

 君達にはミリ達が何を話している内容はわからないと思うけど。


「おにいちゃんおなかすいた!はやくはいろーよ」

「ごめんごめん。入って何か頼もうか!」


 服の裾をアルムに引っ張られて、食堂にみんなで入った。


「いらっしゃーい!ん?子供ばかりじゃないか。角が親代わりって訳だな。うちにとっちゃ金さえ払えば文句はねぇけどな。ガッハッハ」

「ちょっとあんた。そんなデカイ声を出すんじゃないよ。せっかくの客が行っちゃうじゃないの」


 俺達が中に入った途端に店の亭主と思われる親父がいきなり独り言じみた言い始めて給仕の人がツッコミが入った。

 角が親代わりか。俺達の中で背が一番高いからそう思ったのか。端から見ればキサラギは成人した大人に見えるようだ。

 等のキサラギは弁解するのではなく、だんまりだ。俺達の保護者だぞ。お前はそれでいいのか?


 どうやらこの店は料理担当の人と給仕担当の人の二人で経営しているみたいだ。

 もしかして夫婦だったりして。


「下働きの野郎達は食べ終わって空いてるんだ。好き座ってくれ」

「もうあんた」


 好きに座っていいと言われたので大きなテーブル二つ繋げて9人で一緒に食べられるようにした。


「で注文はなんだい?」


 席についてすぐに注文の伺いきた。


「アルムはにくがいい」

「肉かい?肉と言うだけで料理を言わないとアタイが困るよ。うちは肉が入った料理はいくつもあるんだ。あそこの壁に書いてあるのがメニューだよ。あんたらが字を読めないなら聞いておくれ」

「わかった。ミリ?なんて書いてあるの?」


 俺は字が読めないのでミリを頼るしかないのだ。いつか覚えないといけないなと感じつつもそのままになっているな。

 壁に書いてある字に対して推測するとメニューは少ないみたいだ。


「えーとですね。何でも煮込みスープ、肉肉スープ、黒パン肉サンド、野野菜サンド、…って書いてありますけどタカシさんはどれがいいですか?」

「うーん。悩むな」


 ミリに全メニュー言ってもらったけど全部どんな料理かわからない。

 この国の伝統的な家庭料理とか地方料理なのか。名前だけではどんな料理かわからない。


「タカシ。どんなメニューがあるのよ」

「あそこの壁にメニューが書いてあって、今ミリに全部言ってもらったんだ。だけど言ってもらったのがけどほとんどどんな料理か検討もつかない」

「ちなみにあそこに書いてある物を言ってみてよ。僕達もそれを聞いて選ぶから」


 ミリが言ってもらったメニューを今度はアズサ達に話した。


「独特なネーミングだね。そうだね。僕は何でも煮込みスープがいいな。それとみんなでつついて食べられる物も頼もうよ」

「私もアズサと同じものでいいわ。こういう感じのお店って何が出てくるかワクワクして楽しいわ」


 アズサとジュンは決まった。

 何の料理屋かわからないのは好奇心をくすぐるのか?


「俺は黒パン肉サンドと肉肉スープでいい。それとこの二人は何でも煮込みスープ一つづつで。それと大きな皿でみんなが食べれる料理を何品かおすすめをお願いします。残りのみんなは何がいい?」

「アルムはにくにくスープとにくだまやきがいい!」

「おいら達はタカシと同じものでいいよ。キサラギもそれでいいよね?」

「あぁ、それで」

「私はアズサさん達と同じものでお願いします」

「私もそれでいいわ」

「コクコク」


 みんな決まったようだ。まずはみんなでつつける料理を頼んだ。何が出てくるか楽しみだ。

 個人で頼んだのがカブっているが、何の料理か出てくるかわからないのもあるだろうけど同調圧力と言うものだろう。


 なんかアルムが頼んだ肉玉焼きってなんかハンバーグぽくない?


「あいよ。出きるまでまちな」


 俺達は何が出てくるか楽しみながら料理を待った。

Twitterにて自分が読みたい系統を募集してます。

自分が書いた物が地球と異世界を行き来する作品だったり、この作品は地球と異世界を行き来する作品系ですよって言うのであれば紹介オナシャス!!

Twitter:@710WhiteNarou


地球と異世界を行き来する作品を教えてぇーー!!

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