孤児の暮らし方2
夏が終わり徐々に涼しくなってきました。
女子達を寝かせてた後、少し大変な目にあった。俺が廊下に身体を横にするといつの間にかキサラギとタントがいた。
「お前らな。自分のベッドがあるだろう?そっちで寝ろよ」
「僕達はベッドで寝て、タカシだけは床で寝るの?助けてもらったのにベッドまではいかないよ。タカシとキサラギがベッドを使ってよ」
「いい。床で寝る」
「お前らいい加減にしろ。そんな気遣いなんていらないんだよ」
二人の為に寝床をしたのに俺と一緒に寝るとまで言ったので念力でベッドで縛りつけた。
少し念力から逃れようとベッドの上で暴れていたが最後には疲れはてて眠りについた。
俺を床に寝させて自分達だけベッドで寝るなんて悪いとでも思ったのだろう。しかも一緒に寝ようなんてむさ苦しいだろう。男3人仲良くおねんねなんてな。
『パス、俺は寝るから見張りをお願い』
タカシはパスに見張りを頼み眠りについた。その後は日が上がるまで建物に誰も訪れることはながった。
太陽が上がり、壁の隙間から射し込んできた光で目が覚めた。今は朝方ぐらいの時間帯で、タカシは壁の隙間から外の様子を伺うとチラホラ人々が活動を始めていた。朝早く仕事に向かう者や見回りをする騎士が見られた。
その見回り騎士二人が建物に置かれた馬車に気付いて庭に入ってきた。
「なぁ、ここって空き家だよな?なんで馬車があるんだ?」
「そうだが、馬車が置いてあることは誰かが住み始めたんじゃないのか?年期が入っているがまだまだ住める屋敷だ。馬は牧場で借りて引っ越しでもしていたんだろう。行くぞ。こんなところでサボっていたって知られたらトウさんに叱られるぞ」
「お、おう。夜ここを通ったけど馬車なんて無かったんだよな?」
そんなことを話して騎士達は見回りに戻っていった。
怪しんでいた騎士は相方に納得させらていたが相方も怪しんで建物に入ってきたら終わっていた。
タカシは息を吐いて安心した。
「もうそろそろ出ないと回りに住んでいる住民に怪しまれるよな。みんな起きているかな?ミリ達も流石に薬が効果がなくなって起きてくるだろう」
王都の人々が徐々に動き始める時間帯が迫り、焦るタカシは女子達が眠る部屋に向かう。
「おはよう、みんな起きてる?」
「タカシ!ミリちゃん達に説明しなさいよ。私とアズサじゃ言葉が通じないから説明できないのよ」
「タカシさん!ここはどこでしょうか?私達捕まりましたよね?」
「おにいちゃんおなかすいたよ!」
女子組は起きていた。
ミリは捕まったことを覚えているらしく見覚えないここで目が覚めてパニックを起こしている。ミリを落ち着かせようとジュンやアズサが頑張っていた。
それを不安そうにユンが見ていて、スフィアは大人しく3人のやり取りを見ていた。
タカシが顔を出したとたんアルムがベスを抱いたままタカシのお腹に突進の如く抱きついた。ベスがクッション代わりになったことによってタカシはなんともなかったが、ベスがタカシのアルムの間でペチャンコになった。
「…それで昨日の夜、捕まった俺達は誘拐犯のアジトから逃げ出して、ここにたどり着いたんだ。夜遅くだったから泊まれる宿も見あたらなくてとりあえず誰も住んでないこの建物に入ったんだ」
ミリ達に昨晩の出来事を話した。
誘拐犯をお仕置したことは話してない。対した内容じゃないし、話してもつまらないと思った。
「それで私達はここにいるってことね。逃げ出したのはいいけどまた私達を掴まえに来るんじゃないの?」
「その時はタカシさんがやっつけてくれますよ。スフィアちゃん!」
元奴隷だったスフィアは追手を気にしたいたが、不老族信者のミリは俺が何とかしてくれると期待の目で見つめてくる。
あんなチンピラ程度の相手なんて俺達に近いた瞬間に遠くに投げ飛ばせるのは楽勝だけど、別の追手、ヒロや被験者相手だと無理そうだ。
俺一人なら逃げるのならできるけど数人を庇いながら被験者を相手にするのはほぼ不可能に近いな。
いや、油断大敵だ。油断していたから誘拐されたんだ。相手がチンピラ程度だろうが、被験者だろうがミリ達に危険が迫るものなら全力で立ち向かうべきだな。
「頼りにしてくれるのは嬉しいな。追手は来ないよ。俺達が逃げる時に騎士の人が誘拐犯のアジトに集まっていたから俺達を掴まえた人達はもう騎士の人達に捕まったと思うよ」
俺達を捕まえたことによって、今度は誘拐犯が捕まる側になったというわけだ。ミイラ取りがミイラになったけどこの国の法律を全然知らないからわからないけど犯罪を犯した人達は狭い牢屋に入れられるのだろうか?それともブラックな労働環境下で強制労働をさせられるのだろうか?
お仕置の怪我は対したことがないはずだから早くに自分の罪を償うことができるはずだろう。
頑張ってもらいたいところだ。
「おいにちゃんおなかすいた!」
「そうだね。昨日から何も食べてないな」
「タカシ?アルムちゃんはなんだって?」
「お腹空いたって。昨日から何も食べてないからなそりゃお腹空くよな」
「私荷物があるなら市場で買った果物があったはずです。すぐに準備できるので待ってください」
ミリ達に昨晩の説明を終えた俺を使ってサンドイッチごっこをして遊んでたアルムが説明を終わるのを見計らってお腹空いたと言う。
アルム達四人はずっと寝ていたのは別として昨日の昼ぐらいから俺達は何も食べてない。
それを聞いたミリは荷物に野宿よう買っておいた果物をリュックサックモドキから取り出した。
「朝ごはんにするの?でも足りなくない?あの子達もいるんでしょ?」
「あの子達を省いて僕達だけ食べるなんて気が引けるよ」
「あの子達は隣の部屋でまだ寝てるの?」
「そうだ。まだ起こしてないよ。先にミリ達の様子が見たかったから先にね。薬で眠らされて今でも寝ているんじゃないかなって心配になったんだ」
「タカシさん達は何の話をしているのでしょうか?」
「私に聞かないでよ。昨晩何かあったのは間違いないわね。タカシだけの話を聞いて私達の他に誰かいるみたいよ」
「起こしてないってことは寝ているのでしょうか?」
ミリ達はアズサやジュンの言葉わからないから俺とアズサ達の話しをしている時は俺の話だけを聞いてアズサ達と何を予想しているようだ。
アズサ達、言わば地球の言語を理解しようと頑張っているようだ。勤勉なことだ。
食料は王都に着く前にソイドさんとその騎士と冒険者に分けたから残りが少ない。昨日は少なくなった食料を買いに行こうとしたら誘拐犯に捕まって、食料を買えてないし、それから何も食べていない。
さらに人数が二人も増えた。隣の部屋で寝ているキサラギとタントだ。
ジュンの言う通り今ある食料だと足りない。
まだミリ達に二人を紹介してないから紹介したら、朝食をやっているお店に食べに行こう。王都だし、やっているお店とかあるはずだ。
「みんなに紹介したいヤツがいるんだ」
「誰ですか?ここに住んでいる人で私達を快く泊めてくださった方てわすか?」
「ミリちゃん違うわよ。きっと私達と同じ誘拐された不老族だわ」
「そうなんですか!」
俺がみんなに紹介したいヤツは絶対不老族なんだ?前に紹介したいって言った時はアズサとヒロだったか?二人は不老族だったけど今回は違うんだけどね。
ミリとスフィアの不老族スキーも困ったもんだ。
「スフィアが言ったことは少し当たってんだが、紹介したいのは不老族じゃないんだ」
「不老族じゃないんですか。でもタカシさんが紹介する方はただ者じゃないはずです!」
ミリは何の期待しているのかわからないけど二人を連れてくるか。
「じゃあ、ソイツらは隣の部屋で寝ているから起こして連れてくる」
「ソイツらってことは複数いるってことだわ」
「誰を連れてくるのでしょうか?楽しみですねユンちゃん」
俺がキサラギとタントを連れてくるために部屋を出る時、ミリとスフィアの中で色々と予想を立てているみたいだ。
ミリが傍観していたユンに話を振ってユンがコクコクと頷いた。それがちょっと可愛いかった。
「タカシおはよう」
「おはよう」
「ああ、おはよう。昨日寝てた子が起きたからお前達を紹介するから来てほしいんだ。それと今後のことも話したいしな。全員いることだしな」
「わかったよ。キサラギ僕を持って隣の部屋に運んで」
「んー」
俺はタントを連れてみんながいる部屋に戻った。
「タカシさんが紹介したい方ってその二人ですか?」
「鱗がある肌の子はドラゴニア族。それと額に角がある子はオルゴ族ね。ここら辺では見かけない種族だわ。昨晩、私達と一緒に捕まっていたのがその子達なのね」
スフィアがキサラギとタントが入ってきた瞬間に何の種族かわかったらしく、見事に言い当てた。二種類の種族とあったかもしれないが、スフィアの種族であるエルフは種族を言い当てるのが得意なのかもしらない。
スフィアの故郷の里には不老族の伝承以外に他の種族の特徴や伝承をまとめた本があるらしい。種族図鑑みたいな本に書いてあった特徴と一致したからそうだ。
種族図鑑以外にもエルフの里には古い伝説や言い伝えが書かれた本がいくつもあるらしい。スフィアが生まれる前にそれらを読む為に不老族が滞在していたという。不老族が読んでいたから読み始めて覚えたそうだ。
俺は考古学者じゃないから伝説や伝承は読みたくはないな。眠くなりそうだ。漫画形式だったら読んでいたかもしれないが。
「流石は聡明な種族のエルフだね。一目で僕達の種族当てるなんて凄いよ。僕はドラゴニアン族のタント。こう見えて足が悪いから一人で立つことができないからこうして誰かに運ばれるしか移動できないんだ」
「オイラ、オルゴのキサラギ」
キサラギに担がれたタントが最初に自己紹介をして、次にボソッとキサラギがした。
自分の自己紹介を終えた無口なキサラギはタントの担いだまま曲率不動の状態でたたずむ。
他にないのかよ。ボソッと言っただけで終わりでただ立っているだけかよ。
ボソッと言っただけだからみんな?を浮かべてるぞ。まったくちゃんと自己紹介したタントを見習ってほしいもんだ。
キサラギの中では昨晩、タント達にはミリ達を紹介したからもう終わったって認識なのか?何を考えているのかわからないヤツだな。
「私はミリって言います。ビースト族です。よろしくお願いします」
「アルムはアルム。こっちがスライムのベスって言うの」
「私はスフィア。見ての通りエルフでミリちゃんとアルムちゃんに魔法を教えてるわ。この子はユン。しゃべることができないわ」
(コクコク)
ミリ達も次々と自己紹介をしていく。ミリ達が寝ている間、もうすでにタント達には紹介していたとは言わない。ミリ達がせっかく自己紹介したのが無駄になってミリ達が恥ずかしい気持ちになると思ったから口から出てきそうな言葉を飲み込んだ。
「自己紹介が終わったことだから朝食を食べに行くぞ」
「えっ?私が準備するんじゃないのですか?」
「ミリちゃんこの人数じゃ食料の量が足りないのよ。タカシは足りないから外で食べることを提案したのよ」
全員で朝食を食べに出た。
最初は貧民街ポイ建物が並ぶ王都の裏の顔のような場所で馬が引かない馬車は目立つと思い馬車をここに置いて行こうと思ったが無断で泊まった上、勝手に私物を置いたとなれば不法侵入で騎士に捕まりかねない。
仮にここの持ち主が来て怪しげな馬車を見て通報したとか荷物まるごと持ち去ったってことになればめんどくさいから荷物やミリ達を馬車に載せて行くことにした。乗せられる人数の関係上キサラギやタントは馬車に乗せられないからタントを担いだキサラギは歩いてもらっている。
現在結構な金額を持っているし、三食程食べてないから多少ボッタクられてもかまわないから何かしら早くミリ達に食べさせてあげたい。
「あれはなんでしょうか?人が集まっていますよ。それにいい匂いもします」
「そうね。美味しい屋台なのかしらね」
「見てみるか。どれどれ」
ミリが教会似た建物の前に人集りを見つけた。建物の方から微かに美味しいそうな匂いが漂ってきた。スフィアが言うような屋台とは違うみたいだ。
「見たところ何個かある大きな鍋で料理を作っているけど屋台とは違うみたいだ。なんだろうなあれは。お金を払っている様子もないし、料理を食べているのがほとんどが子供だしな」
金銭的なやり取りがなくて無料で料理を提供しているのが俺にとって不思議な光景だった。
「あれってボランティアとかじゃないの?ほら恵まれない子供や働けない大人に定期的に料理を配るみたいものじゃないの?」
「そういえばそうかもしれないね。食べてる人達は生活に困っている人達みたいだしね。もしかして僕達もあそこで配われている物をもらうの?」
「もしかして食べたいの?」
「違うよ。お金を持っている私達があの中に入るのは悪いでしょ?僕はミリちゃん達があそこで配っているからあれを食べようって言っているのかなーって思っただけだよ」
ジュンが集まる人々に指して言う。
ボランティアみたいなものか。確かにそう見える。
マンガで似たようなシーンがあったな。シスターが孤児とかにパンを配っていたな。それのスープバージョンか。
ジュンが言う通り金のある俺達には関係ないな。ここの住民の貴重な栄誉元だ。俺達がそれを横取りはできない。




